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「繊細さん」の誤解

「繊細さん」って?

「繊細さん」ってなにか、知っていますか?

1冊の本によって「繊細さん」という言葉が日本中に広まって
言葉だけは聞いたことがある、という方も多かもしれません。

「繊細さん」とは『HSP気質』を持った人のことです。

HSPとは
「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」
の略で
生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味です。
統計的には人口の15%~20%。5人に1人があてはまる『性質』であり
うつ病や、適応障害などといった、「心の病気」ではありません。

http://www.madreclinic.jp/pm-top/pm-symptom/pm-symptom-22/

特徴はいくつかありますが

①場や人の空気を読む能力に長けているが、
読み過ぎて必要以上に疲れてしまうことがある

②刺激に過剰に反応する
(人混み、大きな音・光、匂い、気候の変化など)

③感情移入しやすい
身近な人はもちろん、赤の他人や漫画・ドラマの登場人物などにも深く共感しやすい

④人の気分や考えに敏感
人がどう思っているか敏感に感じ取りすぎるあまり
他人の気分に左右されたり、機嫌をとりすぎたり
人にどう思われているか気にしすぎたり、と
心が他人に振り回されやすい

⑤すぐ疲れる
周りに気を遣いすぎるだけでなく、色々な刺激に常に敏感に反応してしまうため、刺激の多い場にいるだけでも消耗してしまう

⑥自己肯定感が低いことが多い
他人の色々な感情に気付きすぎてしまうからこそ、気にしすぎてしまう
自分が悪いのではないか、と思いがち

などが挙げられると思います。


「繊細さん」のイメージのひとり歩き


そんな風に聞くと
「繊細さん」ってなんだか常にビクビクしていて
内気で、控えめで、常に他人を優先して・・・
というような

いわゆる「弱そう」なイメージをされる方も多いのではないでしょうか?

そのイメージが完全に間違っている、というわけではありませんが
私の中では、どーーーーも
「繊細さん」という言葉のイメージだけが先行してしまっている感
が否めないのです。

「繊細さん」に対する偏ったイメージだけが
ひとり歩きしているせいで
自分が繊細さん=HSPだと気づけない人や
HSPだと告白しても
『お前のその感じでほんとに「繊細さん?」』と
思われてしまったりする人がたくさんいるように思います。

私も、そのひとりです。

「繊細さん」にもいろいろある

ということで、
私の場合の『HSPあるある』を挙げてみたいと思います。

「え、イメージとちがう」と思う方もいるんじゃないでしょうか?

「え、性格わる」って思う方もいるかも(苦笑)

①些細なことでめっちゃイライラする

小さなことに人一倍気づいてしまうからこそ
普通の人なら「そんなん気にしなければよくない?」って思うようなことにもいちいちめっちゃイライラしてしまいます。

②声が大きい人や怒る人はすぐ嫌いになる

大声を出されるだけで、内容が何であれビクッとするので
場に合わせず常に声が大きい人には、すぐに嫌な感情を抱いてしまいます。
怒りの感情を表に出して表現するタイプの人も
たとえその人が怒っている理由が正当なものだったとしても
条件反射で「この人イヤだ」と思ってしまいます。

③時間にめちゃくちゃ厳しい

「時間は絶対守らなければ」という意識が強く
自分は普段から、予定や約束に間に合うようにめちゃくちゃ計算して、準備して、気にしすぎなくらい時間を気にして動いているからこそ
他人が同じくらい時間を大切にしてくれないと、めちゃくちゃムカついてしまいます。
理由もなく遅れる、平気で締切を破る、遅れても謝らない、などされると一気にその人のことが嫌いになります。

④臨機応変な対応ができない

常に時間とTO DOをめちゃくちゃ気にしてそれ通りに動けるように生きているので、そこに新しいことが突然割り込んでくると拒絶反応が出ます。
たとえ仕事でも、本当に緊急のこと以外は「今じゃなくてよくない?」とめちゃくちゃ嫌な顔をしてしまいます。ぜんぜんウェルカムな心でいられません。
遊びや飲みも「今日は休む日」ってもともと決めていた日に、当日突然誘われると、どれだけ仲のいい人に誘われても「いやだな」と思ってしまいます。

⑤心の声めちゃくちゃ辛辣

他人に気を遣えない人、迷惑をかけていることに気づいていない人に対しての心の声がめちゃくちゃ辛辣です。
明らかに邪魔な場所に立ち止まっている人がいると「今すぐに自分が神の手を手に入れてあの人の心臓をプチって潰せたらいいのにな」とかっていう
絶対に誰にも言えないレベルのことを考えてしまっています。

⑥想像力のない人を軽蔑している

自分は普段やりすぎなくらい色んなことの先読みをして、
いろんなパターンの想定をして、いろんな方面に気を遣っているからこそ
「こうしたらこうなるな」とか
「自分がこうすることでこの人に迷惑がかかるな」って
事前に想像できない人の神経を疑ってしまいます。

「こうなると思ってなかったんだからしょうがないじゃん」
「わざとじゃないんだから許してあげなよ」と言われると
「そうなる未来を予想できなかったこと自体が罪だわ」と思ってしまいます。


はい。と、まあ色々と
性悪すぎることばかり書いてしまいましたが・・・

ね?意外とイメージと違ったんじゃないですか?

「繊細さん」ってきいてイメージされる人物像の心の声って
きっと

「どうしよう」「大丈夫かな」
「自分のせいかもしれないごめんなさい」
「あの人怒らせちゃったのかな・・・」

みたいなイメージなのかなって思いますが
HSP気質持ちは、自分がめちゃくちゃ「気が付く」からこそ
「気が付かない」人に対して、めちゃくちゃ負の感情を持つタイプの人もいるのです。

もちろんそういう人ばかりというわけではありません。
どちらかというと前者の、
よくイメージされるような「繊細さん」に近いです🙋‍♂️
って方ももちろんいると思います。

でも、そういう人がすべてじゃないよ。
意外と、気が強いタイプの「繊細さん」もいるよ。

ってことが伝えたかったことです。

じゃあ「繊細さん」の定義ってなに?


じゃあ、「繊細さん」ってどんな人だと思えばいいの?

と、わからなくなってしまった人もいるかもしれません。

ただ
気が強いタイプの「繊細さん」にも
気が弱いタイプの「繊細さん」にも
共通していることがあります。

それは『気付きすぎちゃう人』だということ。

他の人が気づかないところまで、敏感に気付きすぎちゃう。
だから必要以上に気を遣って、疲れちゃうし
気を遣えない人に対して、必要以上にイライラしちゃう。
そして、そんな性格の悪い自分にも嫌気が差しちゃう。

それが「繊細さん」=HSPです。

「気づきすぎちゃった」結果、感情がどう反応するかは
性格によってそれぞれです。
強気な反応をする人もいれば、弱気な反応をする人もいます。

でも
強気な性格でも弱気な性格でも、
HSP気質を持った人たちは
そうじゃない人たちに比べて
生きづらいな、と感じることが多いことに変わりはありません。


「こんな人が繊細さんでしょ」
って決めつけられずに
もっと広い意味で捉えてもらえる世界になったらいいな
と思う今日この頃なのでした。


24歳/新卒2年目の会社員/エッセイスト,コラムニスト/早稲田大学文化構想学部卒業/趣味は美少女鑑賞です