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姫路シネマクラブ運営委員。本業は平凡に会社員。姫路シネマクラブ 主催の自主映画上映会『…

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姫路シネマクラブ運営委員。本業は平凡に会社員。姫路シネマクラブ 主催の自主映画上映会『シネマ窟』担当。短編アニメーション上映会『Animation Runs!』 奉公人。最近は宝塚歌劇の沼に。映画観る⇔映画祭行く⇔上映会する⇔宝塚観劇⇔酒、のサイクル。

最近の記事

【どうにもならんので、この機会にみんな観ているのに僕だけ観ていない映画を観るシリーズ(5)】

『お葬式』(1984年/日本) ※ネタバレ超注意 実は伊丹十三の体験がごっそり抜けてしまっている。一時は「邦画はドラえもんと伊丹十三が支えている」とまで言われたというのに。まあ、この映画が公開されたのは僕が14歳の頃。中学生男子に刺さるとは思えない題材、しょうがないか。 いざ観てみると、お前は何様なのかと言われると思うが、上手すぎる映画で唸ってしまう。 画づくり。ことある毎、スタンダードサイズの画面に、多くの親戚、弔問客――登場人物たちが密集する。その配置が絶妙なのだ。逆にこ

    • 2022年これはと思った映画12本&短編映画12本

      【2022年これはと思った映画12本】 ということで年末恒例ですが順不同で挙げさせて頂きます。 『エルヴィス』(監督:バズ・ラーマン/2022年/アメリカ) 『ケイコ 目を澄ませて』(監督:三宅唱/2022年/日本) 『誰かの花』(監督:奥田裕介/2021年/日本) 『RRR』(監督:S・S・ラージャマウリ/2022年/インド) 『すずめの戸締まり』(監督:新海誠/2022年/日本) 『みんなのヴァカンス』(監督:ギョーム・ブラック/2020年/フランス) 『マイ・ブローク

      • 龍野国際映像祭2022 雑感《ブルネット先生、ここにおいででしたか?》《塩水》

        矢野ほなみ 《ブルネット先生、ここにおいででしたか?》 2021 4:49(日本) ダンテの『神曲』はもちろん未読なのだけど(泣)、地獄のわりにはそのきっかけも入り口も、ボッティチェリ『地獄図』を引用されたと思われる経路も、着いたその先も、何だか楽しそう。エンドクレジットも含めて。 デクラン・マッケナ 《塩水》Saltwater 2022  7:22(アメリカ) 映像がデジタルで作られるようになってから、ノイズのことを考えている。 ノイズは観る側に想像力を発動させる、と

        • 龍野国際映像祭2022 雑感《ひとり》《雷鳴》

          ゾルターン・デブレチェニ 《ひとり》SOLA 2020 8:30(ハンガリー) 人間とストレスの関係が逆転する様を、ダイレクトに表現。 しかし震えるのはラスト、部屋の窓からカメラは引いていき、同じような窓、ビル群が無機質に映し出される。彼女は「ひとり」ではなかったのだ。 オレスト・スミラネッツ 《雷鳴》Thunder 2022 1:00(ウクライナ) 戦争のない状態が日常としてあった、というごく当然のことをニュース映像から想像するべきなのだが、逆に麻痺してしまい想像でき

        【どうにもならんので、この機会にみんな観ているのに僕だけ観ていない映画を観るシリーズ(5)】

        • 2022年これはと思った映画12本&短編映画12本

        • 龍野国際映像祭2022 雑感《ブルネット先生、ここにおいででしたか?》《塩水》

        • 龍野国際映像祭2022 雑感《ひとり》《雷鳴》

          龍野国際映像祭2022 雑感《小さな時間》《群れ》

          マルタ・シニェゼク/クリスチャン・スパーリング 《小さな時間》Small Hours 2022 5:00(アイルランド) 画面を分割することについて考える。 聖徳太子ではないけども、人は同時に複数の人の話を聴けるようにはできていない。 しかし、世の中の様々な出来事は同時進行している。 更にこの作品で描かれているのは記憶であり、思考過程であるというのだ。 一度には追い切れない自分を嘆き、それを体験させてくれる映像という表現の幅を思い知らされ、再見できる(かもしれない)映像の可

          龍野国際映像祭2022 雑感《小さな時間》《群れ》

          【龍野国際映像祭2022 雑感(0)】

          ぶっちゃけた書き方をしていきますが、 芸術やらアートやらは結局のところ「役に立つ」のか、という疑問を持たれている方は多いかと思う。 僕なりの答えは「生きていくうえで役に立つのかどうかは知らんけど、関係なくはない」。 龍野国際映像祭のような地域密着型の上映の良い点は、マニアではない人々が会場に居ることだ。 どこからか「何のことやらさっぱりわからへーん」という声も聞こえてきたりする。まあ、確かにそうなのです。特に短編アニメーション、実験映像を扱っている本映像祭は「分からへん」もの

          【龍野国際映像祭2022 雑感(0)】

          竹中少年の体験を、竹中中年が解説する。

          約40年前。もう少し精度を上げるなら、43年以上は前(2022年現在)。 『さるとびエッちゃん』を観ていた時のことである。 僕の思想に、多大なる影響を与える大事件が起こったのだった。 ブクという犬が登場する。 ブクは人間の言葉、しかも大阪弁を話すことができるのだ。 彼が話すたびに騒動が巻き起こる。こんにちは~、とか挨拶するだけで「犬が喋った~!!」と周囲は驚きまくるのである。 かつての自分――竹中少年は思った。 「犬が話すのなんかあたりまえやん」と。 いや、竹中少年がちょっ

          竹中少年の体験を、竹中中年が解説する。

          「龍野国際映像祭2021」にまず一度行ってみる~まちなかプログラム編

          昨年、2020年から開催されている龍野国際映像祭から目が離せません。 「実験映像部門」「アニメーション部門」の2部門から構成されていて、なかなか一般の映画ファンには取っつきにくいところかもしれませんが、この映像祭の作品の応募要項には下記の条件があります。 ・両部門共に、台詞が無いこと。 ・両部門共に、10分以内の作品であること。 言葉というものは映像につけられると効果的ではあるのですが、時には厄介なもので表現を複雑にしたりもします。 そして台詞がないということは、字幕がな

          「龍野国際映像祭2021」にまず一度行ってみる~まちなかプログラム編