赤羽で乗り換えるな降りてくれ part1【bar union】
皆さんは「赤羽」という地名にどんな印象をお持ちだろうか?
メディアで取り上げられる赤羽は「昼飲み」「おでん」「千ベロ」というイメージが強いと思う。
だけれど 実際に住んでいる身としては、そんなところに行くのはよほどの酒好きか観光客が殆どだ。
赤羽に多く人が訪れることを嬉しく思う反面、「他にもいい店はたくさんあるのに」と感じることも多いのが正直な気持ちだ。
中にはほとんどイメージを持っておらず「乗り換えに便利な駅」という印象を持つ人もいるだろう。
実際に埼玉に住んでいて、池袋に通勤していた時の自分の印象もそうだ。だけれど、住み始めて7年、素直にこう思う「もったいないのでお願いだから一度降りてみてほしい」と。
私の赤羽に持つイメージは「居心地の良い街」だ。
馴れ馴れしい訳でも、過剰にサービスを押し付けてくるでもない、「ここに居ていい、居たい」と思わせてくれる、そんな街だと思う。
コロナウィルスの影響で飲食店が受けた被害は甚大で、そんな今からだこそ、自分を受け入れてくれた、
好きなお店の魅力を紹介したい、お店に自分が顔を出す以外の方法で支援をしたい。そんな想いからこの記事を書こうと考えた。
今回紹介するお店は「union」というbar。赤羽に住み始めて最初に通うようになった思い出深いお店だ。
店名:union
ジャンル:bar
住所:東京都北区赤羽1-38-10 101
※大体赤羽駅から5分くらい
HP
→ https://union.gorp.jp/
facebook
→ https://www.facebook.com/union%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%83%B3-654105437936344/
宅飲み、オンライン飲み会が持てはやされる昨今である。
ストロングゼロを代表としたアルコール度数が高いインスタントかつチープに酔えるお酒も増えた。
酔うだけなら本当に家で簡単にできてしまう。
一時的な忘却のための手段ならそれでもいい。
だけれどもお酒の味や、飲むこと自体を楽しみたい、楽しんでみたいと思うなら、是非barでお酒を嗜んでもらいたい。
偉そうなことを言っているけれど、自分が通っているbarはこのunionだけだ。お店のイメージはスポーツバーとオーセンティックなバーの中間くらい。
カウンターとテーブルはちょうど半々くらいで、よくbarに抱くこじんまりとした息苦しさはない。
立ち飲み客で混雑しているわけでも、必要以上に緊張感を持つこともない、気軽に入って一杯やるには最適なbarだ。
★unionのここが好き【カクテルの質が良くて安い】
正直に言ってカクテルの味は一定のレベルを超えると自分のような素人には優劣があまりつかなくなってくる。
ただ、unionで飲むカクテルの質は都心の気取った店で飲むそれと比べても遜色ないものだ。
むしろ「unionの方が美味いな……」と思ってがっかりすることもある。
実際に日本橋のホテルに入っているbarで飲んだ1,300円のジントニックと、ユニオンで飲む700円位のジントニックを比べた時は、unionの方が自分の好きな味だと感じた。
マティーニを始めとしたスタンダードなカクテルの味は平均以上の水準を保っている。
それを都心の7割位の値段(個人的な感覚)で飲めるのは本当にありがたい。
★unionのここが好き【お酒の知識が無くても気にならない】
恐らくbarに行きたいと思っていても行けない人の多くは「知識が無いと恥ずかしい」「馬鹿にされそう」「なんか怖い」というようなことを考えているのではないだろうか。
unionはむしろそう思っている人にこそ行ってほしいお店だ。
自分の味の好み、普段飲んでいるお酒、その時の気分を正直に伝えれば、気さくな店長を始めとしたバーテンダーがぴったりのお酒を用意してくれる。
そういっても「注文の仕方が分からない」と思う人もいるだろう。
安心してほしい。彼らはどんな無茶ぶりにも最大限の努力をしてくれる。
私が通い始めたころ、当然お酒の知識など大して持っていなかった。「マティーニって言っておけばたぶん格好がつく」くらいのものだ。
だから当然注文の仕方もかなり雑だったけれど、バーテンダーの方はそれにぴったりのものをいつも用意してくれた。
今回はその一例を紹介しておく。
注文例1:「中華料理食べた後に飲むカクテル」
→スウィートベルモットのロックにオレンジピールを入れた紹興酒にちょっと似たカクテルが出てきた。油っぽかった口内にベストマッチ。
注文例2:「すっきりしたやつ!」
→エルダーフラワーリキュールの水割りが出てきた。高原に吹く風の様に爽やかさ、優しい花の香りと上品な甘みですっきりし過ぎてお会計してしまった。
注文例3:「友との友情に乾杯したい」
→オールドパルというカクテルが出てきた。ネーミングが既に完璧だったけれど、味も過ごした年月を思い起こすような深いもので大満足だった。
分かっていただけたかと思うのだが、こんなふざけた注文の仕方でもかなりの精度で好みのものを提供してくれる。
そしてそのふざけた注文の中にお気に入りを見つけたら、それをまた来た時に頼めばいいのだ。
実際にこの方法で10以上のお気に入りのカクテルができた。怖がらず、素直に自分のことを話して、文字通り自分の好みのカクテルへテンダーしてもらいたい。
これだけでもbarとしてかなり優秀だと思うが、フードやデザートにもしっかりと力を入れている。
気軽につまめるピクルス(この店はセロリのピクルスだ)から目の前でチーズをたっぷり削って作ってくれるシーザーサラダ、日替わりのピザやパスタ。がっつりしたい夜にはソーセージや豚のグリルなどがそろっている。
今の時期のおすすめは夏季限定、ビールやワインがぐんぐん進む燻製枝豆だ。
零れ落ちそうな量のイチゴジャムが乗った豆乳プリンや、濃厚なティラミスもぜひ食べてみてほしい。
※実際のイメージはHPやフェイスブックを確認してみるといい。
最初にお店の前を通った時の印象は「赤羽っぽくないな……」だと思ったけれど、今ではここが自分の「赤羽感」を形作る中心だ。
赤羽に観光に来てメディアの紹介する赤羽っぽいご飯を食べた後に「もう一杯落ち着いて飲みたいな」と思った時、もしくは「barデビューしてみたい」と思った時には、是非立ち寄ってみてほしい。
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