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日本ワイン VS フランスワイン3本勝負!〜第2弾〜赤ワイン編/ファンキー・シャトー VS ロベール・グロフィエ

前回の白ワインに続いて、ワイン対決の第2弾!今回企画のテーマである「日本ワインってぶっちゃけ美味しいの?」と言う疑問に対して、身体意識の視点から美味しさを分解していきます。日本人としてはやっぱり日本ワインがフランスワインに一泡吹かす場面を見たい、赤ワイン対決!赤ワインは対決が2回ありますが、今回は1回目です!サッカーの川平さん的に言うと、「負けられない試合(たたかい)が、あるンです!」


管理人(以降「管」)」:赤ワインのピノ・ノワールについて行きたいと思います!

総支配人(以降「総」):ピノは特に面白い対決だと思うよ。

管:おお!楽しみですね!まず、この二つのワインを挙げた背景を教えてもらえればと思います。

フランスワイン:
ドメーヌ・ロベール・グロフィエ ペール エ フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2017
VS
日本ワイン:
ファンキー・シャトー ピノ・ノワール ブラックラベル 2016

総:まず、どちらのワインも味わいに安定感があること。それから、どのタイミングで開けてもある程度美味しいということ。
フランスワインのロベール・グロフィエについては、ワイン初心者から上級者まで、幅広く支持されている印象があるので取り上げてみたいな、と。分かりやすい美味しさがありつつも、上級者も納得させる内容を持っている、ということだよね。

一方、ファンキー・シャトーは個人的に好きだから!笑
ではなくて、分かりやすい美味しさがありつつも、上級者も納得させる、という部分にロベール・グロフィエとの共通性を感じたので取り上げてみたよ。

管:どちらも万人受けしそうなワインで、評価も高いからということなんですね!味わいの評価やワインの持つ身体意識についても聞くのが楽しみです。早速フランスワインから行きたいと思います!

グロフィエ


管:ネットでのテイスティングコメントを見ると、「チェリーやミント、マッシュルームの風味があり、タンニンがきめ細やかで上品」というコメントをよく見かけます。このワインを総支配人的評価で分析されると、どうでしょうか?

総:”きめ細やか””上品”という印象は、この身体意識図にもよく表れているね。洗練された印象を受ける。
まずセンターを取り上げると、細径軸、中径軸、大径軸といった太さの異なるセンターが三層構造で通っていることで、全体として感じられる気品や洗練、美しさ、そして安定感を与えているね。
さらに、下半身にはそれらのセンターと重なるようにロート状の下ロート軸が形成されていて、ミネラル感を伴う美しい余韻を生み出している。

そして、香りや味わいに感じられる気品といった時に、縦方向に感じられる気品と、横方向に感じられる気品があるのだけれど、頭部と上胸部に形成されている面状のスライサーという身体意識は、横方向の気品、センターとはニュアンスの異なる研ぎ澄まされた美しい気品を生み出しているね。
スライサーは擬態語で言えば、「スパッー、ススー」というような印象なので、テイスティングされて分かる方もいらっしゃるんじゃないかな。

管:前回対決のフランス白ワイン=ヴァンサン・ドーヴィサと比べると、センターの下方向への突き抜けという余韻は少ない感じでしょうか?その分、しっかりとした土台のセンターなので味に安定感があるということでしょうか?

総:ヴァンサン・ドーヴィサは、両脇に清々しいクオリティを持つ身体意識(心田・心田流)が下方から入ってきていて、それが清々しく柔らかく続く余韻になっているのだけれど、ロベール・グロフィエは管理人の言う通りで、下ロート軸の効果ではっきりとした余韻と味わいの安定感を生み出しているね。下方向へ突き抜ける余韻、ということでは、ヴァンサン・ドーヴィサの方がはっきりレベルが上かな。ロベール・グロフィエは、突き抜けるというよりは下方向へ広がるような余韻が感じられるね。

管:なるほど〜。一方で面状のスライサーがまだピンと来ていません。笑 もう少し詳しく教えてもらえますか?
私がワインを飲んだ経験から言うと、気品ある上品さを感じる時は、センター上方向/下方向の上下の余韻なのではないかなぁ、と思うんです。確かに頭付近でスッーと抜ける、洗練されるような感覚はある気がするのですが、横方向のファクターは「スライサー」の名の通り、スパッーと断面を切るような面状カッターのような要素があるのでしょうか?

