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#37_資格勉強への取り組み方について書いてみる

しばらくnoteから離れていましたが、仕事等も少し落ち着いてきたので、ペースを整えつつ再開することにしました。

タイトルの通り、資格勉強の取り組み方について書いてみます。
これまでいくつかの資格試験に挑戦してきて「こうすれば良かった / こうしておいて良かった」をシェアしたいと思います。

概要は以下の図の通りで、これに沿って直近で取得したUSCPA(米国公認会計士)を時折例に取りながら少し肉付けして記載します。
気になる部分だけでも読んで参考になれば幸いです。


スタート時

取り組む資格の概要を掴むにあたって、主に気をつけていたことを振り返ると「4W2H」です。(少し座りが悪いですが。。)

What:詰まるところ試験範囲です。過去問やシラバスから把握していきますが、時短する場合は予備校の説明会でサクッと情報を掴むのが得策と考えます。(商売上、「初学者でも週☓☓時間、●●ヶ月で受かる」といった謳い文句は割り引いて聞く必要があるかと思います)

When:受験時期に関わる部分です。「年に何回、この日に実施」と決まっているのか、自分で日にちを決められるのか。スタート時点ではあまり考慮する必要はないかもしれませんが、自分で試験日を設定できる場合でも、再受験について「前回受験から●●ヶ月は再受験不可」のような制約がある資格もあるので留意が必要です。

調べていく中でWhat と When がある程度固まると「いつまでに何をやるか」ということで勉強濃度(1日 / 1週間で何時間くらい勉強するのか)のイメージが段々と湧いてきます。当然、実際に進める中で実際と異なる部分も出てきますが、経験上 大きく食い違うということはありませんでした。
逆にこの2点について、仕事や家庭の状況から全く対応できそうにない場合は挑戦の時期や対象を再検討することも一考かと思います。
以降の要素は上と比べると受験の是非を左右するほどではありませんが、スムーズに進める上で抑えておくべきポイントと考えています。

Where:試験会場や予備校(通う場合)の場所も実は大事だと思っています。USCPAの場合、受験会場は日本では東京か大阪のみです。幸いにして自分は東京在住でしたが、地方勤務の頃に受験をしていたら1泊2日の日程で予定調整をしなければならず、苦労したと思います。
予備校はコロナもあってe-Learningが主になりつつあり、個人としては講義動画の倍速再生などもできるのでこの流れに賛成派です。ただ、教室に通って学ぶスタイルの方もいると思うので、そうした方にとっては予備校と自宅の距離感も大事になってきます。

How:試験制度の概要についてです。選択式 or 論述式、絶対評価 or 相対評価、問題の言語、紙 or PCでの回答 等です。特に選択式 or 論述式は、試験中に求められるアウトプットの精度に関係します。暗記系の問題があった時に、例えば4択の中から正解を選び出すのと、空欄に一言一句間違えずに埋めるのでは難易度も変わってくるので、必要な勉強の量や方法も自ずと変わります。
USCPAは4択問題 / 数字入力 / 英作文(4科目中1科目の一部)、絶対評価の試験で、言語は英語のみ、PC上で回答する形式です。知識系の問題については一言一句暗記するというよりも、論理の流れや全体像を絵的にイメージして頭に入れることが重要と考えて取り組んでいました。

How much / many:合格までに必要なコストを見積もることも大事です。友人や趣味等に使いたい金銭や時間をその資格に注ぐので、気合を入れる上でも、あるいは進退を検討する上でも把握しておく必要があります。
主に考えるステージとしては、「受験資格を有するまで → 受験勉強 → 受験 → 資格登録 / 継続」の4つと考えています。合格後である「資格登録 / 継続」がネックになることは考えにくいので、前の3ステージ(受験して合格するまで)の必要なお金・時間等が主になると思います。

to Whom:手続き先がどこなのか、です。これはUSCPAが特に複雑であったことから特記していまして、受験~合格~資格登録までに米国公認会計士協会・出願州の窓口・単位の評価機関・卒業大学・所属企業・予備校とのやり取りを複数回行っていました。
ここまで複雑ではなくとも、資格試験である以上、少なくともその運営機関とのやり取りは必ず発生するかと思うので窓口やプロセスは抑えておく必要があるかと思います。(何か漏れていた場合、温情が示されることは基本無いはずですので。。)

試験勉強中

多少荒削りでも「早く」回す

新しい分野や難解な単元を勉強していると「ほぼわからない」部分が出てきて考え込んでしまうことがあるかもしれません。(自分はありました)
その時に立ち止まって長期化していまうと、前の記憶が薄れるだけでなく、かけた時間に対してページ数など見かけ上の進捗が無いためにやる気が低下してしまい、最終的には撤退につながりかねません。

立ち止まってしまう人は割と100点主義の方が多いのでは、と想像しますが7~8割を合格ラインとして設定される資格試験において、「適度に適当」は戦略的に大事だと思っています。「適度に」が難しいところではありますが、全く進まない状況においてはこの点を緩めてみることをおすすめします。

自分もわからないことが気になってしまうタイプなので、「ほぼわからない」旨と、できれば「どのようにわからない(”~までは理解できるけど次の~につながるのが解せない” 等)」だけメモして次の章に行くことにしていました。
まずは全体像を掴む(最初は総量をやり通すだけでも達成感があるはず)、次に2周・3周回す中で理解度を上げていくという手順が効率的だと思います。
少し出が悪い蛍光ペンも「何度か塗り」すると”見れる濃さの色”になる、そんなイメージです。

