萬象アカネ

ばんしょう・あかね=過ぎ去った時代<とき>の断片を求めて彷徨うアーキビスト、著述家。野…

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ばんしょう・あかね=過ぎ去った時代<とき>の断片を求めて彷徨うアーキビスト、著述家。野球、芸能(演芸、軽音楽)、ラジオ・テレビジョンの歴史などをテーマに執筆しています。

最近の記事

プロ野球初の球団歌を追う<後編>

 作曲家・古関裕而の生涯をモチーフとするドラマ『エール』が制作され、同氏が手掛けた数々の楽曲が再び注目されている。とりわけスポーツ楽曲、野球関連では通称「六甲おろし」(『阪神タイガースの歌』)が出世作『紺碧の空』に続く初期の傑作とされ、プロ野球初の球団歌、あるいは現行12球団で初の球団歌とも言われている。しかし実際は、そのどちらも正確ではない。本稿は、歴史に埋もれた2つの球団歌に光を当てる──後編。  前編にてプロ野球初の球団歌を紹介した。それでは現行12球団で初の球団歌と

    • 野球文献史<1>『職業野球』(昭和11年~*)

       プロ野球の先駆者・河野安通志が昭和10年に新聞紙上で連載した、日本初の野球書評&書誌学である『野球文献史』。同氏をオマージュし、85年の時を経てここに復活。 日本初のプロ野球専門誌 野球を専門とした初めての雑誌は明治41年11月創刊の『月刊ベースボール』(野球研究会)だか、プロ野球では昭和11年12月創刊の『職業野球』(近代スポーツ社)が初となる。栄えある創刊号の表紙を飾るのは、日本職業野球連盟旗のデザインと東京巨人軍のスター・澤村榮治。 『職業野球』 昭和11年12月

      • プロ野球初の球団歌を追う<前編>

         作曲家・古関裕而の生涯をモチーフとするドラマ『エール』が制作され、同氏が手掛けた数々の楽曲が再び注目されている。とりわけスポーツ楽曲、野球関連では通称「六甲おろし」(『阪神タイガースの歌』)が出世作『紺碧の空』に続く初期の傑作とされ、プロ野球初の球団歌、あるいは現行12球団で初の球団歌とも言われている。しかし実際は、そのどちらも正確ではない。本稿は、歴史に埋もれた2つの球団歌に光を当てる──前編。 日本初のプロ野球団『日本運動協会』 大正9年秋、早大野球部OBの河野安通志

      プロ野球初の球団歌を追う<後編>