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インフレの時代に安売りが始まっている&宿泊施設のための賢い値上げ戦略

第1章:インフレの波紋と円安の影響

日本経済は現在、1ドル=153円という近年前例のない円安と戦っています。この結果、日々の物価は上昇しているものの、中小企業の給与はそのペースに追いついていません。インフレが進む一方で、経済全体の給与停滞が続くというこの状況は、地方の宿泊業にどのような影響を与えているのでしょうか?

第2章:地方宿泊施設の逆行する値下げ

2023年から2024年にかけて、多くの宿泊施設が宿泊料金を上げ一時の好景気感があった宿泊業界ですが、コロナ明けの旅行需要が落ち着き始め、一部の宿泊施設が宿泊料金を下げる傾向にあります。日々の運営資金が必要で、低価格での提供をし、部屋稼働を伸ばそうと余儀なくされている宿も少なくありません。

直近で言うと、この五月のゴールデンウィークは4/27(土)~5/6(日)の10日間続く長期の休みとなり、土日が5回分とも言える稼ぎ時!と思う宿泊施設が多いと思いますが、現実的には逆な状況となっています。早くから5/3、4、5以外の日程を値下げを始め平日又は平日以下の料金設定の宿も。4月の連休でさえ値下げする勢いの宿が多かったようです。このスタグフレーション(経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が併存する状態)の影響は深刻で、宿泊業界全体に新たな課題を提示しています。

第3章:賢い値上げ戦略

インフレが続く現在、値下げは企業にとって自殺行為に等しいと言えます。では、どうすればコストをかけ過ぎずに値上げが可能か?以下の分野別に具体的な戦略を提案します。

(客室)

・近年リニューアルを行ったのであれば、「○○年○○月にリニューアル」という文言を客室名に付けましょう。そして、他の客室との違いを明確に説明しましょう。これだけで、客室の新しさと価値をアピールできます。→意外とこの「小さな分かりやすさ」が足りずに、単価を落とすケースが多いです。

・複数の客室がある場合は、写真が差別化されていないケースが多いので、撮影するアングルを変えてみましょう。同じ部屋でも異なる角度からの撮影で新鮮な印象を与えることができます。

(料理)

メイン料理の見直しを行いましょう。例えば、単に高価な「○○牛のステーキ」を出すのではなく、「○○牛のステーキと2年仕込みの○○醤油と○○産山葵を使った特製ソース」といった感じで、調理した味をお客様に説明しましょう。

器の見直しも重要です。料理は見た目も味の一部です。新しい購入はコストがかかるため、レンタル食器を利用することで、低コストで華やかさをプラスしましょう。全てを変える必要はなく、主要なものだけ新しくすることで、全体の印象が向上します。

これらの改善を通じて、宿泊施設は新たな価値を創造し、値上げを正当化することができます。インフレの時代においても、これらの戦略的なアプローチにより、収益性の向上と顧客満足度の維持が可能となります。

今日から始めるのではなく、今から始めましょう!

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