バトルシャーク第5話
「困るよ!きみたち!!」と、怒っているのは『マリン倶楽部HOOK』のやとわれ店長、ロレンチーニさん。
どこかの国の日系?世で、日本に帰ってきた人物である。見かけも言葉も全くの日本人。
「交代で休みを取ってもいい、って約束だけど、二人とも休んじゃ駄目でしょ!オーナーに話してくびにするよ!」
うなだれる兄・海道たけし(バトルブルー)。
だが、弟つよし(バトルレッド)は平然と、
「あれ?ぼくたち、オーナーの仕事で出ていたんですよ?店長、きいてない?おっかしいなー」と言う。
「本当?確認しちゃうからね!」
と、ロレンチーニが奥にひっこむ。
あわてるたけしをつよしが制する。
ブルーたけし「でたらめ言って!大丈夫なのか?」
レッドつよし「にいちゃん、考えてもみなよ。ここの地下に基地があるってことは、オーナーがバトルシャークの味方、ってことだろ?なんとかしてくれるって。」
ロレンチーニ店長がもどってくる。
「本当だったよ。言ってくれればいいのに!補充が二人来るって、あ、来た来た」
黒い服の金髪碧眼とずんぐりしたおっとりそうな青年がやってきた。
店長「えー、クラウゼ鮫島くんと神平助くん、こちら、海道たけしくんと海道つよしくん、よろしくね!じゃ、休憩のシフトとか、相談して!」ロレンチーニ店長は足早に去る。
つよしは「な!」と小声で兄に言うと「よろしく!」と手をだした。
「よ、よろしくお願いします……」と気弱そうに握手する神。だが鮫島は手を出さない。
つよし「あれ?日本語わからないのかな?はろー?」
鮫島「英語じゃない!ぼくはドイツ系だ!名前でわからないのか?日本語はわかる!なれなれしいのが嫌いなだけだ!」
一方、敵・ギルドの宇宙船では。
女王「前期決算は!思わぬことでなんとかなった!が!あのバトルシャークを倒さねば!我々が地球資源を思いのままにすることはできぬ!今のうちにバトルシャークを叩くのじゃ!」
ガニー「前回はサメを使ったのがまちがいでした。やはりサメに恨みか人間に恨みを持っている生物を使いましょう。サメのライバルというとオルカ、つまりキラ殿に近しい種族があげられます。」
キラ「まぁ!どうりでいまいましい奴らだと思ったわ!」
ガニー「また、アザラシなどがサメに捕食されているようです。タマサップどのに近い種族です。」
タマサップ「きゅきゅ?どうりで気に食わないと思ったきゅー」(かわいい声でも体格はマッチョ)
ガニー「それから、『日本人のスズキさん』とか言う生き物が、サメに『バカタレ!』と叫んで逃げるものらしいですな。」
スズキ「あ、あのう、また改造生物作ってみたんですけど……」
女王「ほう?」
スズキ「なんだかサンゴ礁で怒っている魚がいたので、改造してみました。」
登場したのはモンガラカワハギだ!
モンガラカワハギ「小さいからってばかにすんねぇ!こちとら家こわされて怒ってるんでぇ、べらぼうめ!」
どうやら人間の不注意で住み家を荒らされたらしい。
モンガラカワハギは気の強い魚である。
大抵のダイバーは、彼らの巣を荒らさないよう注意を払う。
が、どこにも心無い輩はいるものだ。
モンガラカワハギはかんかんに怒っている。
怒った勢いで人間を攻撃する気だ、どうする?バトルシャーク!
モンガラカワハギ怪人が町であばれているとの知らせに出動するバトルレッド・ブルー・イエロー。
だがモンガラカワハギ怪人は興奮していて話し合いにならない。
やむなく戦うことに……。
倒されたかに見えたところで巨大化するのはお約束!
女王「怪人が倒されないと巨大化できないのは、前の話を参照なのじゃが、バトルシャークはなぜ最初から巨大ロボを出動させぬのかのぅ?」
スズキ「最初から巨大ロボだと、目標が小さすぎて戦いにくいのではないかと……。町の被害も大きくなりますし。」
閑話休題。
バトルシャークはモンガラカワハギ怪人を倒し、元の魚に返した。
サンゴ礁の平和を守ろうという誓いを胸に、やさしく、もとの海に返すのであった。
そして、基地にもどると、スーパーコンピューターitchyさんから、クラウゼ鮫島と神平助にもバトルシャークに変身する可能性が秘められていることを知らされる。
だが……
店にもどると、鮫島はかんかんに怒っている!
「オレは馴れ馴れしいのも嫌いだが、仕事に責任を持たない奴はもっと嫌いだ!!」
仕事中に飛び出していったのを怒っているのである。
とてもバトルシャークの話など持ち出せない。
おろおろする神平助……。
二人がバトルシャークの仲間になる日はくるのだろうか?
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