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読書備忘録

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#本のある暮らし

(本)終活シェアハウス

年齢に関係なく、人生は突然終わるものだと思って入るけれど、身の回りを整理できないのは私だけではないと思います。 ここ数年、親の介護もあってか、「終活」という文字に惹かれてしまう傾向になります。そんな私が昨夜読み終えたのがこの作品です。 2024年4月17日に、小学館から288ページの単行本として発売されている、この作品を図書館で見つけました。 学生時代の同級生がシェハウスをし生活する女性たち3人に、新たに同じく同級生だった女性も同居し女4人で合計272歳。彼女たちの年齢

もう明日が待っている

6月に入って、ほぼ自炊生活を送っています。 元々若くして働きに出た私は、家事が苦手です。子育ての時期も実母にとても助けられていました。今でも愚息たち含め、感謝してもしきれません。 そんな私ですから、もちろん料理も苦手です。母が作っていた簡単な料理は舌が覚えていて、なんとか作れますが、毎食となるとレパートリーの少なさに苦戦しています。 ここ数日レシピサイトで、簡単で幾日か保存のきく料理を検索、試作の毎日です。 とりあえず、材料、調味料を揃えて取り掛かるのですが、計量にか

東野圭吾「マスカレード・ゲーム」

読んだ本の紹介 出版社:集英社 発売日:2022年4月20日 単行本:376ページ 内容:ホテル・コルテシア東京を舞台とした、書き下ろしシリーズ第4作 この本を読んだ理由 著者東野圭吾氏の作品は好きで、ほぼ全作品を読んでいます。この作品は、入院前に予約しましたが、昨日貸出可能となり、早速読みました。 あらすじ 感想 いつもながら人の気持ちを掬い上げながらうまく描かれたミステリーです。 舞台が高級ホテルであること、警察が潜入捜査という手法で捜査をすることで、ホテルマ

深緑野分「スタッフロール」

おはようございます。 今週は大相撲名古屋場所と世界陸上が開幕し、スポーツを楽しむ時間が増え 本を読む時間がますます減ってきていますが、20日の発表を前にこの作品は読むことができました。 読んだ本の紹介 出版社:文藝春秋 発売日:2022年4月13日 単行本:469ページ 内容:特殊造形師・マチルダとCGクリエイター・ヴィヴィアンの2人が、映画の世界でもがき、苦しみながらも特殊効果という技術で共鳴し合う。 この本を読んだ理由 作品としては7月20日に発表される直木賞候補

小路幸也「ハロー・グッドバイ」

おはようございます。昨日楽しむことを目的に本を1冊読んでみました。 読んだ本の紹介 出版社:集英社 発売日:2022年4月26日 単行本:268ページ 内容:「東京バンドワゴン」シリーズ第17作 この本を読んだ理由 このシリーズは第1作から好きで読んでいます。また1作目がドラマ化されたことが、その後の作品で登場人物たちの動きを想像しています。 あらすじ 感想 「東京バンドワゴン」の3代目勘一も88歳。男性としては後期高齢者の中に入りましたが、1年を通していつもの

「死神と天使の円舞曲」知念実希人

昨日の検査で、血液の値が正常値内に戻っていて、手術担当医から平常生活に戻れると言われました。温かいコメントも含め、ご心配いただいた皆様に心より感謝申し上げます。 病院を後にして、早速夫に図書館に連れて行ってもらい、本を借りてきました。 今日はその中で、楽しんで読むということに徹した作品を紹介します。 読んだ本の紹介 出版社:光文社 発売日:2022年5月30日 単行本:328ページ 内容:「死神」シリーズの第3弾 この本を読んだ理由 著者の知念氏は現役の医師なので、医

浅倉秋成「俺ではない炎上」

午前中は1ヶ月ぶり持病の受診でした。主治医も先の手術&腹膜炎に驚かれ、まだ暑い日が続くので無理をしないようにと言われ、いつもの薬を処方していただき、帰宅しました。 読んだ本の紹介 出版社:双葉社 発売日:2022年5月22日 単行本:368ページ 内容:ある日突然、SNSで「女子大生殺人犯」に仕立てられた男。日本中が敵になり、必死の逃亡を続ける男が辿り着いた驚くべき真相。 この本を読んだ理由 著者浅倉秋生氏の6人の嘘つきな大学生」が予想外に面白くて、この作品も書評を読

