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日本ワイン VS フランスワイン 3本勝負!〜第1弾〜白ワイン篇/ミエイケノ VS ヴァンサン・ドーヴィサ

今回から総支配人と管理人でワインについて語っていきます。長文でダラダラ、ゆるゆる書いていますが気軽に読んでみてください。
今回のテーマは「日本ワインってぶっちゃけ美味しいの?」です。ワインの王道であるフランスワインと比べながら話していきます!
日本ワイン VS フランスワインの3本勝負で、白ワインはシャルドネ対決、赤ワインは2 種類をそれぞれ比較します。


管理人(以降「管」):それでは、お願いします!
まず、お聞きしたいのは全体的に日本ワインとフランスワインを比べると総支配人の評価はどうでしょうか?

総支配人(以降「総」):どの国でも造り手のレベルは天と地ほどの差があるから、ある程度、評価に値する造り手のワインという前提で聞いてほしいな。
【フランスワイン全体としての評価】
香りや味わいにおける気品や品格、満足感、心地よい複雑さなど特徴の全てが、ワインの王道とも表現すべきものになっている。地域ごとに個性豊かで、その地域の中での造り手一人ひとりの個性も豊か。土地やその他の自然環境をよく表現しているね。
身体意識から観ても、センター、上丹田、中丹田、下丹田といった人間にとって最重要の身体意識が揃っているものが多く、その強さ、質の良さも際立っている。身体意識については以下の記事を見てほしいかな。総合的に整然とした美しい構造になっており、飲む側にも高いレベルを要求してくるかのような印象だね。

続いて、【日本ワイン全体としての評価】
ここ10年位で、かなり全体のレベルが上がってきていると思う。ワインとして表層的な香りや味わいのレベルについては高くなってきているし、醸造技術の向上も素晴らしいものがあると思う。
しかし、身体意識のレベルについては、フランスワインと比べるとまだまだ低い水準でしかない。身体意識の構造がはっきりせずぼやけたものが多く、質についても高いレベルとはまだ言えないかな。

管:フランスワインは歴史も長いんで王道な感じなんでしょうね。フレンチと合わせるためにも料理と相乗効果でレベルを高めていったという感じかなぁ。フランスはその土地=テロワールの要素を上手く表現してるとのことですが、総支配人目線での身体意識から見ても同じ地域で大半のワイナリーがテロワールの特徴を捉えている感じですか?

総:そうだね。例えばブルゴーニュでは、一つの畑を複数の造り手で分割所有するのが一般的なんだけれど、異なる造り手でもその畑の特徴がよく表現されていることが多いね。特にブルゴーニュは「畑の特徴を含むテロワールを表現する」ということに懸ける信念が凄まじい。

管:うむうむ、なるほど。一方で日本ワインもテロワールの良さを徐々に引き出してきたんですかね?ワインを作る土地として、日照時間や雨量はフランスと日本で比べても意外と大きな差はなかったりしますよね。しかし、総支配人の身体意識図では日本ワインとフランスワインとでは情報量が違います。その点も惜しいということでしょうか?

総:昔と比べて、日本ワインの”テロワールの良さを引き出す能力”は間違いなく上がっていると思う。ただし、よい葡萄を造るための土地そのものが持つポテンシャルと身体意識はフランスが圧倒的に良いので、その差を埋めるのが大変だね。身体意識図で見ると、日本ワインの多くは”弱く””ぼやけた””少ない”身体意識の要素をなんとなく並べた感じなのに対して、フランスワインは、明確な構造を持つ多くの身体意識の要素を機能的に美しく並べた感じ、と言えば伝わるかな。

管:なるほど〜。日本ワインにとっては厳しい企画になりそうですね。笑

総:そうかもね。笑
これは言いにくいことなのだけれど、造り手の身体意識・身体能力について、例えばブルゴーニュの超一流の造り手と比較すると、サッカーなら中学校の部活動の生徒(日本ワイン)とチャンピオンズリーグの選手(フランスワイン)くらいの差があるので、そこも最終的なワインの身体意識の差になっているね。

管:しかし、敢えてこの日本ワイン VS フランスワインという企画を行ったのは、日本ワインも素晴らしいものがあることを伝えたかったわけです!
そこで総支配人に同じ価格帯で各地のレベル高い造り手ワインを比較するとどうなるのか、初めて飲む人にお薦めするならどちらのワインか?という白1本、赤2本の3本勝負を行いたいと思います。もちろん読者の方の異論も認めます。笑
早速、白ワイン対決から行きましょう!白ワインは2本とも100%シャルドネです。この2本を選出した理由を教えてもらえますか?

