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読書備忘録

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#田舎暮らし

水墨画作家が描く青春小説

今日は。相変わらず、お家でのんびり。姑の洗濯物があり、午後、雨の予報だったので早朝洗濯を済ませました。おかげで、結構乾きました。 さて、今日は水墨画作家さんの小説をご紹介します。 読み終えた作品 2023年12月13日に講談社から352ページのソフトカバー単行本として発売されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 筆先から生み出される「線」の芸術、水墨画。それを題材にしたデビュー作「線は、僕を描く」は、あの漫画「BLUE GIANT」同様に、紙面上で描く筆の穂

夜明けのすべて

体調が悪いと何をするのも嫌になります。特にこの寒い時期はダメです。 本を読むのがやっとです。病気をお持ちの方はいかがでしょうか? 昨夜読み終えたのは瀬尾まいこ氏の作品です。 職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。互いに友情も恋も感じてないけれど、おせっかい者同士の二人は、自分の病気は

胸を締め付けられるも、根底に温かいものが流れている

昨日noteが連続555回を記録しました。キリがいいのでスクリーンショットとってしまいました(苦笑) これで気分が良くなるはずなのに、今朝からどうも調子が今ひとつです。 夫にあたりたくないので、できるだけ会話を避けています。 帰って来ない母を“とわ”は一人で待ち続ける。何があっても、前を向いて生きる―。草木や花々、鳥の声。生命の力に支えられ、光に守られて生き抜く“とわ”の物語。(「BOOK」データベースより) 昨夜読み終えた久々の小川糸氏の長編です。最初の温かい出だしか

心淋し川

私たち夫婦は今日無事結婚記念日を迎えました。コロナ禍で夫婦揃って元気であることのありがたさをかみしめています。 Instagramを拝見していたら、お若い夫婦で今日結婚10周年を迎えられたというかたが鰻重をあげておられました。コロナ禍で私たち夫婦は家で静かに過ごしていますが、昨年の年明けに愚息たちと東京で鰻を食べた時は、このような状況になるなんて予想もしていませんでしたから、本当に驚きです。 さて静かに家で過ごした私は、田舎町の図書館では最後の直木賞候補作品を読み終えまし

八月の銀の雪

日中10度まで気温が上がり、少し薄着ができた感じの1日が終わりに近づきました。全国的に暖かだったようですね。 暖かさに思わず夫婦で出かけたので、先ほど読み終えた作品がこちらです。 不愛想で手際が悪い―。コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた驚きの真の姿。(『八月の銀の雪』)。子育てに自信をもてないシングルマザーが、博物館勤めの女性に聞いた深海の話。深い海の底で泳ぐ鯨に想いを馳せて…。(『海へ還る日』)。原発の下請け会社を辞め、心赴くまま一人

インビジブル

今回の寒波は日本海側に大雪をもたらしました。 こちらも気温が連日マイナスなので、解ける気配がありません。北陸、東北地方ほどではありませんけれど。 そんな寒い1日をcovid-19を避けて、連日雪かき以外は家で読書とTV視聴で過ごしています。本日読み終えたのはこちらです。 昭和29年、大阪城付近で政治家秘書が頭を麻袋で覆われた刺殺体となって見つかる。大阪市警視庁が騒然とするなか、若手の新城は初めての殺人事件捜査に意気込むが、上層部の思惑により国警から派遣された警察官僚の守屋

汚れた手でそこで拭かない

1都3県に緊急事態宣言が出されましたが、こちらまた平地一面雪で覆われ、その意味でも身動きできない状態になりました。 最近の天気予報は外れることが少なく、常備食をかなり用意しましたので、食には不安がありませんが、隣町では停電も発生したりして、そちらの心配があります。どうかこれくらいで雪が収まって欲しいです。 さて年末年始をしゃばけシリーズで楽しんだ私ですが、昨夜は今月中旬発表される直木賞候補作を1冊読み終えました。 平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくな

