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猟期が終わり山菜の季節【磐梯町 細井】

現在、日本の多くの地域では猟期は11月15日~2月15日ですが、近年はイノシシや二ホンジカなどの生息数が増え、農業被害を引き起こす動物に限って猟期が延長されていることが多いです。
私たちが暮らす福島県では、イノシシ、二ホンジカに限って3月15日まで猟期が延ばされています。

猟期の終わりになると徐々に山野草が動き始めてきます。フキノトウやセリなどは、まだ雪の残る山の中で見かけることも多く、山菜の中でも比較的早く出てくる植物です。
彼らの姿が見れるようになると、だんだんと私の意識は狩猟モードから山菜採りモードに切り替わります。

フキノトウは天ぷらやフキみそなどにすることが多いです。

近年は、野生動物による農作物被害が全国的に問題となっているため、年間を通して有害捕獲を行う猟師や、有害捕獲を行うために狩猟を始めたという人も多くなってきています。しかし、昔から狩猟をやっていた年配の猟師の多くは、狩猟に限らず山菜やキノコや渓流魚などを獲ってくるのが好きな人たちが多く、なんだかんだと一年中山や川に出かけています。

タラの芽とコシアブラ。
タラの芽は山菜の王様、コシアブラは山菜の女王と言われています。

免許が必要な狩猟に比べ、誰でもできる山菜採りは簡単に思われるかもしれませんが、ちょっと時期がずれると成長しすぎて食べれなくなっていたりと、山菜採りは山菜採りでシビアな面があります。
また、人間が美味しいと思う山菜は、野生動物にとっても当然美味しいものなので、彼らに先を越されることもしばしばです。
山菜を探しに森へ入ると、狙っていた山菜がすでに野生動物に採られていることがあります。そんな時、私は悔しいという気持ち以上に、彼らと同じ目線で森の中にいれることに心地よさを感じます。まさに「好敵手」といった感じです。

〇山菜採りは節度を持って

個人的には季節の味覚を味わうというような風流なものより、ちゃんと日々の食事になってくれるような、がっつり採れる山菜が好きです。
しかし、近年問題になっている「山菜の乱獲」とはならないように、採集量には気をつけています。
週末になると都会から山へきて根こそぎ山菜を採っていってしまう人が問題となり、「山菜採り禁止」の看板を見かけることもしばしばあります。
山菜採りは地元の人が持続的に行ってきた営みですし、中にはその土地の所有者が生業として山菜を育てている場合もあります。
山の恵みである山菜は、節度を持って頂いていきたいなと思います。


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