フランスワイン:
ヴァンサン・ドーヴィサ
シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン2017
VS
日本ワイン:
ドメーヌ ミエイケノ
シャルドネ 2019

総:白ワインを取り上げるなら間違いなくシャルドネだと思っていたので、フランスは一般的にも知名度のあるシャブリにしようかと。ピュリニー・モンラッシェやムルソーだと、そこまで知らない人もいそうだし、価格帯も上がってきてしまうからね。それでシャブリなら、やはり半端なレベルな造り手だとつまらないし、比較対象となる日本ワインに対しても失礼だから、トップレベルの造り手であるヴァンサン・ドーヴィサを取り上げてみたんだ。
日本ワインの方は、個人がメインでやっている造り手で、一般評価の高いものを選んでみようかと。その中でかなり以前から、ブルゴーニュと比較しても遜色ない、という評価が多かった注目度の高い造り手であるミエ・イケノを取り上げてみたよ。価格帯が近く、テイスティングした時期も偶然近かったので、これは面白いかなと思って。
▼ ピュリニー・モンラッシェ

▼ムルソー

▼シャブリ

管:それぞれの美味しさや身体意識を伺うのが楽しみですが、結論ズバリ、総支配人が読者に対してワインの購入をオススメするならどちらでしょうか?

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総:ヴァンサン・ドーヴィサだね。価格帯が上がってきているので今後同じ価格帯では買えなくなると思うけれど、それでも選ぶ価値はあるかな。それだけの差があるってことだけどね。

管:管理人は飲んだことないっす。すいません。笑
シャブリ地区でもトップに位置するワインのようで、ネットの口コミでも美味しいという評価がかなり見られました。特にレモンのテイストや、ミネラルが感じれるさっぱりしたワインのようですが、総支配人の飲んだ際の感想はどうでしょうか?

総:素晴らしく美味い!という感想かな。ワインに対する具体的な香りや味わいについては他の方へ任せよう。笑
我々は身体意識の観点でもう少し踏み込んだ話をすると、「フルボディ」という言葉があるよね?ワインの味わいを表す言葉なんだけれど、一般的には「重い」と同じような使われ方をされているよね。濃くて渋味があってアルコール度数が高い、というワインに使われている。でもフルボディの「ボディ」とは身体のことだとすると、「身体が何らかのもので満たされている状態のワイン」ということだ、と私は考えたわけだ。それで、その”何らかのもの”こそが、身体意識であることが分かってきた。
つまり、赤/白ワインに限らず、優れた身体意識に満たされているワインは、「フルボディ」と表現すべきだと思う。そういう意味で、このヴァンサン・ドーヴィサは文字通りのフルボディと呼べる。だから飲んだ時の満足感、何かに満たされる感じというのが圧倒的に強いんだよね。

管:ワインに対するボディ感は確かに感じられる気がします。ワインだけでなく、料理とか口に入れるもの全般的に言えるかもしれないですね。
私は身体180cm以上と大きいのですが、ランチでガッツリ食べたい時でも時間無い日はファストフードでご飯大盛りとかにします。で、その時はお腹いっぱいになっても結構すぐ、15時くらいにはお腹空くんですよね。でも一流のコース料理を食べた時は本当にお腹が満たされて、〆のラーメンとか食べれないくらい(翌日朝ご飯も食べれないくらい=必要無いくらい)なんですよ。いわゆる、優れたワインはこのように身体を満たすことができるワインと言うことでしょうか?

