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How to play Didjeridu

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ディジュリドゥの演奏方法って見える部分が少ないだけにブラックボックス的です。そこでMRI画像をベースにしてイラスト化した顔の断面図や、実演動画や音声を使って科学的にアプローチした… もっと読む
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7. コールのエクササイズ集

コールの練習のポイント このエクササイズ集の最初のポイントはあえて循環呼吸をしないということです。Ex 1~3までは循環呼吸なしで、テンポをキープしながらただ単にしゃべることで音が鳴るということに終始すると、すごく小さなパワーでイダキが反応してくれることを体感できます。 まずドローンを鳴らして、それからコールを鳴らすのではなく、最初からコールだけを鳴らしていることもポイントです。ドローンの鳴らしやすさを主軸に感覚を整えるのではなく、コールを鳴らす感覚をベースに演奏感を構

0. はじめに

パーソナルな視点と感覚で書いてます 「ディジュリドゥの鳴らし方」、こう銘打ったコラムのシリーズを書くのって結構抵抗がありました。なぜかと言うと、アボリジナルとノンアボリジナルでも鳴らし方が違うでしょうし、プレーヤー個々人でもそれぞれ違うと思うので、一元的に「こうだ!」とは言えないものだと思うからです。 それでも、「あらゆる管楽器を演奏する時には身体の構造的にこうなる」とか、「こうやれば苦しくなるが、こうやれば楽になる」といった、やってみれば誰でも感覚的にすぐわかるような

1. ディジュリドゥで知っておきたい身体の場所

身体の部位と名称について 身体の構造を知ることは、ディジュリドゥを演奏している時に自分の身体がどう動いているのかを知るスタートラインです。そのためにも、今後このマガジンで出てくる身体の部位の名称と位置を簡略化した断面図で紹介しておきたいと思います。 唇・歯・舌などは一般的に誰でも知っているし、日常会話にも登場します。けれど、硬口蓋・軟口蓋・鼻腔・咽頭などは病院でお医者さんに言われても、その部位がどの部分を指しているのかあまりピンとこない医学用語に近い印象です。 中でも

2. ディジュリドゥの唇の作り方

ディジュリドゥを鳴らす時、マウスピースの中で唇をブルブルと振るわせます。一般的には、トランペットやトロンボーンなどの管楽器で使われる手法と似たバジングがチョイスされているようです。 自然に閉じた唇ってどんな感じ? ディジュリドゥ演奏に必要な唇の作り方に入る前に、まずは自然に唇を閉じた時の状態がどんなものなのか確認しておきましょう。 まず前提として管楽器を演奏する時には歯をかみ合わせない歯間をあけた状態にします。その状態で唇を自然に閉じると下の図のようになります。 図の

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3. 軟口蓋でフタをしてしゃべる

軟口蓋ってなに? 舌で口腔内の上顎をツーっと後ろに向かって触って行くと一番奥の方にやわらかな部分が出てきます。その場所から奥が軟口蓋です。かなり奥に位置しているのがわかります。 普段の生活で軟口蓋を意識する人は少ないと思います。まずは身体の動きとして、軟口蓋がどういう役割をはたしているのかみていきましょう。 軟口蓋は喉の奥でせり上がり、咽頭に触れます。それによって鼻腔と口腔という二つの空間を遮断する役割があります。鼻呼吸をする際には軟口蓋は垂れ下がって上気道と鼻腔がつ

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4. ディジュリドゥとハミング

吹く or しゃべる 「2. 唇の作り方 - 唇をどうふるわせるのか?」の後半では、実際に唇を閉じた状態でマウスサウンドをしゃべる所まで実践しました。実はこの状態でマウスピースに唇をつければドローンの音は鳴りはじめます。 つまり、一般的な管楽器のように息を吹いて鳴らすのではなく、声を使ってディジュリドゥを鳴らす。しゃべるように、唄うようにディジュリドゥを鳴らすというのが基本です。 でも、やみくもに好きなトーンでしゃべっていいわけではありません。ピタっと合うトーンでしゃ

5. ディジュリドゥと循環呼吸

ディジュリドゥと言えば循環呼吸というくらい、いっしょくたにとらえられるほどの演奏技術ですが、インドネシアの縦笛スリンなどでも循環呼吸が使われます。一般的には「ほほに空気をためて押して、それがしぼむ間に吸う」と考えられてるようですが、実はディジュリドゥで行うスムーズな循環呼吸はこれとは全然違います。 リラックスした呼吸 - 深呼吸と睡眠時呼吸 循環呼吸をメタ認知するために、日本人にとっていい呼吸のイメージとして定着している深呼吸について最初に考えてみたいと思います。深呼吸は

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6. コール - 抜けが良くクリアサウンドのコール

ディジュリドゥの3種類の音ドローン・トゥーツ・コールの中で、コールは自分がしゃべった声がそのまま出音になっているように感じられる点で、テクニック的に一番シンプルでわかりやすいです。 マイケル・ジャクソンの「ポゥ!」 ぼくがディジュリドゥを独学でやり始めた頃のコールのイメージは、マイケル・ジャクソンがシャウトする「ポゥ!」みたいな感じでした。思い返せば、その頃連続してコールをやるとやけに疲れるなぁと感じることが多かったように思います。 もしあなたのコールを鳴らす感覚が昔

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