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ウェブサービス/アプリをローンチするときに気をつけること

BAMBOO INCUBATOR(旧:南森町スタートアップ・ラボ)は、スタートアップ起業家の情報格差解消を目指し、起業家、エンジェル投資家、弁護士、弁理士、会計士、税理士、司法書士及び社労士で運営されている任意団体です。

このnoteでは、当会が開催している無料ウェビナーのレポートを投稿していきます。

今回は、2021/7/8に開催された「ウェブサービス/アプリをローンチするときに気をつけること」のレポートです。

https://peatix.com/event/1903370?lang=ja

「サービス/アプリ名って自由に決めていいの?」
「サービス/アプリの適法性ってどうやって調査するの?」
「特許権を取るのに気を付けることは」
「サイトやアプリのデザインまで適法性の調査をしないといけないの?」
「利用規約はなぜ必要なの?」
「プライバシーポリシーはなぜ必要なの?」

こんな悩みをお抱えの起業家(起業準備中)の皆さん、ぜひご一読ください。


本記事の構成

本記事は、トピックごとに、以下の順序で解説していきます。

・サービス/アプリ名は自由に決めていいの?
・サービス/アプリの適法性はどうやって調査するの?
・特許権を取るうえで気を付けることは?
・サイトやアプリのデザインまで適法性の調査をしないといけないの?
・利用規約はなぜ必要なの?
・プライバシーポリシーはなぜ必要なの?
・まとめ


サービス/アプリ名は自由に決めていいの?

基本的には自由に決めて大丈夫です。

しかし、気を付けておかないこととして商標権があります。
すでに商標登録されているサービス名と同じ名称を使うと、他人の商標権を侵害してしまう可能性があります。その場合、サービス名を使えなくなるばかりか、最悪のケースでは損害賠償請求を受けることもあります。

自分たちのサービスやアプリがヒットしたあとでサービス名を変更するのはなかなか骨の折れます。サービス名を決めるときは、似たような名前で商標登録がされていないか、必ず調べるようにしましょう。


サービス/アプリの適法性はどうやって調査するの?

新しいサービスを思いついたとしても、それが法規制に触れることはよくあります。したがって「サービスの適法性」も、事前に調査する必要があります。

まずは類似するサービスを行っている企業の調査をしてみましょう。
上場していれば、有価証券報告書の「事業等のリスク」欄に、法的な部分含め業界特有のリスクが掲載されていることがあります。
自分で調べてもよくわからない場合や、不安が残る場合は、弁護士などの専門家に必ず相談するようにしましょう。

次に、適法性に疑義があるサービスについて、検討を進める場合、以下のアプローチがあります。

まず、法規制に触れることが明確な場合は、違法にならないよう、弁護士に相談しながら、サービス内容に修正を加えることを検討する必要があります。
次に、法規制に触れるかどうかが不明確な場合は、国が用意している、適法性を確認する手続きの利用を検討するのがよいでしょう。国の法規制を確認する具体的には、以下の手続きが存在します。

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経済産業省のHPにグレーゾーン解消制度の事例が掲載されているので、イメージをつかむために、何件か事例を読んでみると良いと思います。
ただし、非常にデリケートな事案では、あえてこういった制度を使わずにサービスをリリースすることもあります。詳しくはよく弁護士と相談してください。


サービス/アプリに特許を取れそうな仕組みが含まれている場合は?

自分で発明したものであっても、特許出願をする前に公開してしまうと有効な特許権が取れなくなってしまうことがあります。

したがって、ローンチすると技術内容が分かるようなことなのかを確認し、特許出願が完了してからローンチする必要があります。

なお、ローンチ時点では出願が完了していればよく、特許が登録されている必要まではありません。


サイトやアプリのデザインまで適法性の調査をしないといけないの?

ごくありきたりなデザインであれば特に調査をする必要はありませんが、著作権には注意が必要です。

特にサイトのデザインをデザイナーなど外部業者に外注した場合、他社のデザインをそのままコピーしているようなことがないか、注意が必要です(著作権侵害になる可能性があります)。デザイナーとの委託契約の中で、著作権違反の不存在について保証させるなどの対応をとることが考えられます。


利用規約はなぜ必要なの?

どんなサービス/アプリにも準備されている利用規約。これは何故存在するかというと、端的に言うと起業家(スタートアップ)が自分を守るためです。すなわち、ユーザーとの紛争やクレームを防止することや、もし紛争やクレームが発生した際に自分たちに有利に交渉を進めるといった機能をもっています。

他方で、起業初期段階ではリーガルコストを十分に掛けることができないことから、ネットに挙がっている利用規約のテキストをコピペして簡易的に準備することは許されるのでしょうか?

テキストコピーが著作権侵害になる可能性は、極論すると低いですが(ただし過去に利用規約のデッドコピーを違法とした下級審裁判例は存在します。)、コピペする利用規約が本当に自分のサービスに適合したものなのか、よくよく検討する必要があります。斬新なサービスを構築する場合は、既存の利用規約が上手く当てはまらないことが多々あります。このような場合ははじめから弁護士などの専門家に作成を依頼したほうが費用対効果が高いことが多いです。

また、利用規約は、ローンチ後に修正することに一定の要件があるため、この点からもローンチ前に検討する必要が高い事項といえます。


プライバシーポリシーはなぜ必要なの?

個人情報保護法という法律により、ユーザーの個人情報を集める事業者は法に定められた一定の事項を公表する必要があります。これがプライバシーポリシーの最小の目的です。

しかし、実際のところは、個人情報保護法の要請を超えた部分(個人情報ではない情報の取扱)についてもプライバシーポリシーに明記されていることがよくあります。

これは、端的に言うとサービスのユーザーから信頼してもらい、自社のレピュテーションを構築するためです。「自分がこのプライバシーポリシーを読んだらどう思うか」(気持ち悪いと思わないか)をひとつの目線として内容を検討することをおすすめします(特にtoCサービスの場合)。


まとめ

ウェブサービス/アプリをローンチするときに気をつけるべきことは、以上のとおり多岐にわたります。

面倒がって後回しにしていると、特にサービスがスケールしたときに大問題を起こす事項が多いです。

是非ローンチ段階での慎重な検討を心がけてください!


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執筆協力
billage OSAKA
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