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受験が終わった
受験が終わった
思っていたよりもずっと、あっけなかった。
そして、自分がとんでもなく受験に依存していたと、やっと気がついた。
遊んだり、怠けたりしつつも、常に頑張る対象は「受験」。
約3年間ずっと、そんな日々を送っていたからだろう。
宿題がめんどくさくてサボっていると、「やらないといけない。なぜなら勉強しなければならないから。なぜなら受験があるから。」
と思い、
ちょっとやる気が出てくると、「よし、今日は頑張って勉強してみよう。なぜなら勉強はいいことだから。なぜなら受験があるから。」
と思い、
好きなアニメキャラの絵を描いていると、「趣味を楽しむのもいいけど、勉強もしないと。なぜなら受験があるから。」
私にとって将来=受験だった。将来のことを考えるというのは、受験を意識するということであり、受験勉強をするというのは、将来に向けて努力するということだった。
もちろん将来はこんな職業に就きたいだとか、こんな生活を送りたいだとか、そういうことも考えていた。しかし、それらが実現する確率を上げるためには専門知識とか学歴が必要で、そのためにはやっぱり受験を頑張らなければならない。
とりあえず受験。
将来やりたいことやるためには、受験を頑張らないといけない。
やりたいことがなくても、受験に成功すればとりあえず生活できる。
どちらにしろ、受験で成功することは自分のためになる。
頑張る=受験勉強する
そんな日々がついに終わった。おーまいがー。
合格が決まった日、本当に嬉しかった。行きたい大学に行くことができる。これからは自分のやりたいことをやればいいんだ。もう勉強じゃなくて、自分のために、自分の将来のために頑張ればいいんだ。自分の将来のために頑張る。自分の将来のために頑張る。自分の将来のために頑張る。……
※え、怖い
とりあえず絵を描く練習をし始めた。ずっとやりたかったことだ。iPadも新しく買った。
おーなるほど。こう描くのね。へえー
怖い…
あれ、おかしいな。いやいや、もうやりたいことやればいいんだって。
怖い…
うるさいうるさい!別にサボってるとかじゃない!今は本気で絵を描いてるの!
怖い…
「怖い」と感じてしまっていた。勉強をしていないことに対して。
いくら本気で絵を描いても、「頑張ってる」と感じられなかった。何のためにやってるの?ただ怠けてるだけじゃないの?そんなことやってないでちゃんと将来のこと考えて、そのためにやるべきことをやらないt…
勉強しないとっっ!!
耐えられなくなって、勉強をしだした。
ノートを開いて、ペンを持つ。
受験期に使っていた参考書をもう一度開いて、問題を解き始める。
えーっとこれは置換積分だから…
違う…
あれ、おかしいな。いやいや、勉強はいいことだろ!
違う…
うるさいうるさい!ついこの前まで勉強すればよかったじゃん!勉強すれば自分のためになるし、将来役立つし…
違う…
違うと感じてしまった。勉強をしていることに対して。
受験期と全く同じことをしていたのに、前のように達成感や充実感が一切無かった。高校の範囲なんてもう勉強しても意味ないし。大学に入ったら全く違うことやるのに、いつまで受験勉強してるの?それに将来のこともっと考えなよ。勉強ばかりしていても、自分のやりたいことずっとできないままだy…
なんか違うことしないとっっ!!
そして※に戻る。
何をすればいいかわからなくなってしまった。時間はあるのに。
未来が実はずーっと先まであることを、今更自覚した感覚。
「やべえ、人生思ってたより長えわ。」
完全に燃え尽きてしまった私は、公園の芝生で寝そべりながら、思わずそうつぶやいた。てやんでいばーろーちくしょー
思えば高校時代は、「私、やりたいことあるんでっっ」とか言いながら、それを本気でやる勇気が無かったのだろう。
「ま、まあやりたいことはあるんだけどさあ…い、今じゃないかな?…アハハ
だって、ほ、ほら、受験あるし?…そっちの方が大事じゃん?…とりあえず?
受験終わったらやるよ!…うん」
ずっとこんな感じ。ダサすぎる。
しばらく枯れた芝生の上でうとうとしていたが、ここで挫けないのがわ・た・し。そこに痺れる憧れるぅ
グッと腹筋に力を入れて起き上がる
「わかったわかったわかったからっっっ!!!!
真面目なことも、バカなことも、無駄なことも、これからは全部やるから!!やってやりますよ、へえ!!!!」
と叫ぶ。夕方の公園ですよ。完全に変人。
もう勉強を言い訳にしません。しょうもない、世の中の何の役にも立たないような、腹の足しにもならないものもたっくさん作っていくさ。
自己満だろうが何だろうが思いついたら即実行!
無駄だから、効率悪いからといって全部切り捨ててたら、流石に人生の時間あまり過ぎちゃうしね。
ということで手始めに作ったYouTubeチャンネルと動画。下に1つ貼っておきます。よかったらみてね。
こうして、カソク少年は無事、受験後燃え尽き症候群を完治させることができたとさ。めでたしめでたし。
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