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造形とぬいぐるみと縫い目と

久しぶりに雑文を書きます。
今思っていることを書き残しても良いかなと思ったので。


皆さんは「稜線」という言葉をご存知でしょうか。ネットで調べると始めの方には山の峰の話が出てくるかと思います。
デッサンや立体においても「形の変わり目」の意味として稜線という言葉を使ったりしています。

「形が大きく変わるところを見極めて作品に落とし込んでいく」
私は生きものぬいぐるみを作る際、縫い目を稜線の一つとして大切にしながら制作しています。

ぬいぐるみの分割線、縫い目も作品の一部として美しくありたいと、思って型紙を作っています。
私は粘土原型を作ってから型紙を起こすタイプなのですが、完成した粘土原型に直接分割線を書いて型紙を作っていきます。
このときに、左右対称のものだと中心線で分けたほうが楽な場合もありますが、顔や体のど真ん中に縫い目が来るのはなーと思った子はそれを避けた型にしたりします。
型数が増えると手間が増えるので、好き勝手できるのは個人制作の特権ですね。
顔だけではなく、体の骨格や筋肉、動きなどを加味して違和感が無い様に…というか、縫い目がの立体としてあるべき線でありたいなと思っています。
縫い目が作品のノイズにならないようにできるのが理想だなと。

今年作ったカモノハシは首周りの形を特にこだわりました。
シンプルに頭から体を一続きにしてもよかったのですが、動いてる映像を見た時、頭がくりっとしている感じやお尻にかけての起伏が表現できたらなと思って、そのあたりを意識した分割にしてみました。
新作のアオアシカツオドリは、鳥らしい胸の張りや折りたたまれた羽のふくらみの形状など体の作りはもちろん、頭から体にかけて変わる羽の色の境目のバランスとの兼ね合いも考えながら型紙を作りました。

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手に取って見ていただける機会がございましたら、縫い目のこだわりも見ていただけると嬉しいです。

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