[ベトナム考察] 待ち受け画面と自己肯定感
ベトナム人は自己肯定感が高い。と、思う。
今や多くのベトナム人がスマホを持ち歩き、日本人以上に使いこなしている。こういった電子機器の値段は、日本とさほど変わらない。それなのに、多くの若者が最新のiphoneを所持している姿をよく見かける。
一体、どうやって購入費用を工面しているのか心配になる。そして、特筆すべきは、高確率で自分の顔を待ち受け画面にしていることだ。
女性の場合は、写真加工アプリをバリバリに使っている自撮り写真、男性の場合も同様だけれど、女性は笑顔の写真が多い一方で、なぜか真顔の写真が多い。
日本人だったら、どんなに美男美女でも、自分の顔写真を待ち受けにするなんて、とてもじゃないけど、恥ずかしくてできないと思う。それを平然とやってのけるベトナム人。
なぜ自分の顔を待ち受け画面にするのか、聞き込みをしてみた。すると、色々な答えが出てきたけれど、集約すると次の2パターンになる。
①曰く「携帯を失くした時に、拾った人が、誰のものだかわかるように」いや、お前どんだけ有名人なんだよと。
②曰く「ベトナム人はみんな自分のことが好きだから」これは確かにそうかもしれない。そう感じる場面は多々見受けられる。
①はいまだに理解できないけれど、②は、「確かにな」と思う。ベトナム人は、滅多なことでは自殺をしないと聞いたことがある。仕事がなくなっても、あらゆるコネを総動員して次を探すし、探せなければ、自分で小さな商売を始める人も多い。
日本のような生活保護はないにも関わらず、仕事がなくなっても、家族や親戚で協力しあって何とかなっているケースが多い。何より、「貧乏」や「お金がない」ということを、必要以上に恥じて、絶望するということはないのだと思う。
生活保護を申請するのが恥ずかしくて利用できない。最悪の場合、死を選んでしまうという悲しいニュースも目にする日本とは、大分違うなと思う。
そのことを以前ベトナム人の友人と話したら「ベトナムに生活保護なんてあったら、みんな嘘をついて申請するよ。結果、誰も働かなくなる」と笑っていた。
自己肯定感が高いから、仕事がなくても、貧乏でも恥ずかしくない。スマホの待ち受けを自分の顔にもできる。なんだかんだで生きていられる。
その自己肯定感の高さたるや、民族的なものだけではなく、おそらくは家庭や学校での教育にも起因しているのだと思う。今度は、そのあたりを掘り下げてみても面白いかもしれない。
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