裸のムラ(ネタバレなし)

『はりぼて』の五百旗頭幸男監督の新作映画『裸のムラ』を観てきた。
本作は、監督が富山から石川のテレビ局に移籍して撮ったドキュメンタリーである。前の会社を辞めることになったことは前作の最後で明かされるのだが、あまりに唐突で、「何かある」と思わせるに十分だった。その理由は、本作で明かされる訳ではないが、映画のパンフレットを買ったら書いてあった。ちなみにパンフレットはそれだけでなく購入をおすすめ。それと、私が行った回では監督の舞台挨拶があり、そこでも経緯を明かしてくれていた。

本作は、富山以上に保守王国と呼ばれる石川のムラ的な部分を裸にしていく。確かに、ギョっとするような場面が出てくる。(こんなことを女性にやらせてるのか…という)。しかし、実は、多かれ少なかれ、ムラ的なもの(パターナリズム、同調圧力)は日本のどこにでもある。だから、監督が言いたいことは、これは石川だけの話じゃないよ、ということなのだと理解。これは、まあ『はりぼて』もそう思わせる映画だったよね。

前作が明快な内容だったのに対し、今回は3組の人達の話を並行して進めるので、とっちらかっていると言われるらしい(大島新監督がパンフのコメントでそう言っていた:-)。が、通底するテーマは前述のものだから、特にそうは思わなかった。そして、前回同様今回も「笑える」のがいいね。ある意味自分すらも使っているのがいい。そして大島監督も先日『香川一区』のDVD発売記念トークショーで自分のドキュメンタリー論を語っていたが、五百旗頭監督もこの映画の中で語っている。これは興味深かった。

あと、実はこの映画、前作よりもはるかにオールスター出演よ。谷本前知事や馳浩現知事は言うに及ばず、当然の森喜朗、小池百合子、小泉新次郎、河野太郎…のお父さん洋平等々。特に小池さんが意外な場面で登場するのはみどころ。

ネタバレなしはこんなところですかね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?