自分から動く

穂村弘さんが、まだ無名の頃のこと。

自分にはすごい才能があって、いつか誰かがその才能に気がついて、「君、すごい才能だね。本を出しませんか?」って声をかけてくれるのを待っていたんだけど、何にも行動してなくて、そんな奇跡が起きるわけもなく、それで、自費出版で本を出した。
その本を高橋源一郎が読んでくれて、大絶賛してくれて、そこから自分のキャリアが始まった。自分の方から行動しないと、神様は気づいてくれない。

というようなことを書いていたんですね(うろ覚えです。細かいところ間違ってたらごめんなさい)。

こういう、「自分はすごい才能があるから、いつか誰かがそれに気がついて、向こうから、『君、すごい才能だね。作品にしませんか』って言ってくるはずだ」って思いこんでしまうことってよくありますよね。

そんなことってめったにないんですよね。

益田ミリも、無名の頃、すごく営業したらしいんです。

色んな出版社に連絡して、描いたものを見せて、「描かせてください」っていうのをすごくやったそうなんですね。

そして、先日、末吉宏臣さんの記事を読んでいたら、刺繍作家yacmiiさんも自分ですごく営業したみたいなんです。

 ※

出版社や編集者に、「私、こんなのが書けるんです。こういう企画があるんです。書かせてください」って営業をしたことってありますか?

周りのフリーでやっている人たちに聞いたのですが、普通は、みんなそういう感じでしょっちゅう営業しているそうなんですね。

例えば、「こういうアーティストが来日するので、そのアーティスト周辺のシーンを紹介する記事と、そのアーティストのインタビューをやらせてください」とか

「今、婚活アプリを使って出会った人たちが、本当に結婚ができているのか、実はこういうケースがあって、っていうのを取材した記事を書かせてください」とかって感じで営業するそうなんです。

 ※

昔、僕、なんとなく「作家になりたいなあ」と思っていたのですが、周りのプロ達に「待ってても声なんてかからないよ。営業しなきゃ」って言われて、そうなんだなあ、って思ってたけど、でも動けなかったんです。

でも、moiの岩間さんが「カフェレスの編集者と仲がいいから、林さんとの連載させてって言ってみるね」って言ってくれて、初めての連載が決まったのと、

あるいは、CINQの保里さんが「林くん、ボサノヴァの本、一緒に作ろうよ。アノニマスタジオの編集者と仲がいいから、本作らせてって言ってみるね」って言ってくれて、初めての本も書けました。

ふたつとも、僕が動いたわけではないのですが、出版社や編集者から「こういうのやりませんか?」って声がかかったわけではなく、こちらから「こういうのやらせてください」って声をかけたわけです。

「自分は才能があるから、いつか誰かが自分の才能に気がついて、声がかかるはず」と信じているあなた、自分から動くと簡単に動き始めますよ。

#コラム

色んな質問に答えた本が出来ました。『ちょっと困っている貴女へ バーのマスターからの47の返信』 https://goo.gl/dZ32IW 立ち読みできます!
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bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「昨日は忙しかった」です。

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