総:まさしくその通りだね。だから、同じカロリーでもお腹が満たされるというだけの表層的な状態ではなく、より深い満足感とエネルギー感、そして翌日の行動力を生むもので満たされる、ということだよね。その”満たされるもの”が身体意識だということだね。

管:ワインが持つ、身体を満たす要素としての身体意識についてですが、細かく見ていきたいと思います。
まず図で言うと、センターへ真っ直ぐ青い線が足の下まで行っています。このセンターについてもう少し詳しく教えてほしいのですが、ワインを口に入れて喉を通過した後、美味しいワインを飲んだ時は何とも言えない余韻が残っています。それを後から思い返してみると、余韻は喉に居座り続けているだけではなく、スッーと胃袋まで下がっていくイメージがあります。読者の皆さんはあるかなぁ?そのイメージがセンターということでしょうか?"

総:そうだね。その余韻を生み出しているメインとなる身体意識がセンターだね。余韻にも地下へ深く染み込んでいくような余韻と、天高く抜けていくような余韻があるのだけれど、このレベルのワインはそれらの余韻が同時に感じられる。このレベルになると、描かれている全ての身体意識が余韻となりうるね。
基本となるセンターは身体の前後から見た時に中心を通り、横から見ると5:3の位置を通る直線状の身体意識なのだけれど、その高さ深さが凄まじい。それと肋骨上部に形成された曲面状の身体意識である肩包面の前後左右への広がり、その距離も凄い。この上下左右前後に形成されたスケールの大きな身体意識が、飲んだ時に感じられるスケールの大きさにそのまま表れている。左右や前後方向へ広がっていくような余韻もあるけれど、このシャブリにはそれもあるね。

管:「センター」という身体意識について、もう少し教えてもらえますか?

総:センターが味わいに与える影響としては、「気品や品格を作り出す」「バランスの良さを感じさせる」「複雑な多数の要素をまとめ上げる」「スッキリとした印象を与える」など、さまざまなプラスの影響がある。センターは人間にとって最重要の身体意識なので、できればこれが通っているワインを飲みたいよね。少しもセンターが通っていないと、味わいにおいて「何か中心になるものがないな」とか「芯に響かないな、奥深さがないな」という印象になる。

管:センター=ワインの軸がしっかりしていると味わいにプラス面が沢山あり、余韻も感じられるんですね。ワインをテイスティングする方々も「余韻が〜」と仰っていますが、それとほぼ同義ですかね?それとも少しニュアンス異なりますか?

総:1番の違いは、飲んだ時の感動の深さが全く違うところだね。センターが無いと表層的な味わいが良くても、「また飲みたい」とはなかなか思わないね。私の見る限り、一般の方々のテイスティングコメントのほとんどは、表層的な味わいに対して「どのくらいそれが続くか」ということを余韻と言っているかな。稀に、明らかにそれは身体意識を潜在的に捉えている発言だな、という優秀な方もいるのがワインの面白いところ。笑

管:うむうむ、このワインを飲んでみて感動を味わってもらいたいという所ですね。笑
もちろんその人が美味しいと感じればokなのですが、我々としては何か客観的に、誰もが感じられる身体意識で美味しいを伝えていきたいですね!

総:味覚や臭覚だけではなく、より深い身体から受け取れる体性感覚情報をもとに成立する意識、すなわち身体意識が感じられると、テイスティングもさらに面白くなるね。

管:さらにセンターという身体意識を見ていきたいのですが、図の人の胸の辺りに赤い広がりと、そこへ地下から入ってきているもの、シャワーのように両脇へ入ってきている記号が見えます。これは一体どのような、要素なのでしょうか?"

総:赤い色で表されている身体意識は、熱性・温性のクオリティを持っている身体意識で、胸に形成されているのは中丹田と呼ばれる身体意識。闘志や情熱、やる気を生み出す身体意識で、ワインの場合は果実味と密接に結びついていると思う。管理人が「何かこのワイン、グッときますね」とコメントするワインは、大抵この身体意識が強力なワインだね。
このヴァンサン・ドーヴィサの場合、中丹田が強力な四重構造になっていて、縦長の三重構造の中丹田にさらに重なるように、やや横長の中丹田が形成されている。縦長の中丹田は胃にも重なっているので、飲んだ時の満足度を高める機能もある。その中丹田へ向かって、地下から熱性のエネルギーを導入する身体意識が直接入っている。これはシャブリ地区の特徴的な土壌である、キンメリジャン土壌からの影響を感じさせるね。