総:その通り、面状の構造をイメージしてくれていいよ。スライサーの機能としては、スパッーと切れるようなものを想像してもらって良いのだけれど、分かりづらければ、ピターと面状に静かに抑えているような気品といえば少し分かりやすいかな?どこまでも続く静かな水面が、ピターとしているような気品。

管:ふむふむ、フランス国内にある、城周辺の湖のような穏やかでどこか厳かな気品のある味わいがあるんですかね?これはテロワールの特徴でしょうか?それともこのワイン、つまりは作り手が生み出してるニュアンスでしょうか?

総:このスライサーという身体意識は、おそらく造り手、もう少し正確に言えば、このドメーヌの歴史が創り上げてきた身体意識だと思う。単純化して言えば、ドメーヌの持つ美意識、といったところかな。

管:気品のあるブランドなんですね。ロベール・グロフィエにも、赤色の熱性・温性、緑色のガイアの要素があると思います。ここのあたりは、身体意識としてどうでしょうか?(赤色の熱性・温性、緑色のガイアの身体意識は前回の白ワイン対決の対談で説明しています!)

総:この辺りは醸造方法が影響していると思うよ。高温での発酵によって形成されたものだと思うし、自然酵母が熱で死んでしまうギリギリのところでやっていることが反映されたのかな。もちろんテロワールの影響もあるよね。赤いところは温性ではなく、全て熱性のクオリティを持つ身体意識だね。
皆さんが実際に飲んでみて感じられる味わいとしては、まず分かりやすい満足感を伴う果実味が感じられると思う。これにグッとくる方が多いのではないかなぁ。
地下から直線的に入ってくる熱性身体意識と中丹田によって、分かりやすい果実味を生み出していて、脇に下方から入ってくる熱性とガイア、特にガイアのクオリティによって、ふわっと優しいニュアンスも生み出しているのが素晴らしいね。

管:作り方において、代々から維持してきた自然酵母のみを用いてのアルコール発酵(発酵タンク35℃という高温まで上げる)がとんでもなく難しいことのようですが、そこを成功させる維持してる点からも他のワインと一線を画しているんですね。それがこの暖かみや優しさのある上品さ、深い果実味ということですか。いや〜、造り手は相当気合入ってる!という感じですね。

総:そう、まさに気合が入っている!身体意識の観点から見ると、高温をキープできるのはスライサーの効果もあると思うね。ピタッと一定にする、という高い能力を生み出すには、間違いなく身体意識が働いているからね。

管:熟成後の無濾過、無清燈もその辺りに影響があるという事でしょうか?

総:無濾過、無清澄だからといって、必ずしも素晴らしい身体意識のワインが出来上がる訳ではないのだけれど、この造り手については、それがプラスに働いているね。

管:ピノ・ノワールは他のワインだと、果実感が感じられないまま収束してしまうものも多い印象ですが、それでそこまで言わしめる果実感があるというのは、とても飲んでみたくなるワインですね!このワインは、

・作り手の気合の入った醸造方法(難しすぎてあまり手を出さない方法で、高品質を保つ)で「上品さ」と「果実感」を上手く出している
・上品さは、上下に抜けるような気品さに加えて、しっかりと土台が安定した安心感ある(ある意味で、厳かな)上品さと、スパッーと的を射るような的確さな気品がある
・さらに上品さの中に暖かみのある果実感が広がり、より果実感を感じられる

という感じでしょうか?表現が長くなってしまいました。。。笑

総:いいね笑

管:ありがとうございます笑
日本ワインの方に移りましょう!ファンキーシャトーについて、総支配人がもう少し詳しく分析するとどうでしょうか?

ファンキー

管:日本人のテイスティングコメントとして、何というかキチンと表現できていない方が多い印象です、個人的に。飲んだ人は他に味わったことの無いブラックボックス的な印象を受けたのかな?と思いました。

総:うーん、身体意識の印象からすると、全然ブラックボックスではないんだけれどね笑
まず、日本ワインとしてはかなり珍しくセンターが三層構造で通っているのが特徴だね。このセンターが通ることにより、味わいの安定感、気品、存在感を生み出している。全体の印象で言うと、センターの高さ・深さが最大の特徴で、ピノ・ノワールの持つポテンシャルをよく引き出していて、テロワールからの影響も上手く味わいへ表現していることが分かる。気品と満足感のある果実味を両立するのは難しいことなんだけれど、高く深いセンターと、中丹田を中心とした素晴らしい熱性の身体意識のバランスでそれを達成しているね。全体的なクオリティが柔らかく、飲みやすい味わいながらも身体意識ファクターが多いので、飽きずに楽しむことができるのがいいね。

管:ファンキーシャトーもセンターが高く深いということで、それが上品さと、さらに果実感を表現する際の土台にもなっているということですが、グロフィエと比べるとどうでしょうか?グロフィエとはまた異なる上品さ、余韻ということでしょうか?

