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【#観劇レポ】君は、光。ホグワーツ特急で見た、いくつかの走馬灯より。

ずっとこの日を待っていた!

クリスマスだもの、何か特別なことを!と、胸を躍らせ速攻で予約した過去の私、グッド・ジョブ。12月24日、クリスマス・イブ。大人になってしまった私には、サンタさんはもう来ないので、そんな私に、私自身がプレゼント。


今年のクリスマス・プレゼント、それは、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』を観劇すること!


結果、最高のクリスマス・プレゼントでした。クリスマスの実感なんて、大人になってしまえば正直無いようなものだけれど、確実に、特別なプレゼントになった。

あの、改札を通って、エスカレーターが進むにつれて聞こえてくる、ハリー・ポッターのテーマ曲。心臓よりももっと、奥の方から湧き上がる、「いよいよだ…!」という緊張感と興奮。

駅の構内〜劇場までの道。ハリー・ポッターの世界一色!
もうこの時点でテーマ曲が流れていて、没入感が楽しめる。構内に所狭しと飾られていた肖像画や、作品に出てきたキャラクターもこっそりいて、当日はフォトスポットとしても賑わいを見せていた。


クリスマスシーズン(しかも休日)ということもあり、普段より3割増しの人だかり、空きのないコインロッカー、重すぎるスーツケース、朝7:00発のバスに乗った寝不足の頭。

最悪の状態にも関わらず、劇場に着いた私のテンションは最高潮に達していた。
会場の優しいスタッフさんのおかげで何とか座れるまでのレベルになった私は、双子の片割れと、末の妹と共にいざ!いざ!!という気持ちで入場した。


私の、人生のバイブル。指標。憧れ。夢。全てが詰まった、ハリー・ポッターの世界。
それが舞台になる。
そんなの、どうしても行きたかった。特別な日に。

キャストボードならぬ、キャストブック。
劇場内はいちいち小ネタ的な演出に満ち、細部も凝っているので、開演までの時間も楽しめる。


ネタバレは出来ないので拙い感想になってはしまうが、実際私は、魔法の世界に入り込んでいた。

幸せだった。凄かった。

後から片割れに言われて気づいたくらい、「魔法界ならそれが当然」という前提で観ていた演出もあって、「言われてみれば、確かにおかしい…!どうやってるんだあれ!」と今更感漂う感想を身内にぶち撒けてしまった。

一つだけ、ブワッと鳥肌が立って、自然と涙が出てしまったのは、みんなもよく知る先生の肖像画が出てくるシーン。

その人だった。
本当に。

『先生…!』と、自然に、私は心の中で叫んでいた。そこにいる。
寂しかったんです、ずっと会いたかったんです、ずっと、そう伝えたかった相手が、あの先生が、舞台の上に。そう思うくらい、役者さんの、キャラクターへのリスペクトが厚いのだな、と思わざるを得なかった。






私のイチオシはスコーピウス君です!!!
可愛いねあなた!!!何なの君は!!!

ちょっとオタッキーなところも、緊張しながらも自ら距離を詰めに行ける積極的なところも、冒険に怯えながらもなんだかんだ協力してあげるところも、いつだって友達の味方なところも、許すという気持ちを知っている優しいところも、知識豊富で賢いところも好きだ!!!

こんな子とお付き合いがしたいなあ、と思わずにはいられなかった。
自分だって色々嫌な思いをすることはあるだろうに、それをお首にも出さずに、我慢して、明るく振る舞って。母性をくすぐられるというか、守ってあげたいというか。

彼を理解したい、それはおこがましいか、理解しきることはできなくても、彼を理解する努力をしたい、させてほしい、と、とても思ったのだ。






光には、色んな形がある。

さらさらと揺れる葉の間から、ちらちらと射す木漏れ日。
眠りの中にいた人を照らし出し、優しく起こす陽光。
真夜中に何も分からないとき、うっすらとでも歩くべき道を浮かび上がらせる月光。
真っ暗な舞台に突然現れる、スポットライトのまあるい明かり。
心細いときに目の前をそっと照らしてくれる、揺れる蝋燭の灯り。
闇を切り裂くように駆け抜ける、一条の光。


きっとあなたは、闇では無い。
どんな人もきっと、闇の中にいるだけだ。そこから一歩踏み出すと、どこかに光が見えてくる。

あなたは、闇そのものでは無い。
弱くても、強くても、広くても、細くても、きっとあなたにも、光が見つかる。光の中に入ることなんて、いつだって、どこだって、誰にだって出来る。今は出来ていないだけで。


木漏れ日のような人、陽光のような人、月光のような人、スポットライトのような人、蝋燭の灯のような人、稲妻のような人。
ほのかに灯るほど弱かったり、目が眩むほど強かったり、広範囲の大勢に遍く光を届けたり、目の前のたった1人にそっと与えたり。
ひとりひとり、光の形は違う。それだけのことなんだ、きっと。

アルバスも、スコーピウスも、みんなも。
あなたたちは、闇なんかじゃ無い。光の中にいる。

光そのもの。
舞台の中で見せてくれた笑顔が、あなたたちが駆け抜けた物語が、誰かの、私の、光だ。

またその笑顔に会いたくて、光に会いたくて、私はきっとまた、観に行くだろう。この舞台を。






まだ観に行っていない人、是非行ってください。

魔法を、目の前で見られます。
憧れたあの世界へ、ホグワーツ特急に乗って、旅ができます。
映画を観ているような、アトラクションに乗っているような、不思議な体験ができます。
つらいことを忘れられるような、そして、勇気を貰えるような魔法の世界に、連れて行ってもらえます。

まだ細かいことは決めていないけれど、私はもう2回目を観に行くつもりでいます。今度は、3姉妹だけでなく、母も連れて。

あの、誰もが憧れたであろう『魔法界』を、1人でも多くの人に体験してほしいから。

劇場から出ると、「うわ〜現実世界に戻ってきちゃった〜…!」って、現実に対してちょっと絶望してしまったりもしたけれど、またあの世界に戻れるように、頑張って現実を生きよう。
また、ホグワーツ特急に紛れ込める、その時が来るのだと信じて。


アルバスも、スコーピウスも。ハリーもロンもハーマイオニーも、ドラコも、みんな、みんな。風邪引いてないといいな。あったかくして、家族と幸せに、過ごせていたらいいな。

そう思いつつ、掘り炬燵に足を突っ込んで、私も年を越す。


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