ばんどう通信R6年06月号

こんにちは、ばんどうです。
いつも月末にお送りしてます通信ですが、今回は月初に・・・。
なぜかと言いますと

シンプルに忘れてた!!

毎月のルーティン忘れるとかそんなことある??って自分でも思うんですがマジで忘れてました(笑)
という感じですが今号もよろしくお付き合いください。


6月から始めた10周年記念コース

独立して10周年の節目に何かしたいなぁ、というのと昨今の何でもかんでも値上がりの情勢の中で「特別な外食」をほんの少しだけでも気軽に楽しんでいただけたら、という思いから始めた10周年記念コース。
今までやって来なかった八寸入れたりと、普段のおまかせコースとは趣向というか方向性というかコンセプト自体を大きく変えていますが、おかげさまでご好評いただいております。詳しくは後述しますがおまかせコースもこのコースあった方が結構面白くなるかな、と思いしばらく続けようかなーなんて思っております。
なので良ければお気軽にお問いあわせ・お申し付けください。
7月はご案内可能な日が減ってきておりますが8月でしたらまだまだご案内可能となっております。

お造り
八寸

ということで現在ばんどうの夜のお料理は2つの選択肢がございます。

○2.8万円のいつものおまかせコース
○独立10周年を記念してご用意させて頂きました1.8万円の旬のエッセンスをある程度抜粋したコース

です。是非是非。

おまかせコースをベストアルバム方式に

お客様から見ると、変わったのか変わってないのか?というレベルの違いなのかもしれませんが私からするとおまかせコースの設計方法を大きく変えました。
従来の和食的な献立「先付があってお椀があって、お造りがあって焼き物が・・・」みたいな「枠組みがあって、その枠に何をはめるか?」というスタイルが「本当にベストなのか?」という疑問が兼ねてからありまして。
例えばなんですけど「今月の食材、これは天ぷらが1番美味しい。これはフライにすると1番美味しい。でもそうすると揚げ物が2個になるから1個は他の調理にするか」だとか「お造り」という縛りが故に当たり前ですけど「お造りを出さなければならない」、で先付的なポジションに「ナマモノの和物にした方が美味しそうな食材あるけどお造りあるしバランス的にナマモノ多いか?」みたいな制約が別にないっちゃないんですがどうしても心理的に無意識に縛られている感覚がありまして。

サルサソースとか多分今までならやってない

最近、その枠を全て無くすことにしました。
「この食材のベストな調理法はこれで、この調理法で食べてほしい」
を10数品作った上で、あとはバランスを考えた上で順番を並び替えて少しだけ編曲する、というベストアルバム・コンサートのセトリ方式とでもいうスタイルに自分の中で組み方を変えまして。
なので「献立」というよりは感覚的には「セットリスト」

圧倒的に自分の中で自由度が上がり、料理それぞれの完成度も飛躍的に向上したのでは?と思っております。
この変更に踏み切れた一因に10周年コースの存在がありまして。
こっちはむしろ、ガチガチに「枠を決めてそこにはめていく」作り方をしているんですね。先付・お造り盛り合わせ・お椀・八寸・・・・みたいな感じで。
「そっちで古典的なフォーマットは踏襲してるから、もう一つは自由に遊び散らかしてええやろ」
と思い切ることができたみたいなところあります(笑)

まあほんとに、この変化って「お前の中での内面の変化やろ」って言われるとそれまでなのでお客様が感じるのか?みたいなところありますが(笑)
是非その辺も「探ってやろ」と思いながら楽しんでいただければと思います(笑)

鱧、そろそろ

毎年恒例の「骨抜き」鱧。
うちでは鱧は「骨を切る」のではなく「すべての骨を抜く」という処理をしております。なぜかというと「その方が美味いから」
「もう2度と鱧の骨切りはしない」と心に誓って4〜5年前に骨切り包丁も包丁バッグの奥底に封印しました(笑) 

「鱧の美味しさ」って骨切り前提に定義されているところがありまして

骨の直径がそもそも太いと、どんなに細く切っても骨が口に残るので、骨は細ければ細いほどよい→そして骨は細く切れば切るほど口に残らないので美味しい

→身は極薄になる→なので締めてすぐのお湯に落とすと身が弾ける鮮度じゃないと味が抜けてしまう→極薄の身がお湯の中で火が入るのは一瞬→なので皮も薄ければ薄いほど良い→よって、淡路か韓国の400g前後の鱧が最上品

というのが「良い鱧」を定義するロジックです。詰まるところ「身の味わい」や「皮のおいしさ」から定義されてるわけではなく「骨が口に残らない」から論理がスタートしているわけです。

それ、ほんとに美味しいの??

ということで骨を全て抜く「骨抜き」をした上で、「最上品」とされる鱧を含め色々試したところ・・・
「韓国、淡路、”1番”においしいか??」
となりまして(笑)

以来うちでは愛知県豊浜の地物の鱧を、それも1k前後のサイズを使うことにしております。

骨が細いか?ではなく脂があるか?で選びます
抜いた骨。Yの形をしています

「鱧の味」って多くの人が感じたことない「梅の味だよね」と言われるところを思い切り覆すお料理が楽しんでいただけるかと思います。

7月1日今日現在はまだシーズン1発目を仕入れていませんが。もうぼちぼちうちで買えるくらいの品質になってきているかなぁ、と思うので数日中くらいで様子を見てスタートさせていただこうかと。

例年通りなら10月末くらいまで続きます。7〜9月中ばごろ、と9月後半〜10月ごろ、で鱧の身質が全く変わり「別の魚」になりますのでシーズン中何度かお越しになられてその変化を楽しんでいただくのも一興かと思います。

古器を・・・

4〜6月くらいは比較的ゆったりしていたので色々お料理の研鑽もさせていただいていたのですが。
人間、時間を持て余すとダメですね(笑)
古器をあれこれ探しに行く時間もできてしまい、気がついたら累計で300客くらい購入していました(笑)
「売り上げ少ない時にお金を使う」って経営者としては多分下の下なんですけど(笑)
私は多分、経営がしたいわけではなく料理したいだけなのでまあ仕方ないかな、と我ながら諦めています。(妻はもっと諦めているかと・・・)

そんなわけで見たことない器がまた色々出てくるかと思いますが生暖かい目で見守ってください(笑)

存在を忘れる器が出てくるので写真撮って「器フォルダ」を作って管理してますがすごい枚数に・・・

終わりに

さて、今回は4トピックしか書いてないのに文字数がまあまあな感じになってしまったのでこんなところで。
どうぞ引き続きご贔屓のほどよろしくお願いいたします。

坂東


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