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凱旋門のグルグル(rond point)を回ってみた

私は運転が得意ではないし、どちらかというと嫌いです。
中でもパリは道は狭いし、一方通行多いし、歩行者やチャリがあっちゃこっちゃから出て来て怖いったらありません。特にナシオンやコンコルドなどの広場系、凱旋門のグルグルなんてグチャグチャかつクラクションまみれで、あんな所はメトロで行くに限ると思っています。

だから仕事でも、同僚と通院同行や外出時に誰がどこ行くか決める際に「comme tu veux (好きなの選んで良いよ)」と言いながら、シレッとパリへの外出を避けています(外出は基本車で付き添う事が多いです)。同僚も内心、バマゴはパリがニガテだと気付いている事でしょう。

しかしながら時々、避けられない時もあったりします。本日は他に運転出来る同僚が新人君しかおらず、上司の「バマゴ前にも行ったし大丈夫っしょ?」のひと押しで決定。OKと爽やかに答えたものの、内心は忸怩たる思いで一杯であります。

果たして本日午後、パリ北駅隣にあるLariboisière病院への通院に同行する事になってしまったのであります。我が施設からかなり遠いのですが、入居者さんの持病が珍しく、他の病院で診てもらおうにも医師が見つからないのだとか。3ヶ月に1度通院されていて、付き添うのは今回で2度目です。

行きはエッフェル塔の横を通りセーヌ沿いに走る→橋を渡ってコンコルド広場・マドレーヌ教会・オペラ座前を通り→小道を抜けてパリ北駅に辿り着くコース。バキバキの観光コースですが、診察時間が迫る中渋滞にハマって周りを見る余裕は全くナシ。特にコンコルド広場はマドレーヌへ抜ける狭い道にバスや車が押し寄せるので怖いったらありません。

で、1時間半かけて何とか無事に着いて、診察を受けおやつタイムを楽しんだのですが。問題はその後帰路が待っている訳です。

日が沈み暗くなり、かつ帰宅ラッシュに重なり、その上クリスマスシーズンで車も人もごった返すパリを再度縦断するのはあまりにも最悪、辛すぎる。幸いグーグルマップもパリ周りの環状道路に乗ったほうが早いよと示して来たのでその方向へ進みました。

がっっ!!!皆同じ事を考えているのか、ガチガチの渋滞で全く動かない訳です。20分ほど1ミリも動かなかったので、やむなくパリ縦断へ舵を切りました。北駅を出て環状道路に乗るためモンマルトル方面に来ていたのですが、取り敢えずセーヌ川の方へ南下すべく流れている道を探し進んで行きます。で、順調に進むのは良いのですが、事もあろうかグーグルマップが凱旋門を抜けて進み、アルマ橋でセーヌを渡るよう指示してる訳ですね。まあ、その道が流れてるので当然っちゃあ当然ですが。

いやいや、凱旋門は無理っすよ…。だって、あの周りバームクーヘンみたいに何層も車がグルグルしてるし、確か後から入る車が優先とかいう変なルールもあるらしいし(通常のrond point は先に入っている車が優先で、後から入る車はタイミングを待たねばならない)。何とか避けたい、けどもうすぐ凱旋門に着いちゃうし、逃げて一方通行だらけのパリ小道で渋滞にハマるのもキツい…という事でやむなく腹を決めました。

果たして、これは1度はやっとけという事なんだろう、と観念してあのグルグルに入ってみた訳です。勿論ラッシュ時でバームクーヘンは車がぎっちり詰まってますが、入る車優先なので入りは楽勝。で、凱旋門の向う側に行かねばならないので輪っかの内側に入るべき所ですが、入ったら出られなさそうなので、外側に残る事に決めました。すると入って来る車と出たい車が両方向からやって来て辺り一帯カオス状態で少しずつ回転して行く訳です。

上ずった声で「凱旋門来ちゃったよ〜キレイだね〜」と言ったところで、隣の入居者さんも状況が分かっているので、緊張感一杯の笑顔を一瞬見せて下を向き続けています。

そしてカオスな輪っかの外側に何とか居続けたため、外に出る際も思ったよりスムーズに出られました。出た後は、やった、ぶつからず、擦らずにあのグルグルから出れた〜と高テンションでセーヌ沿いを走り、2時間15分かけて我が施設に辿り着いた訳です。

という事で、やれるっちゃあやれるけど、1回で十分お腹いっぱいな経験でした。
やっぱりパリを運転するのはニガテかつキライです。

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