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淡水魚が好きなんです。

淡水魚が好きです。海に住んでいる魚ではなく、主として川にいる魚が。

幼少期は海の近くに住んでいて、毎週のように水族館に通ったり、魚屋さんの前でじっと動かなくなったり、買ってきた魚を箸でつついたりしていたみたいですが、まだその頃は淡水魚に対する偏執的な愛情はなかったように思います。

転機が訪れたのは小学校3年生か4年生の頃、水曜日の午後いっぱいを使ってなんでもいいから何かをやってみましょうと言われた生活の時間に、僕は「釣り」を選択しました。釣具店で2000円くらいのウキ釣り入門セットを買ってもらい、その日を迎えました。生涯最初の釣りの瞬間です。水の中にいる魚を真剣に見つめたそのワクワクした気持ちは今でもぼんやりと覚えています。

釣りという世界に出会った僕は、学校から帰るとランドセルを放り投げて釣り道具をつかんで近くの川へ走って行って日が暮れるまで釣りをして遊びました。

そんな折、祖父の家に遊びに行くイベントが発生します。祖父の家に至る道にあった本屋さんで、僕は一冊の漫画を買ってもらいました。「釣りキチ三平 鯉釣り編」です。運命の出会いでした。

主人公の三平が駆け回る川や森、集落。令和の時代となった今では消え果ててしまった、どこか懐かしく暖かみのある、そしてミステリアスな「川」の世界に僕は魅了されました。その様々な要素を象徴的に繋ぎ留めていたのが、今になって思うと「淡水魚」であり、僕はそういった関係性、空気感を感じているのが好きだったのかもしれません。

三平の世界や、僕の身近にも海や海魚は当然存在するのですが、心の琴線には特に引っ掛かりませんでした。おそらく、海の魚は大きくて自分の手に余りそうな感じがしたり、どことなく開放的な印象があって淡水魚ほどのミステリアスというか、ひっそりと生きている感じがしなかったのかもしれません。

小学校の時に淡水魚にドはまりした僕は、中学校までをおさかな博士として過ごしましたが、いつの間にか生活の中心からは外れていました。けれど好きな気持ちだけは心のどこかに引っかかっていたのかもしれません。

noteを始めようとした切っ掛けは、忙しくなって、日々弾力を失っていく日常の中で、自分の好きなものや好きなことについてもう一度ちゃんと振り返らないとなぁ、と思ったことでした。

そういうわけでこれから、淡水魚をはじめとして、自分の好きなことについて自由に淡々とnoteしていこうと思うのでした。

最後まで読んでいただいてありがとうございます!