バトルシャーク第3話
再び、ギルド宇宙船内。
女王「人間を売るのはやめじゃ。奴ら存外つまらぬわ。キラは売れ筋商品を洗い直せ。ガニーはあの邪魔なバトルシャークを始末する作戦を考えよ!」
ガニー「すでに用意できております。『外来ズ』にございます。」
ブラックバス・ブルーギル・雷魚の怪人が現れた!
「帰りてぇよぉ」
「私は思うのです。ここは私のいるべき場所ではないと。」
「♪俺の住む街はここじゃねぇー!イェイ」
女王「この者たちは何者じゃ?」
ガニー「外来種、つまり、人間の都合で本来の生息地域から別の地へ連れてこられた者たちです。お前たち!バトルシャークを倒したら、望みをかなえてやろう。行け!」
一方、『マリン倶楽部HOOK』では、バトルシャークメンバーが親睦を深めていた。
レッドつよし(弟)「正義の味方なんて柄じゃないよなぁ。」
ブルーたけし(兄)「お前はそうだな。小さい頃から悪さをしちゃあ『兄ちゃん助けてー』だったもんな。」
イエロー杉田「で、たけしさんはどうしたの?」
レッドつよし「兄貴は助けてくれたよ。で、その後お説教された。」
イエロー杉田「へぇー。」
そこへ緊急指令!外来ズが町で暴れている!
バトルシャーク出動だ!
だが、やってきたバトルシャークに外来ズは言う。
「好きでやっているんじゃないぞ。誰のせいだぁ?」
「我々が本来の生息地から引き離され生態系の敵とされてしまった責任は、人間自ら負うべきなのではありませんか?」
「♪てめえの勝手で無茶しやがって、やってらんねぇぶち壊せ!oh!」
ひるむブルーたけし。
外来ズの攻撃がたけしを襲う。
レッドつよし「まずい、兄貴は正論に弱いんだ!」
つよしは間に飛び込んだ!やられまくるつよし。
だが、これが『いたずらして反撃された弟の捨て身作戦』なのだ。
レッドつよし「兄ちゃーーーん!助けてー!」
兄の脳裏に幼少期の思い出がフラッシュバック
ブルーたけし「弟をいじめるなぁー!」
外来ズ「お前たちに反撃する権利はない!」
ブルーたけし「うるさい!悪いって言っても殴られてんのは俺の弟だ!許さん!」
ブルー強い!たちまちのされる外来ズ。
外来ズ「筋が通らないぞ!」
ブルーたけし「正義を主張すれば他者を滅ぼしていいというのか!俺の正義は弟を、大事なものを守ることだ!だから地球を守るんだ!」
外来ズ、最後の抵抗で巨大化アンド合体!だが、あえなく倒されてしまう。
外来ズ「俺たちは……帰りたかっただけなのに……」
イエロー杉田「何とかならないの?」
地下の秘密基地で。魚にもどった外来ズを人工頭脳Ichthyさんに見せるバトルシャーク。
Ichthyさん「難しいですね。この三匹は、日本で生まれた個体です。もうこちらの環境に適応しています。帰巣本能が強いのであるいは……。水槽に別々に入れて、それぞれの故郷の環境に近づけていきます。ゆっくり適応させてそれから帰せば、可能性50%ですね。」
よしきりくん「体が慣れたら、ぼくが故郷に連れて行ってあげるよ!」
Ichthyさん「しかし……、この三匹はそれでいいとして、日本にいる外来種を全て帰すのは不可能ですよ。」
ブルーたけし「くそっ!」
飛び出すたけし。つよし・杉田が後を追う。
浜辺に座り込みうつむいて考え込むたけし。
近よろうとする杉田をつよしが制する。
イエロー杉田「慰めなくていいの?」
レッドつよし「今はダメだ。兄貴が吹っ切れるまで待つんだ。」
やがてたけしは立ち上がり、叫んだ。
「海のちからが命をまもる!海洋戦隊!バトルシャーク!」
イエロー杉田「……何?今の」
レッドつよし「よっしゃ、兄貴は立ち直ったな」
イエロー杉田「?」
レッドつよし「やられても、落ち込んでも、必ず自力で立ち直る、それが兄貴の強さなんだ」
イエロー杉田「それはともかく……あの叫び、どういう意味?」
レッドつよし「負けないぞ、がんばるぞー、の兄貴流の言い方だよ」
そしてすかさず、つよしはいかにもいま来たかのように
「兄ちゃーん、飯食いに行こうぜー!」
本当は何も解決してはいない、それでも立ち上がれ、バトルシャーク!
外来ズは三匹とも、もとの生息地に帰ることになるが、それはバトルシャークの戦いが終わってさらに先の話である……。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?