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「どんなものがすき?」

数日前。
帰省したついでに私の母が、もうすぐ誕生日の我が子に誕生日プレゼントを買ってくれるというので、連れ立ってショッピングモールまで出かけたときのことだ。

これまで特にどうと書いていなかったのだけども、うちの子は女の子だ(と書いておかないと、この先の話がちょっとちぐはぐになりそうなので、敢えて記しておく)。
その日は、安全上の観点から普段の保育園では履けないスカートを履いてうきうきしていた。そして、その様子を見た母が「それならスカートを買ってあげようか」というので、結果洋服を買ってもらうことになった。
私と母で「これはどう?こんなのは?」と本人に聴きながら買い物をしたのだけども、かなり明確に「これがいい」「これは嫌」と意思表示をし、最終的にチェック柄、花柄、動物柄の服をプレゼントしてもらったのだった。

そんな1日があって、私は実は少し驚いていた。
前述の通り、室内でも屋外でも、体を動かす遊びがある関係で、踏んづけて転んでしまうかもしれないスカートは保育園に履いていけない。これはとても大切なルールだから、先生方も含めて「みんなそう」だ。
でも娘はスカートを「かわいい」「自分も欲しい」と思ったのだ。

もしかしたら、誰かが「スカートかわいいね」と言ったのかもしれない。お迎えに行くと時々、オーガンジーをウエストに巻いて、スカート風にして遊んでいたから、それを先生とか、誰かに褒められたから「これはかわいい」と思ったのかもしれない。
だけど、服なり持ち物なり一緒に買い物に行くと、大人連中が「これ可愛いんじゃない?」と提案しても、気に入らないものは嫌だと主張する。とすると、誰かがそう言ったからでなく、今の彼女なりの「かわいい」が確立されつつあるのだろうと思う。それが今はちょうど、いわゆる"女の子らしい"と言われるような、花柄もだったりチェックだったり、スカートだったりしているようだ。

「女の子らしい」という言い方は、昨今ちょっと難しい話になっていると思う。思うけれども、たとえばスカートはもちろん、花柄もそうだし、リボンとかレースとかフリルとかについて「女の子らしい」と呼ぶのは、もう30年以上もそういう感覚で育ってきたので、特に違和感も感じない。まあそうよね、って思う。
だからと言って、男の子や男性がそういうものを好きなのはいいことだと思うし、「男らしくない」とも思わない。
多分、自分の感覚価値観として感じる分にはよくて、誰かをそういうものに当てはめて、必要以上に持ち上げたり、逆に少しでも貶したり否定したりするのはいかんよね、ということだと思っている。
実際、我が子は恐竜もはたらくくるまも大好きで、洋服や持ち物を見たら「男の子っぽい」と思う人もいるだろう。思う分にはいいと思うのだ。やめさせようとさえしなければね。

この先大きくなって、見る世界が広くなっていくにつれて、色んなものに触れるだろうし、私がどうしても「いやこの趣味はわからんな……」となるものが出てくることもあるだろう。それが意図的に誰かを傷つけようとしたり、悪く扱ったり、法に背くようなことでないならば、「君が好きなものはこれなんだね」と言える親でありたい。
そして、誰かの「好き」を大事にできる人に育ってくれたらなぁと思うのだ。

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