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BG2, ToB, 第8章、ヤンとバールの末裔の青年との会話

<サラドゥーシュにて。この街には、いわれない迫害を避けるためメリッサンという女性の助けで連れて来られた殺戮神バール*の子がたくさんいる。そのうちの1人に主人公が声をかけて見ると…>

アレクサンダー・ラリスター
「私自身、バールの子供の一人なんですーあるいは、そう言われています。バールの子供たちの何人かは、他の者に比べてより濃い血を引いているのでしょうね」
ヤン(主人公PTの一員、ノーム族のおっさん)
「それを聞いてわしの大叔父のヘゲモニーを思い出したよ…叔父だからどうこうってんじゃない。彼はいつも地元の公爵と、周囲の農地について自分にも権利があると争っていたのじゃ。公爵は彼を牢屋に放り込んだんじゃが、1年と1日がたった時、公爵の母親が、彼は実際に公爵家と縁があることを打ち明けたのだな。ー何やら、公爵のお祖父さんの兄弟が、酔った勢いで器量よしのノーム娘と一緒に、のような…詳細はわからんが」
主人公
「叔父さんがほんとに縁続きとわかってめでたしだったね」
ヤン
「そうでもなかったのじゃ。公爵はヘゲモニー叔父が自分と王座(それとも、あのろくでなしが腰掛けてた何か)を争うことを望まんかったので、ヘゲモニーの一家を追放して、叔父自身はギロチン台に送りおったのじゃ」
「処刑のあと、連中は家族に遺体を返してよこしたんじゃが、連中が彼のアタマをどこにやっちまったのか誰にもわからんありさまだった。もっとも、結局は丸く収まったんじゃがなーどっちにしても、ヘゲモニー叔父の家族には、全身が収まるサイズの棺桶を買う余裕はなかったんでな」
アレクサンダー
「あんたはほんとにおかしな方だ、ノームさん。何でまたこんなケッタイな話を私に聞かす気になったんです?」
ヤン
「偶然の一致に感心した、それだけじゃよ。ヘゲモニー叔父に流れてた貴族の血は、あんたが持ってるバールの精と同じくらいあるか無しに過ぎんかったのじゃ、お友達…しかも、結局、それが叔父の一家の将来を根こそぎにしおった」
「はあ…あんた、顔色が少しよくないの。わしが言ったことなんぞ忘れちまえばよかろうに?」


*自分の滅亡を予感し、のちの復活のため人と言わずモンスターと言わずその間に自分の子孫を残すべくハゲんだ邪悪の神。その結果、強力で邪悪な子らが滅んだ父神にとって代わるべくお互い同士戦争を始め、罪なき庶民がその犠牲者になり、他の非力で凡庸なバールの子まで庶民らに目の敵にされる事態が起こっている。

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