益田ミリ「ミウラさんの友達」

術後ベッドの上で何もすることもないので、夫にKindleを持ってきてもらっていましたが、やはり体調は悪かったようで、ほとんど読むことが出来ませんでした。退院後、図書館から貸し出し可能メールが届いたので、まずこの作品から読むことにしました。 読んだ本の紹介 出版社:マガジンハウス 発売日:2022年3月17日 単行本:144ページ 著者デビュー20周年記念描き下ろし漫画作品 この本を読んだ理由 Webブッククラブで、「今日の人生」を紹介され読んでから、著者の作品を読むよ

スマホ脳

読んだ本の紹介 出版社:新潮社 発売日:2020年11月18日 新書:256ページ 内容:教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラー この本を読んだ理由 2021年とても話題になった作品でしたが、その時は手に取ることを逃していました。昨日思いがけず出会い、夢中で読み、1時間余り読み終えました。 あらすじ 感想 著者は1974年生まれで、スウェーデン・ストックホルム出身精神科医のアンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)氏。 ゆえに氏

イ・ドウ「天気が良ければ訪ねていきます」

読んだ本の紹介 訳者:清水博之 出版社:アチーブメント出版 発売日:2020/12/28 単行本:424ページ 内容: この本を読んだ理由 本作がパク・ミニョン×ソ・ガンジュン共演のドラマの原作で、邦訳もあると知り図書館を検索したら、幸いにも県立図書館にあって相互賃借してもらいました。 あらすじ 感想 韓国ドラマを観てから惹かれ読んだ原作本でしたが、ドラマ以上に感慨深い作品でした。 ドラマでは、主人公の2人が持つ傷のような過去を背景に、友情や恋愛を軸に描いていま

立川志の輔「大河への道」

読んだ本の紹介 出版社:河出書房新社 発売日:2022年3月5日 文庫本:224ページ 内容:立川志の輔の新作落語「大河への道」からの文庫書き下ろし。 この本を読んだ理由 2022年公開の映画「大河への道」の原作本です。映画はまだ観ていませんが、脚本を森下佳子さんが担当されているらしいので、興味を持ちました。 あらすじ 感想 伊能忠敬を主人公にした大河ドラマを作成してもらい、地元の観光PRに役立てようという、まさに地方都市が考えそうな発想から始まった物語です。

松岡圭祐「高校事変Ⅻ」

読んだ本の紹介 出版社:KADOKAWA 発売日:2022年3月23日 文庫本:496ページ 内容: この本を読んだ理由 Kindle本まとめ買いでポイントがたくさん付いたのを機に、読み出して結局最後に辿り着きました。 あらすじ 感想 死を覚悟して戦った結衣が、瀕死の状態とはいえ助かったのは、日本にまだ希望があるという著者の意図なのだと思います。 決してこのような現実があってはならないと思いますが、昨今の世界情勢と日本の政治力をみていると、不安を払拭できる状態と

西條奈加「隠居すごろく」

久しぶりにKindleで読書を楽しみました。 読んだ本の紹介 出版社:KADOKAWA 発売日:2022年2月22日 文庫本:464ページ 内容:直木賞作家が描く、ほっこり笑えてじーんと泣ける江戸人情物語 この本を読んだ理由 西條さんの時代物は好きだったし、Amazonギフト券が手に入って、キャンペーンもあったのでKindle本を買いました。 あらすじ 感想 徳兵衛が隠居生活に入って、経験した物語は是非、読んで確かめていただきたいのですが、理屈抜きで楽しい小説で

青山美智子「赤と青とエスキース」

読んだ本の紹介 出版社:PHP研究所 発売日:2021年11月10日 単行本:240ページ 内容: この本を読んだ理由 著者の作品で「お探し物は図書室まで」がとても良かったので、今回も期待して読みました。 あらすじ 感想 題名にも入っている「エスキース」が下絵のことであることを私はこの物語で初めて知りました。 絵画の展覧会でデッサンを見たことがありますが、それも一つの作品なので、これが作品を通して大きなキーワードになっていることは、読まれていない方も想像がつくこと