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バンダナ bandanna
2019年2月1日 17:40
白い衣を羽織った木々に囲まれた空間は、厳かで静寂に包まれていた。 いつもなら肌寒く感じる森の中は暖かさを感じ、外と天邪鬼な場所なのだと感じた。もう少し時間があったので、更に進んでいく。緩やかな登り坂は普段ならスイスイ歩けるのに、雪が足のまとわりつき、思うように進まない。春の私はすでに遠く前にいるのに、今の私は彼に追いつけない。振り返ると歩幅が狭い足跡が一人分、雪道に続いていた。