ジガルタンダ・ダブルX

上映館が少なく苦労したが、先週つくばの仕事の帰りに三郷の映画館で観teきた。かなり大箱にも関わらず、客は私含め3人程度。まだ、口コミで爆発的に客が広がってるとまではいってないよう。私自身は、インド映画としては初めてのジャンルという新鮮さと、メッセージ性が強いにもかかわらずアクション含めたエンタメも両立させた傑作と思う。しかも、よく考えたら本作はリアリティラインをかなり外れているはずなのに、不思議なリアルさがある。ジェシカ・チャスティンの某映画を想起させるラストは、現代だったらデータを簡単に配信できるところ、時代が1970年代なので、配信の代わりに映画を使い真実を伝えることで、映画のパワーを示すという監督のメッセージにうまくつなげていた。(細かいことを言うと、フィルムの用意やら追加撮影やら、それなりの動員が必要なのにどう確保したんだろう、と思わないでもない)
この映画は、しかし残念ながら、『RRR』や『カメ止め』までには、爆発的な伸びがあるとは思えない。両者はハッピーエンドで、観客はカタルシスを得ることができるが、本作は抵抗する村人は全員殺されてしまい、どうしても後味は悪い。しかし、それでも私は多くの人にこれを観てほしいと思う。タミルの一州における民族虐殺を扱うことは、どうしても今現在においては、世界的に普遍の意味を持ちえるから。

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