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閉店した喫茶店

最近はあまり通らない裏路地
数年ぶりに通ったら
ひっそりとした佇まいの喫茶店が閉店していた

君と初めて二人きりになったのも
お互いの未来を語り合ったのも
告白したのも
この喫茶店だった

小さな窓から覗ける店内は
まだあの頃のままで
二人の残像が見えた

今、僕の手は違う人と繋がれている
君も違う人と手を繋いでいるのかな

君のことを僕より知ってい人は
もういるかもしれない

あの頃はそれが僕だった

なぜそんなことを考えてしまうのだろう

あの頃を思い出すのは自分だけ?
たまには君も思い出してくれるのかな

僕の道は順調に未来を刻んでいる
君もそうなんだろう
繋いだ手は離れてしまったけれど

閉店する店には新しい店が入る
早く忘れろと促すように


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