総:センターの高さ深さが、センターのクオリティの良し悪しを決めているのだけれど、2つを比較すると、かなりよい勝負かな。僅かにグロフィエの方がよいね。グロフィエの方がセンターのストラクチャが強いので、しっかりした印象があると思う。その分グロフィエの方が余韻もはっきりしているし、安心感ある。ただし、味わう側の身体意識のレベルが低いと、グロフィエの方がキツく感じる、もしくは潜在的にこの身体意識を感じることをスルーしてしまう可能性もある。

総:ファンキーシャトーをより詳細に観ていくと、最も発達しているのは細径軸で、清々しいクオリティと高さが感じられる。中丹田から生まれる果実味は強力なんだけれども、それとバランスを取るように細径軸が通っているね。中径軸は、果実味に偏らないストラクチャを与えている。さらに、薄っすらと通っている大径軸は、細径軸、中径軸を守るような働きで、味わいに安定感を与えている。

中丹田については、二重構造になっていて、地下から熱性のエネルギーを導入してる。この構造はロベール・グロフィエと似ているので、何かしらテロワールか醸造法に共通点があるのかもしれないね。それで、この強力な中丹田が力強い果実味を感じさせているのだけれど、そこに偏らないように、いろいろな身体意識でバランスを取っているのが面白い。そのひとつがセンターだね。
もうひとつは、中丹田の周りにはガイアのクオリティを持つ身体意識が柔らかく形成されていて、口に含んだ瞬間の果実味の強さを柔らかい印象へ変えている。
中丹田の上に形成された天性のクオリティを持つ肩包面は、地下からの熱性のエネルギーや中丹田からの熱性のエネルギーが上気するのを防いでいて、悪い酔い方をしないような効果をもたらしている。

管:なるほど、ファンキーシャトーは中丹田とセンターや他の身体意識とのバランスがうまいので果実感も十分に表現できているということなんですね!
確かに、グロフィエと醸造方法について無濾過、無清燈など似たような手法ですよね。その点、気合入った作り手同士のワイン比べということですね!我々も気合入れなければ。。笑 熱性の多層クオリティやガイアなど、グロフィエと似たような味わいの傾向であると言えるということですね。
また、「悪い酔い方をしない」と言うのは飲兵衛には救いの言葉です。笑 ここをもう少し詳しく教えてもらえますか?

総:熱性のエネルギーが頭に入ってしまうと頭痛が起こったり、ひどいと脳にダメージを受けることもある。中丹田がきちんとした形状になっている場合でも、その時のさまざまな状況によってバランスが崩れて、少し上気(熱性の気が昇ってくる)してしまうことがあるのだけれど、それを防ぐために中丹田の上に天性のクオリティを持つ肩包面が形成されているワインは多いね。

管:なるほど!そんなバランスの良いワインを飲み続けたいなぁ。笑
中丹田の熱性クオリティについて、グロフィエと比べると大きさが小さいように見えます。それでも全体的なバランスとして果実感を表現しているということでしょうか?

総:そうだね。中丹田の大きさについてはグロフィエの方が大きいのだけれど、全体の熱性のエネルギーの総量は良い勝負だと思う。小さい分凝縮して満足感があるとも言えるね。
それと、このファンキー・シャトーのピノ・ノワールで面白いのは、両手に形成されたパームと呼ばれる身体意識だね。通常パームは熱性・温性のクオリティを持っているのだけれど、このパームは青の線で描かれるような天性のクオリティを持っている。これはおそらくなんだけれど、繊細な畑仕事や収穫、醸造過程での造り手の身体意識が反映されたものだと思うね。

管:パームというのは初めて聞く言葉です。しかもワインを飲んでいて手に意識が感じられるというは驚きです!通常、パームというは腕や手周辺に感じられる身体意識なのでしょうか?

