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テレマン: リコーダーとオブリガートチェンバロのための ソナタ ト短調


【作曲者について】

バロック時代最大の作曲家ゲオルグ・フィリップ・テレマン(1681~1767)は4000曲に及ぶ作品を残しました。ヘンデルの約600曲、ヴィヴァルディの約800曲、J.S バッハの約1000曲に比べると桁違いの作品数です。

また多作家にもかかわらず個々の作品は個性と斬新なアイディアに満ちており、彼の底知れない創造力をうかがわせます。アイゼナハ、フランクフルト・アム・マインなどドイツ各地で活躍したテレマンは、1721年(40歳)にハンザ同盟の中心都市ハンブルグに移住し、そこで亡くなるまでの40数年間に数々の大仕事を成し遂げました。

【作品について】

テレマンはトリオソナタの大家でもありました。
当時、トリオソナタといえば、2つのヴァイオリンと通奏低音という編成が圧倒的に多かったのですが、テレマンはオーボエ、フルート・トラヴェルソ(以下「フルート」)、リコーダー、ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、チェロなどを様々に組み合わせた数多くのトリオソナタを作曲しました。

中でもテレマンが好んで使用した楽器として「デュシュ・ド・ヴィオール」が挙げられます(作品の音域から、実際にはデュシュ・ド・ヴィオールではなく、より音域の高い「パルドゥシュ・ド・ヴィオール」です)。
ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)は、リコーダーやヴァイオリン同様、バス、テノール、アルト、トレブルからなるコンソート(同属楽器)です。
ヴィオール属は、弦の数が多い(5~7弦)ことに加え、弓を鉛筆のように持ち下から支える弓使いから、ヴァイオリン属(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)に比べ音量が低いため、次第に使われなくなっていきました。
現代のオーケストラではコントラバスのみが生き残っています。

パルドゥシュ・ド・ヴィオールを使用したテレマンのトリオソナタは、現在9曲確認されています。
その中に楽器指定不記載の作品が1曲ありますが、第1パートは音域や音型からフルート、第2パートは小ヴァイオリン譜表(第1線がG)で書かれていることから、パルデュシュ・ド・ヴィオールとされています。
テレマンはリコーダーとパルドゥシュ・ド・ヴィオールについては、例外なく小ヴァイオリン譜表を用いていました。

本書の作品はその9曲の作品中から、リコーダー、パルデュシュ・ド・ヴィオールとチェンバロ(通奏低音)のためのトリオソナタ「TWV 42:g9」をリコーダーとオブリガードチェンバロ用に書き換えたものです。

第1楽章

第2楽章

第3楽章

第4楽章

書き換えに当たっては、パルデュシュ・ド・ヴィオールのパートをチェンバロの右手に配置し、一部内声を加えました。
写本のチェンバロ譜には通奏低音の数字は記されていませんので、本書に付加した内声は必ずしも作曲者の意図したものとは言えません。不自然と感じる部分については、自由に省略、変更、追加して演奏して下さい。

【楽譜の概要】

🎵 製本版

スコア/ A4版16ページ パート譜/ リコーダー、チェロ、チェンバロ(譜めくり不要)
定価:1,400円 本体価格:1,273円
下記のショップで販売しています。

🎵 ダウンロード版(PDF)

有料エリアからダウンロードできます。
※本編+パート譜(表紙は付いていません)

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¥ 900

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