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読書備忘録

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2023年3月の記事一覧

肉体ベースのぶっ飛んだ比喩にご注意を

おはようございます。霞んだ天気で耳鳴りのする中書いています。この天候でみなさんはいかがお過ごしでしょうか? 久々に図書館に行って、しっかり本を借りてきたので、これから順次読み終えた作品を紹介していきます。 今日は文学賞も受賞している作品です。 この作品を選んだ理由 図書館で題名に惹かれて、手に取って読んでみました。 読んだ本の紹介 出版:2023年1月26日講談社 単行本:144ページ あらすじ 感想 「冷え性」と「脂肪吸引」を題材のした、なんとも不思議な

日韓同時刊行!アジアで活躍する9名によるアンソロジー

急遽母の入院先から主治医が会いたいと電話が入りました。 午後1番に面談、食欲不振で元気がなくなってきたというので、一通りの検査をしたのでその報告と、もしもの時の延命措置についての説明と承諾書の署名を求められました。高齢なので、自然に任せてほしいとお願いしてきたところです。 さて、このところ家の中で過ごしているせいか、眠りが浅く、1時間ほどしか眠れません。そんな時はやはり読書です。今回はこんな本を読んでみました。 読んだ本の紹介 出版:2022年12月16日 小学館 単

おつかれ、今日の私。

午前中、WBC準決勝をハラハラドキドキ、そして思わず「やったー」思いっきり弾けて観戦した後、実家と母の入院先へまわり、洗濯、買い物を済ませたら、こんな時間になりました。皆さんは野球観戦されましたか? さて昨夜はこんな本を読みました。 読んだ本の紹介 出版:2022年12月8日 マガジンハウス 単行本:192ページ この本を選んだ理由 著者のジェーン・スーさんは、東京生まれ、東京育ちの日本人である彼女のラジオを聞いたことがあって、エッセイも書いておられることを知り、

すべてが大仕事〜終活第一段階引っ越しの道のりに共感

こんにちは。日曜日の午後、いかがお過ごしでしょうか? 私はここ数日体調の悪さと不得意分野の読書挑戦に苦しんでいましたが、軽いエッセイで少しホッとしています。 読んだ本の紹介 出版:2022年12月7日 朝日新聞出版  単行本:240ページ この本を選んだ理由 群ようこさんは世代的に近く、どの作品も肩を張らずに読めるので、新刊は必ずと言っていいほど読んでいます。 あらすじ 感想 住み替え引っ越しのこまごまとした経緯だけなのに、やはり群ようこさん、不思議なほど楽しく

自由でささやかな生活への憧れ

お昼前からだんだんと雲がかかってきたと思ったら、随分と気圧が下がってきていて、頭痛がひどくなってきました。こういう時でも少しは読書をと頑張って読みました。 この本を選んだ理由 以前から群ようこさんの書かれる物語やエッセイが好きで、図書館にリクエストしたりしながら発売後次々と読ませてもらっています。 読んだ本の紹介 出版:2023年1月13日角川春樹事務所 単行本:216ページ あらすじ 感想 物語の中で描かれるキョウコの自由でささやかな生活は、現代社会で働く人

『認知症老人が名探偵!?』温かい絆と謎解きが融合

この本を選んだ理由 第21回「このミステリーがすごい大賞」受賞作が図書館に入りました。私が通う図書館は割とミステリーが揃っています。今回はどんな作品なのか、興味がありました。 読んだ本の紹介 出版:2023年1月7日宝島社 単行本:352ページ あらすじ 感想 本作は認知症を抱えた老人が名探偵として活躍するという斬新なアイデアでもって、老人の認知症という現実をミステリーとして巧みに取り込んだ点がうまく作用した作品だと思いました。また老人と孫娘の絆が心温まる一方で、

『大丈夫、ムリしなくても生きられる』甘く切ない、女性たちへのBoost

韓国内でも多くの共感レビューが書かれていて、図書館で翻訳版を手にしたとき、題名にまず惹かれ読み始めました。 読んだ本の紹介 出版:2022年8月29日大泉書店 単行本(ソフトカバー)264ページ あらすじ 感想 ムリさんという主人公が自分の人生を歩んでいく過程で経験する様々な苦難や悩みを描いた、とても心温まるエッセイで、彼女が失敗や困難に直面しながらも、自分の道を歩み続ける姿勢には、多くの共感を覚えます。特に、女性が抱える社会的なプレッシャーやバイアスについて、こ

冤罪事件に迫る衝撃的な真実

10月から12月にかけて地上波TVで放映、Netflixでも配信の関西テレビ制作「エルピス」は心の奥底に残る作品で、この作品が多くのノンフィクションをもとに描かれていることを知って、その中で一番読みやすそうな作品を1冊読みました。 読んだ本の紹介 2016年5月28日新潮文庫出版 文庫 ‏ : ‎ 509ページ あらすじ 感想 5人もの少女たちが姿を消し、その事件が“解決済み”とされている現実に、何かが違和感を覚えてしまったという著者の言葉にまず私は深く考えさせら