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我が子の不登校という経験は、私に幸せを与えてくれた

 もう少しで雪に埋もれてしまう。この家での初めての冬。どんな暮らしになるのだろう。

 寒くなると、冬の食糧の備蓄を始める。じゃがいも、人参、大根、カボチャ、白菜、キャベツ、米。農家で働いているのでそれらは沢山いただける。ご近所さんにも配りつつ、家で一番涼しい玄関に積み上げる。

 こんなに食べられるかな。少食の息子と二人暮らし。しかも、息子は日に日に食べれないものが増えている気がする。脂っこいお肉は食べない。ソーセージも食べられなくなってしまった。お魚も食べなくなった。焼き魚はもちろん、マグロとか前は喜んで食べてたのに突然嫌いになった。野菜なんて見向きもしない。

 心配はしていない。学校で給食食べているから。最近は週4で学校に行けるようになった。週4も給食食べていれば十分でしょう!

 何故、どんどん食べられないものが増えていくのか、そこが知りたい。心理的なものなのか、成長過程なのか。

 子供ができて、いろんな育児書を読み漁って、私は子供たちにはいいものをたくさん食べて、元気に外で遊んで、自然と共に健康的に暮らして欲しいという理想を掲げて頑張ってきた。毎日おやつを手作りしたり、一緒に家庭菜園したり、森の中で遊んだり。

 そんな育児はもう終わってしまった。

 毎日、駄菓子とかコンビニで売ってるお菓子とかを食べる。漫画読んでゲームして。私が描いていた子供の暮らしとは程遠い。それでも、私はそれを容認している。心では少し残念に思いながらも、我が子は健全なのだろうかと不安に思いながらも、これでいいのだと信じている。

 だって、息子はたくさん辛い思いをして、それでも今、学校に行ったり、サッカーしたり、友達と自転車乗り回したり、元気に子供らしく生きてる。

 そんな息子の姿を見るのはとてもとても幸せ。

 息子が学校に行けなくなってからもう少しで1年になる。1年前の私より、今の私の方が幸福感を持っている。たくさん辛い思いをして、頑張った。でも、母として子供のためにしてあげられることがあるって幸せだなあと、悩むたびに感じた。不思議なんだ。辛い思いをたくさんした1年だったはずなのに、すごく幸せな1年だったような気がする。

 毎日、本当に毎日思う。

生まれてきてくれて、私の息子になってくれて、

ありがとう。

 

 

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