総:腕や手掌に形成される身体意識だね。通常熱性や温性のクオリティを持っている身体意識なのだけれど、このワインは天性のクオリティをもっているのが特徴だね。熱性・温性の場合は、人を励ましたり、奮い立たせたり、手の繊細かつ柔軟なコントロールを可能としたりする。天性のクオリティの場合は、繊細さが際立っている感じだね。

管:私もファンキーシャトーを一度飲ませてもらいましたよね?しかし、手や腕までの意識は感じ取れませんでした〜(TT)ワインを飲んでいて手や腕に集中したことが無いかもです。

総:管理人が飲んだのはあれはメルローとカベルネだったかな?でもどちらにも天性のクオリティを持つパームは感じられなかったね。このピノ・ノワールだけの特徴かもね。
このパームは造り手の持つ身体意識と推測されるんだけれど、例えば選果について、このパームがあると、畑から収穫する際に繊細に丁寧に選んで収穫できたり、収穫後にさらに不要なものを取り除く際も良い葡萄へダメージを与えないような作業ができる。
そして、造り手がパームを持っていたとしても、それが造り上げるワインの身体意識へ反映されるということは、それだけその作業に強い思い入れがあるということだと思うね。このパームは味わいには繊細で美しく滑らかな印象を与えているね。

管:なるほど、このパームなどは作り手の思いや身体意識としてのスペックにも寄るということですが、このファンキーシャトーの上丹田の身体意識はどうでしょうか?ここもやはり作り手の能力や思い、気合が反映されていますでしょうか?

総:上丹田については、球状の丹田としては形成されていないのだけれど、前頭部に清々しいクオリティの身体意識が天から入ってきているね。これは造り手の身体意識だと思う。でもこれもファンキーシャトーのメルローやカベルネには観られなかったね。そういえば、メルローには天性ではなくて温性のクオリティを持つパームは感じられたかな。

ファンキーシャトー ラ プルミエール フォア メルロの身体意識図

ファンキーシャトー ラ プルミエール フォア カベルネソーヴィニヨンの身体意識図

管:もしかすると、ピノ・ノワールはキュベとして他と比べても思い入れや手入れに細心の注意を払っているかもしれませんね。

総:そうだね。栽培も難しく、果皮も薄いので繊細さはより必要になるよね。

管:ファンキーシャトーのピノ・ノワールは、

・フランスワインにも劣らない上品さと果実感をバランス良く味わうことができ、
・特に果実感が感じられる充足感が感じられるワインなのに「悪い酔い方をしない」というコスパの良さ!笑
・文字通り身体全身で作り手の気合が入ったワインを感じれる1本

という感じでしょうか。

総:良いまとめ。笑
もちろん、ビンテージや熟成具合によっても違ってくるけれど、安定してその傾向はあるね。

管:フランスワインのグロフィエ、日本ワインのファンキーシャトーと言うワインのうち、どちらか1本を勧めるとしたらどちらを選びますか?

総:うーん、これは迷うね。正直気分、というかそれこそ自分の身体意識の状態によってどちらかを選ぶかな。日本ワインは同価格帯でブルゴーニュに遠く及ばない、と思っている方にはぜひファンキー・シャトーをお勧めしたいところだね。
また、ファンキー・シャトーが最高、と思っている方には、このロベール・グロフィエをぜひ味わっていただきたい。そして、ロベール・グロフィエのこのワインは、この造り手のピノ・ノワール100%で造られるワインの中の1番下のランクのワインということに驚愕していただきたいね。ファンキー・シャトーのこのワインは、トップ・キュベだから。価格帯は別にして「1番下と1番上を比較してよい勝負だった」という事実を知っていただきたい。
あとは個人的な好みでファンキー・シャトーを推すね笑

管:私も飲んでみたくなりました!この二つのピノ・ノワールについて、似ている点が多いだけにテロワールや作り手の身体意識が比較しやすい面白い対比になりましたね。

総:どちらのワインもメインサイトの方で取り上げているのだけれど、私が独自に付けたポイントはどちらも89点で同点だったね。
身体意識図だけ見比べると、グロフィエの方が上のレベルかな?と思うけれど、図に線として描けない、味わいの充実感を生むようなクオリティがあって、そこを評価している。

管:なるほど、どちらも捨てがたいです。どちらも美味しいことには変わりなく、同じ価格帯ではトップレベルのワインと言うことですね!

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〜〜〜ほんのちょっとおまけ〜〜〜
管:今回の二つのワインについて、それぞれペアリングしやすい料理はどんなものが有りそうでしょうか?

総:どちらも果実味がはっきりして、気品もあるので、クセの少ない鴨のローストと合わせたいな。秋だときのこ料理もいいかな。土のようなニュアンスのある料理だとちょうど良いマリアージュになりそうだね。

管:なるほど!きのこ料理にも挑戦したいですね。近々、管理人の料理した画像も挙げたいなぁ。需要あるか知らんけど。笑


赤ワイン対決最終対決に続く。。。

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