試験本番に近い環境で勉強する

実力を高めるための努力とともに、実力を発揮するための工夫も同時に大事だと思っています。
人はいつもと違う環境化では緊張等をしてしまうものなので、通常の勉強の環境を試験本番のそれに近づけるようにしていました。

USCPAはPC上で解く試験であるため、問題演習もPCで行っていました。加えて、「選択式問題は30問セットを40分で解く」というように本番の問題群と目標時間で以てセットしていました。
まとめて時間を取って、模試を受験することも有効です。自分の進捗度や補強すべき分野を発見する手段ですし、当日の時間配分をシミュレーションすることができます。長丁場、難しい問題が出てきて嫌になることもあるかもしれませんが、模試だからといって途中でやめてしまうのでは無く、最後までかじりついてください。(実際の試験ではそうするのではないかと思います)

費用対効果を意識する

試験勉強にかけることができる時間 / 労力に制限がある中において「そのための労力や時間を投下するだけの価値があるか(合格につながるか)」を問い続けることが大事だと考えます。
USCPA受験時に直面した3つの場面を踏まえて具体的に書きます。

1つ目は、「濃淡をつけて勉強する」です。USCPAの最初の科目を勉強していた頃、勉強範囲が非常に広く途方に暮れていました。ただ、予備校のカウンセリングを受けて「試験の特性上、試験範囲から一様の比率で出題されるのではなく、抑えておくべき勘所の分野がある」と教わり、併せて模試や問題演習を通して単元ごとの自分の理解度を把握することで、2周目以降をより効率的・効果的に回すことができました。

次は自作ノートに関してですが、自分は「自作ノートは必要最小限」派です。試験当日に持ち込めない以上、頭の中に入れることに注力したい、というのがその理由です。大学受験期に自作ノートに膨大な時間と労力を注いだこともありましたが、期待した効果は得られませんでした。それ以降、手元のテキストに情報を一元化することにしています。書き込むにも億劫な分量はコピーして貼るなど、とにかく楽するように心がけていました。(まとめた後の覚える前に挫折してしまっては本末転倒なので)
例外的に一から書いていたのは、テキスト内の情報を横串的に理解するための表や図です。ただ書き写すのではなく、テキストの各ページを行き来しながら噛み砕いて作成するので、理解促進につながりました。(ここでもキレイに作ろうとは思わないようにしていました)

最後に語呂合わせです。好まない人もいるかもしれませんが、複数の用語をまとめて覚える上で強力なツールであることは間違いありません。自分で作るのも良いですが、まずは先人が作ったものを見てみて、しっくり来なければちょっと変えてみる、くらいの取り組み方が良い気がしています。

このように既にあるものを最大限活用して、それでも足りないものを自らラフに作る、という順序で捻出した時間を演習や暗記に充てて効率化を図っていました。

受験直前 / 当日

早期に試験日を決める

受験日は、今の自分が思っているよりも気持ち早めに設定する」というのが先送り癖がある自分に課したルールでした。どんなに勉強したところで「絶対に落ちない日」は永遠に来ないので、模試等で現在の実力を見定めて、それに試験日までの伸び代を加味して設定してください。
USCPAに合格できた鍵の1つが短期決戦化したことだと思っています。これによって勉強濃度が上がり、前の科目の知識が頭に残っていて助かったということもありました。

試験日の設定に際してですが、前後に大きめの予定があると諸々バタつくのでそうしたアグレッシブなスケジュールを避けることと、合否発表までの期間がなるべく最短になるように、を心がけていました。特に後者について、受験した科目の結果が気になって次の科目に集中しにくいことも往々にしてあるかと思います。それは仕方が無いので、そうした期間をなるべく短くして、その間は講義動画を軽く流す(続けることは大事!)等をして過ごしていました。

リラックス状態に持っていく

試験日も極力いつも通りに過ごす、が最強だと思います。もし試験当日9:00が開始時間で6:30には起床する必要があるとしたら、1ヶ月ほど前から6:30起床という「いつも」を作ることも1つの戦略です。
試験会場が普段行かないところにあれば事前に行ってみることもトラブル防止の一助になります。(自分は大学受験の頃から、事前に試験会場の前まで行ってみることにしていて、資格試験も願掛けを兼ねて続けています)

難問に対しても焦らない

試験問題を解いていると難問・奇問(悪問?)に出会うことがあります。「これまで勉強してきたはずなのに」と呆然としてしまいそうになりますが、焦らず読み直して勉強した各単元のキーワードを探してください。
分量や難解な表現で分かりにくくなっているだけで、実は基礎的な問題だったということがよくあるからです。
ただ読み直す際も時間を切って取り組むことが必要です。何度も読んでも回答し切ることができない難問(いわゆる捨て問、USCPAをはじめとする米国の資格試験では採点されないダミー問題がある)ということもありえます。それに時間を使いすぎてしまい、残りの問題に十分な時間を取れない、ということは絶対に避けたいところです。
合格点に達すればOKなので、慎重に問題を読んで部分点を掴み、時間が切れたら適当に埋めてスパッと次の問題へ行く、という切り替えが大事だと考えています。

これまでを振り返りながらザッと書き出してみました。
何か1つでも参考になれば幸いです。

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