むすびつき

正月3が日もあっという間に最終日。 夫婦で静かに過ごしていますが、巷はcovid-19の陽性者が出て、本当に医療従事の方は大変です。 そういう中ですが、今日もしゃばけシリーズを紹介します。 若だんなは、前世でどんな人だった?若に会いたい、とつぶやく玉の付喪神。見覚えがあるという貧乏神の金次は、合戦の時代に出会った“若長”のことを語り始める。鈴彦姫は、縁のある神社の宮司が、一太郎に生まれ変わったのでは、と推理する。さらに、三百年前に前世の若だんなに惚れていたという麗しい鬼女

とるとだす

初夢をご覧になりましたか?私は持病を得てから眠りが浅く夢を見ることがほとんどなく、寂しい限りです。 さて昨日愚息たちからあけおめよろの電話を受け、その後TVをみていたら、急に映らなくなりました。どうも雪でアンテナがやられてしまったようです。テレビっ子の夫はもう手持ち無沙汰で、何度も確かめるのですが、映らず悲しい様子です。管理会社も正月休みなので、来週でないと見ることができないでしょう。 今日もしゃばけシリーズ、引き続きお付き合いください。 若だんなの父、藤兵衛が倒れた!

類(50-50)

今週の天気予報は雪マークが並んでいて、今日も積雪を心配していますが、今のところ屋根に残る程度で助かっています。しかし安心はできません。 さて今年最後の本はこちらの作品です。 明治44年、文豪・森鴎外の末子として誕生した類。優しい父と美しい母志げ、姉の茉莉、杏奴と千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていた。大正11年に父が亡くなり、生活は一変。大きな喪失を抱えながら、自らの道を模索する類は、杏奴とともに画業を志しパリへ遊学。帰国後に母を看取り、やがて、画家・安宅安五郎の娘

来年の新作短編集の発刊が待ち遠しい

昨日新潮社から嬉しいメールが届きました。 十二国記 「新作刊行記念全員プレゼント」 一話のプレゼントのご案内 「白銀の墟 玄の月」刊行時購入全員プレゼントとなっていたものが、十二国記の日である12月12日に配信されたのです。 来年発売される短編集の第一話を読めるという嬉しいプレゼントに、すぐ開いて読み終えました。 内容は来年発刊される短編集のお楽しみです。皆さんとともに発刊を待ちたいと思います。

ババガヤの夜(49-50)

今週も始まりましたね。冷たい雨の降る月曜日の昼下がりです。 今日は1昨日読み終えた、王谷晶さんの作品を紹介します。 お嬢さん、十八かそこらで、なんでそんなに悲しく笑う――。暴力を唯一の趣味とする新道依子は、腕を買われ暴力団会長の一人娘を護衛することに。拳の咆哮轟くシスターハードボイルド!(Amazon内容紹介) 王谷晶氏の作品は初読みでしたが、今回の作品はタイトルや寺田克也さんのカバーイラストからして編集者の力が入っているであろう作品であり、またそれに違わぬ読み応えのある

滑走路(48-50)

昨日は一気に2冊読み終えました。集中していました。今日はそのうちの1冊小説「滑走路」をご紹介します。 厚生労働省で働く若手官僚の鷹野は、激務の中で仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。ある日、陳情に来たNPO団体から、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ、自分と同じ25歳の青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始める―。一方、30代後半に差し掛かり夫との関係性や将来への不安を抱える切り絵作家の女性、幼なじみを助けたことでいじめの標的になった中学2

首イラズ〜家族捜査局長・周防院円香(47-50)

映画館から帰宅した昨日の午後はゆったりと図書館から借りてきた本を1冊読みました。作品は岡田秀文さんのもの。予約がかかっているので、読んで図書館に返さなければいけないので、少し急いで読みました。 大正時代、警視庁に「華族捜査局」が新設された。記念すべき初捜査、公爵で局長の周防院円香と、警部補の来見甲士郎は、九鬼梨伯爵家で起きた毒殺事件に取りかかる。動機は家督相続権争いと思われた矢先、円香たちの目の前には、第二の犠牲者の「生首」が現れ、鎌倉時代から語り継がれる九鬼梨家の「首なし