管:この感じだとシャルドネの果実感を、喉通過後に胸でブワッと感じられ、それが下全体にセンターと一緒に広がるのでバランス良く、身体に行き渡るニュアンスなんでしょうね。ネット上のテイスティングコメントに出てくる「ミネラル」はここを表現しているかもしれませんね。

総:そうだと思う。ミネラルの表現に関してはもう少し渾然一体となっているかもしれないけれど。笑
ワインに感じられるミネラル感って、ワインの成分には人間が感じれるほど含まれていない、という研究もあるみたいだからね。ただ我々としては、飲んだらこれがミネラルね、という皆さんが感じられている事実があるので、これは実際の成分を感じているのではなく、土壌の身体意識の影響を受けたワインの身体意識を感じている、という解釈をしている。そのミネラル感を生み出している身体意識はいろいろあるのだけれど、ヴァンサン・ドーヴィサに関してはこれ以外にも、青で描かれている天性・冷性のクオリティを持つ身体意識、例えば両脇に下方から入ってきている心田流という身体意識や、頭部を広く囲うように形成されている巨大な杯に例えられる身体意識もミネラルを感じられる要因だね。

管:えー!ミネラルを感じる味覚についてそんな研究があるんですね。知らなかった。。。少しずつ身体意識に準ずる美味しさを消化できている気がします!

総:そうなんだよ。研究によっては土壌の影響はない!みたいなものもあったりするみたい。この辺りは一度専門家に聞いてみたいよね。ワインは科学的根拠のない常識みたいなものがいろいろあるから、その検証を行うのはとても意義のあることだよね。コルクによる熟成とか。でも、昔の人が直感的にやってきたことは、科学的根拠を超えたところで正解のものもあって、それを評価するためにも身体意識の観点は有効なのかな、と思ったり。

管:なるほどです。この中丹田の熱性クオリティの上に黄緑色でスライムのように上にペタっとあるのはどのような要素なのでしょうか?

総:この緑色はガイアと呼ばれる、生命体としての地球がもたらすクオリティなんだ。人や農作物を育てたりするのに必要なもので、分かりやすいところだと、温泉街のホワホワした柔らかい空気感ってあるよね?あれがガイアのクオリティだと思ってくれればいいかな。それで、この身体意識なんだけれど、どんなものなのかは正直不明。笑
これは推測だけど、おそらくシャブリ地区特有のテロワールからの影響だと思われる。以前分析した「シャブリ J. モロー・エ・フィス/J.Moreau & Fils Chablis」にも同じような身体意識が形成されていたので、そうなのかなぁと。もっといろいろ分析してみないと分からないけれどね。味わいは、絶妙な樽の感じと生命力が合わさったようなニュアンスになるかな。

管:ガイアのクオリティ=温泉街のふわふわした雰囲気はとてもイメージしやすいです。ゆっくりできそうなワインですね。樽の感じは、皆さんがコメントしているレモンやライムの風味もここからきている感じでしょうか?

総:樽の感じはまた別だね。このガイアのクオリティを持つ身体意識そのものがレモンやライムのニュアンスを生み出しているというよりは、樽の感じも含めたそれらのニュアンスを品よくまとめている、という感じかな。
この身体意識と同じクオリティを持つ、左右に広がるフタのような形状の身体意識がそのすぐ上に形成されているけれど、それがその役割を強めているね。肩包面と似た構造だけれど、香りや味わいのバランスを取っている。
同じガイアのクオリティでも、もう少しハーブ香を生み出すような方向性を持つものもあって、このようなバランスを取る身体意識があると、味わいのよいアクセントになる例もある。でも強過ぎると青っぽい感じが強すぎて、美味しいとは思えなくなる。笑

管:なるほど、レモンやライムの風味はあくまでもシャルドネとテロワールの掛け合わせで感じられるニュアンスかもしれません。このガイアのふわふわと暖かく優しく包まれる=品よくまとまる感じがバランス良くしてるんですね。この造り手がテロワールの要素を十分に引き出しているからこそ味わいとして表現できてるということですね。やっぱり何かを作り出す人ってすごいなぁ。

総:樽由来のニュアンスは、ヴァニラやココナッツミルク、キャラメルなどがあるけれど、このワインについてはそこまで表に出てきていないね。そこが素敵なんだけれども。センターとはまた違った味わいのバランスの取り方だね。

管:最後に身体意識図にて、首から上に弧状の線と額あたりに青い球体があります。これは何なのでしょうか?

