3:四つ葉のクローバー|君がいたから

それから真己は本当によくしてくれた。私が学校に慣れるまでは──といっても、実際は卒業まで一緒に登校してくれたり、何か困ったことがあったら助けてくれたり、遊び仲間に加えてくれたりもした。
私にとってスーパーマン的な存在である真己でも、かわいらしい失敗はいくつかある。その中で、今思い出しても、ぷっと吹き出してしまいそうなことが一つ。あれは、小学校四年生の時だった。

当時女子の間で「幸福を呼ぶ四つ葉のクローバー」が流行っており、それに便乗していた私は、友達と二人で近くの土手で捜索を始めた。何時間、何日と、よくもまあ飽きもせずに探したものだ。
捜索開始から三日が過ぎても、結局私は見つけられなかった。友達は二日目辺りで幸福を手にしていたのに。
意地も加わり、どうしてもその日中に見つけたかった私は、友達が帰ろうと言っても聞き入れなかった。痺れを切らした友人は先に帰り、西日がもう沈みかけていた頃、半泣き状態だった私に声がかけられた。

「菜々子ー? 何してるんだー?」

真己だった。

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「側にいてよ。幸せにしてよ。また菜々子って呼んでよ」──失って初めて気付く、その存在の大切さと秘めた想い。人を愛するというのは、どういうこ…

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