117アカボシゴマダラ

アカボシゴマダラは日本では奄美大島だけに生息していました。
ところが20年以上前に中国産を放蝶したと思われる個体群が神奈川で見つかりました。
僕が蝶の撮影を始めた頃はまだ神奈川中心の発生だったので、何度か撮影に行っています。
ところが徐々に分布を広げて今では関東北部でも多く観察できる状況です。
年に3回程度の発生で、最初は5月頃に発生します。
後翅に赤い斑紋があるのが名前の由来ですが、春は消失傾向の個体が多いです。
この個体はかすかに赤が出ていますが、完全に消失した個体もいるようです。

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春でも赤い斑紋が明瞭な個体もいますが、9月に梶の実で吸汁している個体です。
放蝶は良くない行為ですが、この赤は魅力的です。

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樹液でもよく吸汁するので、何度も撮影しています。
赤い斑紋は翅裏にもありますが、これは春の撮影で消失しています。

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吸水も何度か撮影しています。

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食樹はエノキで、オオムラサキ、ゴマダラチョウ、テングチョウ、ヒオドシチョウと数種類の蝶が利用しています。
産卵の観察機会も多く、何度かスッキリ撮影できています。
この写真では後翅の赤い斑紋もよく写っています。

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タテハチョウの交尾は難しいので未撮影ですが、求愛は2回撮影しています。
1度目の方がダイナミックな感じで撮影できましたが、画質がかなり悪かったです。
動きはないですが、ちゃんと撮れた2回目の方を掲載します。

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近似種のゴマダラチョウを押しのける勢いで分布を広げています。
完全にゴマダラチョウが生息しなく場所はないようですが、減っているような気もします。
エノキは各所に多いですし、葉も多いので少し増えたくらいで大きな影響が出るとは考えにくいです。
駆除できる段階ではないので、うまく共存してくれればと思います。

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