総:頭部の青い球状の身体意識は上丹田と呼ばれる身体意識で、聡明さ、優れた集中力、認識・思考・判断力、洞察力、更には意志力、行動力の支えにもなるという身体意識。脳機能の働きを高める身体意識と言えば分かりやすいかな。それでこのヴァンサン・ドーヴィサの場合、その上丹田のクオリティが柔らかく、凝縮したような感じよりは、緩解したような広がりを持っている。これは間違いなく造り手の身体意識が反映されたものだろうね。素晴らしく優秀な方なのだと思う。
それで、その上丹田だけでも素晴らしい機能を持っているのだけれど、さらに頭部の高さの周囲には、天性のクオリティを持つ巨大な杯のような身体意識が形成されている。その杯には、天からシャワーのように降り注ぐ清々しいクオリティを持つ身体意識を時間の経過とともに溜める機能があって、熟成時により素晴らしい味わいと身体意識になっていく効果を与えている。ワインの熟成は身体意識的な現象であり、気功的な現象でもあるのだけれど、それを良い方向へ促進する効果がある。
”気”という言葉で置き換えると、拒否反応を示す方もいると思うけれど、「気は結果、身体意識はその原因」だと思っていただければ良いかな。別に”気”の概念を使わなくとも、美味しいのは事実だからね。笑

管:美味しい物を食べたとき、味に感動すると胃袋だけじゃなく頭も鳥肌立つというか、脳のシナプスが全力で動いている感じがあると思うんですが、そんな感じでしょうか?料理はレシピが全てではなく、料理する人の腕が大きく影響するということですよね。

総:そうだね。上丹田とその杯のような身体意識の味わいに与える印象は、めちゃめちゃ美味しい蕎麦を食べた時に頭が冴えてスッキリとする感じや、美味しく注がれたビールを飲んでスッキリする感じより、もう少し落ち着いたスッキリ感かな。流れていく感じではないのだけれど、そのような感じに近いスッキリさがあるね。しみじみするような爽快感って感じ。身体意識のレベルが高いワインは、感動させる力が強いワインだからね。

管:うむうむ。まとめるとこのワインは、
・センターがしっかりしていてバランスが良く、ワインの味わい余韻も心地いい
・テロワールの良さを引き出しており、ミネラルや樽感、ふわふわと心地いい要素が品良くまとまっている
・作り手のワインにかける「想い」というか、情熱が伝わって鳥肌立ちまくるワイン
という感じでしょうか?

総:素晴らしいまとめ方だと思う。笑

管:ありがとうございます。笑
いやー、フランスワインは素晴らしいシャルドネのワインと言うことでしたが、対して我らが日本ワインは、同じくシャルドネ100%のミエ・イケノの白ワインです。このワインはリンゴや梨、蜂蜜などのテイストで、繊細な味わいの口コミコメントが多い印象です。総支配人の評価はどうでしょうか?

ドメーヌ ミエ・イケノ シャルドネ_2019

総:飲みやすくて品もあり、全体としてのバランスも良い。樽のニュアンスもバランスよく表れていて、誰からも好かれるワインだと思う。
身体意識で観ると、全体として構造の強さはないけれど、センターが通り切っているし、中丹田もある。センター以外にも縦系の線で描かれている身体意識が複数あり、そういう意味では薄いだけのぼやっとした特徴のないワインとは圧倒的な差があるね。身体意識の隙間が多いので、料理とも合わせやすい印象かな。

管:バランス良く、味わいや風味が纏まっているワインなんですね。身体意識図を見て、やはり思ってしまうのがフランスワインと比べた時の情報量の差です。笑
もちろん、情報が多い=美味しいという訳ではないと思いますが、要素が少ないので「あまり味わい深くないのかな?」とも思ってしまいました。2つのワインともセンターは通りきっているどのことですが、ヴァンサン・ドーヴィサと比べてミエ・イケノは正面から見た時の下方向への広がりが薄いと思うのですが、これはテロワールの差でしょうか?それとも造り手の差でしょうか?

