劇場版 ポールプリンセス!!

この映画、元はYoutube配信のオリジナルアニメシリーズの映画化だそうである。私はそちらは未見である。なぜ観ることになったかというと友人に勧められたからである。しかも、鑑賞に勧められた回が、関係者の生コメント付き上映というやつであった。そんなやつ(私のことだ)いる?少なくとも1回鑑賞した人、あるいは聖徳太子であれば、コメントを聴きつつストーリーに集中できよう。が、私はどちらでもない。ので、ストーリーを把握するためにコメントは聴き流すしかない。というか、文脈を知らないとほぼ意味がないし。これは友人が悪いので、映画のせいではない。

そんな障害にもめげず鑑賞しての感想。本作のクライマックスである、3DCGによる大会でのダンスシーン。これはすばらしい。実際のダンサーによるダンスをモーションキャプチャーを使っているとのことだが、それぞれのキャラクターに合わせてダンサーを選別しているとか、カメラワークも凝っていて、すばらしいと思った。逆に言うと、それ以外の部分はもう付け足しに過ぎないということ。映画としての作りであれば、それぞれのチームが大会に向けて練習したり失敗したりする過程も丁寧に描きたい。むしろ、練習や失敗シーンもCGで動きでやってほしかったのだが、そういうこともなく、単に2Dの止め絵で見せているだけ。キャラクターごとの深掘りもなし。これは、シリーズとして観ているファンが観ている前提ならいいが、初見の人には不親切であると思う。『THE FIEST SKLAM DUNK』も同様に、宮城以外のキャラクターの掘り下げはしていないが、こちらは全編CGで動かし、ゲームそのものを見せることに徹しているからいいのである。まあ比べる対象が適切ではないのかもしれないが、私はニュートラルな立場で来ているから、こういう感想になる。ファンにとって、ファンムービーとしてこれでいいというなら、特に異論はない。

もう一つ気になったのは、演出のくどさ。あるキャラクターが、ドジを踏んだシーンで、別のキャラがその行為をセリフで繰り返した上、「ドジなんだからー」と解説までしている。最初の行為を見たら、観客はもうそのキャラがドジなことはわかるので、こういうのはイライラくる。本作に詳しい友人に聞いたところ、これも本作のスタッフが元々は子供向けアニメのスタッフなので、その演出を引き継いでいるのだとか。なるほど、これはそういうテイストのファン向けということなのか、納得。

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