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えねーちけーアーカイブス #148 ミミミまみれ

 ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNながしろさんH恥のK掻き捨てアーカイブス。第148回は「ミミミまみれ」。

 ミミミファミレ。なんだ久々に読んだら面白いじゃん。情報の見せ方なんかはリズム感よく出来ていて、テキストが与えられる情報の過不足とのギリギリの境界を攻められていると思いました。

 登場人物が無限増殖する、というネタをやりたかったのではあるが、そうした怪異というか、異変が起きるのって結局は作者の思いつきじゃん、という部分は凝視していく必要がある。現象に必然性はなく、蟻さんのおうちにホースで水を流しこんぢまおうみたいな神視点のお遊びといえる。
 出来うることであれば、そのような事象に対して「どう対処した」というところを描くのが本寸法の文藝ドキュメントなんでしょうが。と、ちょ待てよ、「本寸法」ってなんだろうな。そうやって書き手は自分に勝手に縛りを与えて束縛していって自ら不自由になっていくのかもしれない。 

 ただ、この物語の収拾としては、神様が「やっぱやーめた」とか「はーいテスト終了でーす、お疲れさまでしたー」と宣言してつくようなものであるので、そうした身勝手な思考実験の域を出ていないという指摘は、至極ご尤もなのでありました。

 「のづち」という居酒屋の店名は気に入っている。水木しげるファンならピンとこられるであろう……あ「やかんづる」でも可。

みなさんのおかげでまいばすのちくわや食パンに30%OFFのシールが付いているかいないかを気にせずに生きていくことができるかもしれません。よろしくお願いいたします。