総:管理人の言う通り、味わいの深さについてはその通りと思う。どちらもセンターは通り切ってはいるのだけれど、その高さや深さが全く違う。単純に言えば、この差が味わいのスケールの大きさや深さの差になっていると言えるね。それで、このセンターの差はテロワールの差なのか?造り手の差なのか?ということだけれども、これはどちらも差がある。ただ、造り手のセンターが圧倒的だからこそ、その土地や環境的因子、つまりテロワールの良さを引き出すことができると言える。
興味のある方は、造り手の写真を見比べていただけると、ワインの身体意識とイコールではないが、いくつか傾向が見て取れる方もいらっしゃるのではないかな。

管:なるほど、作り手の写真を見てワインの味を比べてるのも面白そうですね!次の企画の参考にします。
このミエ・イケノにもヴァンサン・ドーヴィサと同じような中丹田に赤い熱性のクオリティがあります。ここについても教えてもらえますか?

総:二重構造の中丹田と、その周りに温球と呼ばれる身体意識が形成されているね。満足感のある果実味が温かいものに囲まれているような印象かな。この温球が中丹田の周りにあると、直接強い果実味が感じられるのではなく、柔らかくじんわり感じられるようになるよ。

管:柔らかく温かみのある果実感が感じられると言うことでしょうか。ミエ・イケノはヴァンサン・ドーヴィサと比べると前方への放射線が少なかったりするので、より温かみが少なく、果実感も少ないと感じてしまう人もいると思います。
しかし、中丹田の情報量においてセンターと同じように、あくまでも全体のバランスから見てこのくらいの熱性クオリティに落ち着いたということなのでしょうか?

総:その推察通りだね。全体としてバランスを取りながら強い熱性・温性のクオリティを保とうとすると、青や黒で描かれるような身体意識がもっと形成される必要がある。だからこのような身体意識のバランスになっているということだね。
ちなみに、温かさというクオリティは、熱いものが程よく冷めた状態ではなくて、時には熱性のクオリティを凌駕するような強さをもつ場合もある。つまり熱性のクオリティと温性のクオリティは全く別のクオリティということ。だから温性クオリティメインのワインにも素晴らしいものがあるんだよ。例えば以下のようなものが挙げられるかな。「フィリップ・シャヴィ ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・ピュセル/Philippe Chavy Puligny Montrachet 1er Cru Les Pucelles」

管:傾向は同じでも異なる良さがあるということなんですね。ミエ・イケノは温性、ヴァンサン・ドーヴィサは熱性ということでしょうか?

総:ミエ・イエノは熱性+温性、ヴァンサン・ドーヴィサは熱性だね。

管:このような熱性温性のクオリティが、リンゴや蜂蜜といったマイルドな感じの果実感と、優しさと言った繊細さを感じ取って、皆さんコメントしているかも知れませんね。

総:そうだと思う。さらにこのミエ・イケノのシャルドネには取り上げるべき面白い特徴が2つあるのだけど、どうしようか?

管:聞きたいです!

総:一つは、横から見て5:3の位置に通っているセンター(第3軸と呼ぶ)の後ろに、第4軸と呼ばれるセンターも通っているところ。この第4軸は、基本となるセンター第3軸よりも後ろに通っているので、味わいに裏側から支えられているような安心感を生み出しいるのだけれど、これが何に由来した身体意識なのかはもう少し調べないと分からない。造り手自身の身体意識ではなさそうなので、ワイナリー経営について支えになる人物がいるのか、スポンサーがいるのか、アドバイザーがいるのか、何かしらのそのような要因がありそうだね。
二つ目は、前頭部に形成された青で描かれているレンズのような形状の身体意識。上丹田の基本形とは異なり、独特の認識を生み出しているね。これは造り手自身の身体意識が大きく反映されたものだと思う。

