グランツーリスモ

グランツーリスモは、『そえまつ映画館』で松崎健夫さんも言っていたが、同名のレーシングゲームはかなりやりこんでいて、松崎さんと同様にハンドルとアクセルブレーキのセットを買いこむほどだった。まあと言っても、世界ランキングに届く訳でもなく、まあ普通に楽しむ程度だったが。そんな私が同名の映画を鑑賞してどうだったか。ゲーム画面も出るので懐しいということも確かにあったが、ゲームシーン自体がそれほど映画全体に影響している訳ではない。むしろ、これはリアルな、『ラッシュ』や、『フォードvsフェラーリ』などと同様れっきとしたレース映画だった。しかも現実をベースにしているとは思えないほどドラマチックで、前2者に並ぶとも劣らない出来。

グランツーリスモのゲームの猛者を集めて、実レースにチーム参戦したなんてこと、ゲームをやっていた私ですら知らなかった。しかも、外国のチームならいざ知らず、NISSANだよ?その実話の方をよく知らないことも結果幸いしたのかもね。

プロットは、本当に実話？と疑うくらい、成功を掴みかける→失敗してどん底からの復活という、シナリオ骨法的にも王道の展開。しかもそのどん底が、ゲームだけやっていて、そのリスクからは最も遠かった事故→人を死なせるという、最もキツいもの。このハードルを超えてくるから、感動が生まれる。

また、レースシーンも、実車を使い、かつ主人公のモデルになったドライバーが実際にスタントを務めるなど、ゲームが題材とは真逆のリアルにこだわる一方で、ラインどりに、実際には見えないはずの予測ラインをCGで足したりして、ゲームらしさも残している。この辺りの融合させ方が上手いと思った。