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雑詩集

63
詩的で私的なタイムライン。
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2018年1月の記事一覧

思考のねぐら

思考のねぐら

まいにち
思考を散歩させている

思考にもねぐらがあって
だいたい似たようなところを出発し
似たようなところに帰ってくることが多い
思考にも
地域性があるようである

だれかの力を借りて
いつもとは違う場所から始めてみる
生活者の訛りが匂う住宅地
名前のない道をあるく訪問者

ああ
ここは知っている
名前は思い出せずとも
再会だとわかるのは
なぜだろう

曲がり

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ちいさく、まるく、役立たず

石ころみたいな、心でいたい。

小さくて、どこにでも転がっている。

ときにあっけなく蹴飛ばされて、遠くに飛ばされていったりする。

車に轢かれることもあるけれど、簡単には壊れない。

角が削れたために「小さく」なった石ころも多い。

そういう石ころは、たいてい丸い。

丸いものは、強いのだ。

尖った角を失うことで、中心の安定を保つのだ。

尖っているものは、変形

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うしろめたさの温度

 ぬるい。

汗で張り付くシャツ。

 うすい。

来た道は翳んで。

 かゆい。

これは身体か?

 みじかい。

快楽ばかりが。

 きたない。

黄金色のズクズクで満たされたバスタブ。

 わらう。

腹の虫は腸に。

 きらう。

理由もなく。

 とむらう。

ムラなく。

 はむ。

まずは胃にいく。

 まもる。

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