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ドキュメンタリー『ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た』もういちど オランダ映画 2020.5.14

「世界ベストレストラン50」で4年、1位に輝いたデンマークのレストラン、ノーマが、2015年1月、東京・日本橋のマンダリン・オリエンタル東京で、3週間限定特別出店した、大成功に終わったプロジェクトの顛末を描いたドキュメンタリーです。北欧の食材にこだわった、ニュー・ノルディック・キュイジーヌ(新北欧料理)で売ったノーマのカリスマシェフ、レネ・レゼピがどう日本の食材と格闘したか、いま観てもとてもスリリングな食のドラマです。

最初のきっかけは明らかではありませんが、ホテルからの依頼ではなく、ノーマの希望で実現した企画だそうです。「日々のランチとディナーを作りつづけることに少し飽きてきたので、新しい場所で楽しみたい」と思ったとレネはいいます。彼自身は、開店までに7回、日本を訪れ、素材集めなど、周到な準備を重ねます。中心になる開発スタッフは1ヶ月前から下ごしらえに入り、開店時には、コペンハーゲンの全スタッフが来日するという、大プロジェクトです。

このあいだ、BSのドキュメンタリーで「ひと皿の魔法 NY天才シェフ 日本修業の旅」というのを観ました。NYの人気フレンチ/レストランのスターシェフ、デービッド・ブーレイが日本の食材に魅せられ、店を閉じて日本に夢者修行にやってくるという話でした。彼もそうですが、レネもまた、日本の食材や、特に「発酵」に多大なる関心をよせているようです。

本店と同じメニューをだすつもりはない。日本限定の14品。和食の店、ではない。あくまでノーマが日本の食材をどう料理するかです。築地の魚市場の下見には、あの山本益博さんも協力しています。青森白神山地、長野、沖縄、日本各地を訪れます。まずボスが仕入れ、開発部隊がその食材と格闘します。まず素材になれること、そしてこれならというノーマのメニューに仕立てていきます。オープン15日前、ボスが到着。ここかからが厳しい戦いです。酷評されたら、とナンバー2がオープン直前に病気になったりします。それほどの真剣勝負です。

2018年には、このノーマのDNAを受け継いだINUAというレストランが、飯田橋にオープンしています。この開発部隊の一員で、映画にも登場するトーマス・フレベルさんがトップシェフだそうです。KADOKAWAさんの関係のようですが、いつか行かなくては。

2016年12月10日日本公開
原題 Ants on a Shrimp
製作年 2016年
製作国 オランダ
配給 彩プロ
上映時間 92分
監督 モーリス・デッカーズ

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