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俳句とか川柳とか言う以前に、五七五にならないんです、って人のための超入門(2018/08/26加筆)

日本語は、五七五のリズムにしやすい言語なので、
出来る人は、自然に出来るものだから、
「五七五にならない」
と言う人は、国語の授業でも、置いてきぼりになっているのではないでしょうか?

出来ない人、あなたは悪くない。

元々、日本語が散文っぽい人と韻文っぽい人がいるんです。
韻文っぽい人は、普通にしゃべっていても、
言っている科白が五七五のリズムだったりするんです。

日本語のリズムが違うだけなんです!

日本語が散文っぽい人は、
理屈で五七五にしなければならない、
その過程で、

「五文字・七文字・五文字」だと思っていませんか?

文字数だと思うと、混乱しますよ?
日本語は、ひらがなが基本一文字一音なのですが、例外があるから、

「五音・七音・五音」だと思っていた方が、わかりやすいと思います!

かえって分からない、って人は、
「ひらがなで」
数えてみてください。
その際、「ん」・小さい「っ」・伸ばす音「ー」は、一音として数えてください。
但し、小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」は、数えません!<ここ、よく間違う。
例)しょうぼうしゃ(七文字だけど五音)

それから、「ん」と「ー」は、
「六文字なのに五音扱いできる場合」があります。
例)アンパンマン とてもつよいぞ アンパンマン(五音・七音・五音)
  ロマンスカー いちばんまえに のりたいな(五音・七音・五音)

俳句・川柳は、声に出して読むときに、
五音・七音・五音それぞれの後ろに余韻があるのです。
「ん」と「ー」は、余韻扱いで、数えない場合があります!

でも、何かの語が後につくと、六音扱いです。
例)アンパンマンが とんでゆく(七音・五音)
  ロマンスカーが はしってく(七音・五音)

母音がaiと続くときは、どっちにも数えることができるので、便利です。
例)うんどうかい いちばんはやく はしりたい
      kai             tai
  「五音」   「七音」    「五音」

では、次に、五七五を作るプロセスを解析してみましょう。

日本語は何故、五七五のリズムに乗りやすいか。
それは、「三音」「四音」の単語がすごく多いからだと、私は考えます。

えーと、学問の裏付けがなくて、直観なんですが、
言葉って、まず、「一音」の単語が生まれたんじゃないかと思うんですよね。
例)目・手
それから、「二音」の単語。
例)耳・足
こういうのは原始的な単語なんじゃないかと。

ところが、「一音」「二音」の単語は、聞き間違いやすいので、
接頭語がつくのですよ。すると…
例)おめめ・おてて・おみみ
何と!「三音」の単語に変身!

そう、日本語は「三音」が落ち着きがいいのです。

「一音」+「一音」が「三音」になったりします。
例)きのこ(木に生えているから、木の子)
「一音」がわかりにくいから、「二音」足したりします。
例)こども(昔は複数の子を指したが、今では一人でもこどもと言う)

ところで、「足」は「お」が付くとどうなるか?
例)おみあし
「おあし」「みあし」がないわけではないけれど、
「おあし」は別の意味ですから、「おみあし」になったのではないかと。
食事に添えるから「つけ」だったものが、「おつけ」「みおつけ」「おみおつけ」に変化したようなものです。多分。

「五音」で落ち着く例(おみおつけ)も出しましたが、
「四音」(おみあし)というのも、かなり日本語では落ち着く音数です。
「二音」+「二音」の複合語が沢山ありますからね。
例)ものおと、きたかぜ、あまぐも

別の方向から考えてみます。
日本語は、長い単語を省略するとき、「三音」「四音」になりがちなんですよ。
例)マクドナルド→マック、マクド
  サザンオールスターズ→サザン
  ミスターチルドレン→ミスチル
  スマートフォン→スマホ
  取扱説明書→トリセツ
  ゆるいキャラクター→ゆるキャラ(四音ですよ!)
これも、日本語では「三音」「四音」が落ち着きがいいからだと思います。

では、上記のことをふまえて、俳句を音で分解してみましょう。
例)梅一輪 一輪ほどの あたたかさ(服部嵐雪)
  うめいちりん いちりんほどの あたたかさ
  「五音」   「七音」    「五音」
この句のリズムを、さらに分解すると、
  うめ いちりん いちりん ほどの あたたかさ
  「二音+三音」 「四音+三音」  「五音」
ここまでわかれば、自分で五七五を作るのは、あと一息!

「五音」=「二音+三音」「三音+二音」「四音+一音」「五音」
「七音」=「三音+四音」「四音+三音」
が、圧倒的に多いのです!
(「四音」が「二音+二音」「三音+一音」にさらに分解できる場合も多いです。)

例)秋深き 隣は何を する人ぞ(松尾芭蕉)
  あきふかき となりはなにを するひとぞ
  「二音+三音」「四音+三音」「二音+二音+一音」

五七五を詠むとき、人は、頭の中で、
単語を組み合わせて「五音」「七音」を作っているのですよ。

だから、まず「五音」と「七音」のパーツを作ってみましょう!
最初は、季語とか考えなくていいです!
上手に詠もうとか考えなくていいんです!!

例)中二病 私もあなたも 能力者
  ちゅうにびょう わたしもあなたも のうりょくしゃ
ひらがなの文字数と、音数はちがいますよ!小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」は数えませんからね!

例)朝ごはん ゆっくり噛んで 食べなさい
  あさごはん ゆっくりかんで たべなさい
小さい「っ」は、一音扱いです!

普通の文を、五七五にする時、
日本語は
「主語を省略できる」
「助詞もかなり省略可能」ってのを頭に置いて、
音数を整えるだけで、
あれ?これ、川柳じゃね?とか標語じゃね?ってものは、出来上がります!

このノートは、宿題で俳句作らなきゃいけないけどできない!って人のことを考えて作りました。

川柳の宿題は、あまりないと思うけど、
標語の宿題は、あるかもしれませんね…

今回は、ひとまずこれまでにして、
いずれ「我流・川柳の作り方」をまとめてみたいと思っています。

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