クライムズ・オブ・ザ・フューチャー

言っちゃあれだがクローネンバーグ作品は苦手だった。なんか生理的にダメ。「クラッシュ」も、ましてや、「ビデオドローム」なんてもってのほか。そんな私が最新作『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』を見たら…え、こんなやさしい入門編なの?というのが驚きの印象。本作、柳下毅一郎さんの評で「身体改変に対する執着」ということが書いてあって、それは事前にちょっと読んだものの、いきなり、登場人物のクリステン・スチュワートが(クリステンって『スペンサー』の主役の人だよね。ダイアナ妃探してたら全然見つからないわー。前作のスペンサーがむしろ本人から遠かったのね。閑話休題)「手術ってセックスみたいよね」と。超弩級のストレートを投げてくる。しかし、そんなことをわざわざ言わいでも、手術シーンあるいはお互いを傷つけあうプレイがめちゃ、エロいんです。ついに私は目覚めてしまったのかもしれません。なんだか、未来では人類は痛覚を克服しているというのも、なんか親切設計じゃありませんこと?
しかも、出てくるクリーチャー?みたいなマシン?がまた、かわいい。これがギーガーだったら気持ち悪いというか、嫌悪感を伴うところかもしれない。朝食を食べさせてくれるやつとか、謎のベッド、解剖マシン。どれもいい。

プロットだけど、こちらはなんとなくブレードランナーぽいというか。ニュータイプをレプリカント、オールドタイプを人間に置きかえると、ニュータイプとオールドタイプの相克を描き、主人公が二重スパイのようなことをやるところが似ている。


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