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外伝、バトルシャークVS科学部

(バトルシャークを「サメの海」の掲示板に掲載中の途中で、「高校科学部でサメの実物大模型を作るので教えて欲しい」という科学部顧問教諭が登場したので、サービス回として作りました。)

秋の文化祭も目前に迫り、A県立T高校科学部はサメの模型づくりに余念がなかった。そこへ悪の女王バナナワニと怪人幹部たちが!

山本勘助(仮名)先生「何だ?何をする!」
女王「憂さ晴らしじゃ!」
山本「なぜ我々を?」
女王「サメ好きはすべて敵じゃ!」
あっと言う間に山本先生は捕らえられてしまった!

女王「おぬしらのリーダーはこの通り、助けたくばわらわにひれ伏すがよい!」
部長、牧野成勝(仮名)「先生、捕まっちゃったよ、どうする?」
「後は仕上げだけだから俺らで出来るんじゃない?」
「だな」
「よし、作業続行!」

女王「ええい、ダンシ・コーコーセーをいじめて楽しもうと思ったのに、おじさんなどつまらぬわ!」
タマサップ「捨てちゃいましょうか?」
ガニー博士「改造しましょうか?」
山本「ひー!!」
キラ「この者の情報をスキャンして、ダンシ・コーコーセーの弱点を調べてはいかがでしょう」
女王「さっそく取りかかれ、キラ!」

…スキャン完了!
キラ「彼らの弱点は、試験・テスト・追試・偏差値、等です。苦手な場所は『試験会場』のようです。」
女王「ワープじゃ!」

空間テレポーテーション!科学部とギルドの面々、山本先生は、どこかの試験会場へワープした。
生徒たち「あれ?あれれ?」
タマサップ「まずは、『20字でまとめよ』1000本ノックだ!」
生徒「うわー!」「だめだー!」
山本「慌てるな!20字程度でまとめる問題は、本文中の語句を問題文に合わせて言い換えるだけだ!」
生徒「そ、そうか」「手分けしてやろう」

第一ステージクリア!

タマサップ「くそー!」
スズキ「次は私です。『指定の語句をすべて用い、50字以内で説明せよ』!」
生徒「おい、指定語句だけで38文字あるぜ?」「語句をつなぐだけで答えになるな」「楽勝!」

第二ステージクリア!

スズキ「やられた…」
キラ「今度は私よ。『次の英語の長文を読んで、自分の意見を1200字でまとめよ』英和辞典の使用を許す、ただし、電子辞書はダ・メ・よ♪」
生徒「わかんねー!」「書けない…」
山本「字数の多さに惑わされるな!英語を訳すわけじゃないんだ。賛成か反対かだけ理解すればいい。自分の意見は日本語だ、自由に書いていいんだ!がんばれ!」
生徒「回覧して書こうぜ」「分担すれば何とかなりそうだ」

第三ステージクリア!

キラ「くやしいー!」
ガニー「私はそうそう甘くないぞ。600字以内で論じよ、テーマは『生きる』!」
あぁ、世界の巨匠・黒沢明が143分の映画で描いたテーマを…。今度こそ絶対絶命か、科学部?
山本「ふふふ、ぬかったな、ガニー!一つ!お前は学部を指定していない!つまり、生物と無生物の違いとか脳死と心臓死とか、我々の得意な方向で書くことが出来る。二つ!これは入試問題ではない!つまり、出来不出来は関係ない、書けばいいんだ!」
生徒「そうか!」「やれるぞ!」

最終ステージクリア!科学部の技が炸裂する。

牧野部長「必殺、科学グルマ!」
やったぞ、科学部!

女王「覚えておるがよいぞ!」
走り寄る師と生徒、熱い涙が頬を伝う。
山本「よくやった、ありがとう」
生徒「先生!」「うっうっうっ…」
山本「もう泣くな…」
生徒「…サメの模型ができてない…」「もう、最終下校だ…」

翌朝、夜も明けやらぬころから作業する科学部の姿があった。もちろん、教師山本は学校に泊まり込んだ。校舎を開けるために…。
こうして「男子高校生をいじめる」というバナナワニ女王の野望は果たされたのであった。悪の女王、恐るべし!

参考文献は『笑う入試問題』角川書店。


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