ちいさく、まるく、役立たず

石ころみたいな、心でいたい。

小さくて、どこにでも転がっている。

ときにあっけなく蹴飛ばされて、遠くに飛ばされていったりする。

車に轢かれることもあるけれど、簡単には壊れない。

角が削れたために「小さく」なった石ころも多い。

そういう石ころは、たいてい丸い。

丸いものは、強いのだ。

尖った角を失うことで、中心の安定を保つのだ。

尖っているものは、変形しやすく、壊れやすい。

先端が強情になるほど、外から強い衝撃を受けたとき、中心まで一緒に割れてしまう。

尖ったまま、頑なに。

砕けるときは、一瞬で。

尖った生き方とは、そういうものだろう。

誰にも注目されることなく、ひっそりと路上に転がる。

自分ではどこにも行けない。

車に轢かれても壊れない。

なんの役にも立たないし、それがどこか可愛らしくもある。

ペットにしたら、手がかからないだろう。

石ころみたいな、心でいたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?