管:そこまで見えるんですね。。。まだそこは我々の知らない未知の世界です。笑

総:これは私の完全な推測だけどね。笑 でもミエ・イケノのワインを飲んでそう感じた。
それで、これは言っておきたいのだけれど、このミエ・イケノのシャルドネは、私が注いだものではなく、飲食店でソムリエに注いでもらったものなので、その分ハンデがあると思っていただきたい。フェアにやるには、私が注いだものを分析したいので、そうするともっと素晴らしい身体意識の可能性もあるね。
ワインの味わい同様、この身体意識図は、造り手の身体意識の変化やその年の葡萄の出来、熟成年数、注ぐ人、グラス、飲むときの気温や湿度でも変わってくるから、これが絶対という訳ではないのだけれど、このような傾向はある、ということは言えるので、参考にしていただけると嬉しいね。

管:そうなんですね。これはドメーヌ ミエイケノの経営や内部に詳しい人いたら教えてほしいですね!いつか作り手と対談したいなぁ。笑
ミエ・イケノのシャルドネをまとめると、
・飲んだ時に柔らかいながらもバランスの余韻が残り
・温かみのある果汁感も味わえて、余韻からバランスの良さから繊細な味わい
・料理にも合わせやすい
と言った感じでしょうか?

総:これまた素晴らしいまとめだと思う。笑
真ん中のセンター以外にもサイド・センター(側軸)と呼ばれる身体意識が何本も通っているんだけど、これは重力を利用した醸造手法である「グラビティ・フロー・システム」がプラスに働いた結果だと思うね。

管:ヴァンサン・ドーヴィサとミエ・イケノのシャルドネ比較はどちらも同じブドウ品種だからかある程度、味わいのベクトルは似ていましたね。
しかし、余韻や果実感の表現(ガイアの有無など)の違いを感じられたのは、テロワールの引き出し方、つまり造り手のスキル差が大きく出ているな、という印象でした。
やはり私もヴァンサン・ドーヴィサの方が興味深く飲みたくなりました!しかし、ミエ・イケノもこれはこれで飲む期待度が膨れたワインでした。

総:そうだね。この話を見てから味わってみると、また面白いと思うね。どちらも素晴らしいワインだと思う!

管:ありがとうございました!


最後におまけ・・・

管:料理とのペアリングについても触れたいと思います。
今回のミエ・イケノは身体意識の要素が少ないからこそ、料理とも合わせやすいとのことでしたが、つまり要素が比較的多いフランスワインは合わせられる料理が限定されてしまうということなのでしょうか?

総:一概にそうとは言えないのだけれど、その傾向はあるよね。全体的に日本ワインの方が幅広くさまざまな料理と合わせられる、という訳ではなく、フランスワインにもそのようなフードフレンドリーと表現されるようなワインはある。マリアージュやペアリングと呼ばれるような組み合わせの基本は、その地域の料理とワインを合わせること、と言われているけれど、それは味わいもそうだし、身体意識的にも噛み合うからだね。
少し突っ込んだ話をすると、ワインと料理のペアリングでは、
・表層的な味わいだけ合うが何かしっくりこない(身体意識が噛み合わない)
・身体意識は噛み合うが、味が合わない
・味わいも身体意識も噛み合う
という3パターンが考えられるね。3つ目のどちらも合うような組み合わせを見つけるか、が大事だね。

管:なるほど。料理も楽しみながらペアリングワインも楽しめる時は、やっぱり脳が鳥肌立ちますもんね。

総:そうだよね。あ、そうそう、もう1パターンは「どちらも噛み合わない」というのもあるね。笑
ペアリングの基本は
・同系統の香りや味わいのものを合わせる「同調」
・足りない香りや味わいを補う「補完」
・素材のクセや生臭さを包んで和らげる「マスキング」
・脂っぽさや濃さ、辛さなどを洗い流す「ウォッシュ」
・ペアリングすることで料理もワインもさらに美味しくなる「相乗効果」
と言われているけれど、この中で真のマリアージュと呼べるものはハイレベルに味わいと身体意識が噛み合った「相乗効果」だけだと私は思う。

管:私も最近料理しますが、素材の生臭さなど敢えて残しているならまだしも、それをペアリングのワインで和らげること前提の料理は、料理人の仕事としてどうなの?とは思いますよね。笑

総:本当にそうだよね。笑


赤ワイン対決に続く・・・


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