見出し画像

東京芸術祭2021 ロミオとジュリエット

野外劇ロミオとジュリエット イン プレイハウス

先月「野外劇ロミオとジュリエット イン プレイハウス」を観に行きました。

野外劇なのに「インプレイハウス」なのは、
感染対策のためです。

野外劇で誰でも観ることができる形では、
色々と心配ですからね。

私も野外ライブの経験は何度もありますが、
野外劇は初めてで少し残念だったのですが、
野外劇であることが体験できるような工夫が随所にありました。

ロミオ

美しすぎる主役2人!

画像2

でも、ジュリエットは左の女優さんじゃないのですよね。

青木豪氏が演出のこの舞台は、ロミオ役が川原琴響さん、ジュリエット役が阿久津仁愛さんというこれまでに見たことがない形でした。

原作に近い喜劇性!

ロミオとジュリエットと言えば悲劇!

それなのに、なんか男女入れ替わって、
コメディータッチのものかと思いきや、
かなりシリアスで、私が今まで観たなかで、
一番原作に近いものでした。

観たといっても、演劇では初めてで映画なのですが・・

実は文学部の私、シェイクスピアは大好きで、
ちゃんと読めなかったっけど原語のものも目にしたことがあります。

そしてシェイクスピアの作品は、
悲劇の中にある喜劇性について表現されるものとして
よく知られています。

男女入れ替わって、ひげの生えてる女性がいて、
下ネタ満載で大笑いの舞台でしたが、
最後はなんだかわからないものがこみ上げ
涙・涙・・・

男でもない、女でもない、家柄でもない、学歴でもない・・

そんな人間の大切な部分が描かれたものでした。

下ネタに関しては、原作の方が実はもっと衝撃的です。
シェイクスピアもそうですが、日本だって同じです。

私の父(生きていたら90歳になりますが)は、
小学校の時に源氏物語を読んでいて、
学校の先生に「破廉恥な!」とこっぴどく叱られたそうです。

幼すぎる二人

これまで観たロミオとジュリエットより、
原作に近いと思ったのは、この下ネタのこともありますが、
もう一つ、ロミオもそこまでカッコよくなく、
ジュリエットも美しい女性ではない、
「幼い二人」だったという事です。


有名なバルコニーのシーンでも、
ロミオがジュリエットに一目惚れして恋に有頂天になっている姿は、
「そんな子どもじゃ、ジュリエット守れないよ・・」と思うものでした。

私がこれまで思ってたちょっと情けないロミオのイメージと同じでした。

ロミオは本当は子どもで、なんにもできない。

原作を読んだ時
ロミオはジュリエットの一言一言に一喜一憂するほど、
子どもだったと私は思ってた。
自分では、守ることもできないのにね。

守るために何をすべきかではなく、
自分が好きだからどうすると考えるのは、
子どもだから。

ジュリエットもそう、わがままで可愛いけど、とにかく子ども!

この舞台にいたのは、美しい女性ジュリエットではなく、
まだ結婚するには早すぎる女の子だったのです。

当時は女の子は子どもが結婚していたのでしょうが・・

でも、男の方は当然大人であるべきですよね。

今までみた映画のロミオは、若く描かれてはいたけどしっかりしすぎてた。

もちろん、それはそれで素敵ではあったのだけど、
とにかく今回の東京芸術祭2021での「ロミオとジュリエット」は
本当に原作に近い!

そう思えるものでした。



画像3


#観劇レポ


よろしければサポートお願いします。 趣味だけど音楽に本気の方へ向けて、私と同じように好きな仕事で食べて行きたいと考えている方に向けての良い記事が書けるように頑張ります。