LL教室の思い出

今やLL教室なんて子どもたちは知らないのだろうな。
学校の英語の授業で「明日はLLだって」と聞くとちょっとドキドキしていた。あのドキドキはなんだったんだろう。

LLの正式名称、正直知りませんでした。「Language Laboratory(語学実習室)」との意味で、特にリスニング(聴覚)に特化した教室のこと。

昭和50年代から普及したんですって。
そうそう、カセットテープで英語を聞くシステム。

前日にカセットテープ買いに行ったっけ。
ノーマルにするかハイポジにするか悩んだっけ。やたらと高いメタルテープは一体誰が買うんだろう?と横目にしながら。

欲張って120分のテープを買っちゃったら巻き戻しやA面とB面替えるのに時間が掛かって後悔した。
ウンザリして、オールナイトニッポンを録音する用に家で使った思い出がある。

また、テープがひょんなことから飛び出してしまい、鉛筆挿して巻いたのは私だけではないだろう。

LL教室で吹き込んだ自分の声に気持ち悪さを感じたり、令和の今や仕事では当たり前になったマイク付きのヘッドホンもあの教室で初めて身につけてなんだかドキドキしたっけ。隣の人との掛け合いなんかも録音したような…だからドキドキしたのだろうか。

私の個人的な思い出を他に挙げると、唯一あの部屋でELTの外国人の先生と会う時間だった気がする。

高校1年の時はシガニー・ウィーバー似のオレンジの髪をしたオーストラリア出身の女性だった。
LL準備室から現れるから、向こうの部屋にエイリアンが居るんじゃないかって友達とこそこそ冗談言ったこともあった。

まもなく先生は代わり、ニュージーランド出身の大学卒業したてのブロンドの女の子になった。彼女は下宿先から学校までの交通手段がローラースケートで、光GENJI以来のスケートとの遭遇だったが実に爽やかだった。

LL教室で会うか、ローラースケートかだったが、後々滑る彼女を呼び止めることが発生したっけ。

とまあ、LL教室は結局のところ、非常に利用頻度の少ない代物で、日本人の先生もたびたび使い方に苦労しているように見えた。
通常の授業で魅せるカセットデッキでの頭出しの神技からは嘘のようだった。

そういえばLL教室は一部先生と生徒との密会の場所と囁かれたり、「開かずの間」と呼ばれたりもした。
視聴覚室という部屋もあったけど、今や大きなモニターが教室に一台あったりするし、生徒1人にタブレットやPCが与えられてるから、もうあの部屋はとうの昔に無くなったんだろうな。

明日いろんな世代に聞いてみようかな。
LL教室って使ってました?

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