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怪奇骨董音楽箱

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音楽に関して書き連ねたことを、ここに格納していこうと思います。個人趣味から、プログレッシヴ・ロック近辺が多くなる……かも?
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#遠藤遼一

『MILLION MIRRORS』に見えるSOFT BALLETの「終末への序曲」

『MILLION MIRRORS』に見えるSOFT BALLETの「終末への序曲」

 はてさて。
 以前「ソフトバレエ、まずは『愛と平和』が代表作だ」と記した。同時に「取っかかりには『INCUBATE』もおすすめ」とも。
 その2枚のポップ・サイドが強い傑作の間に、ファンでさえ議論の的となる作品が存在する。それはソフトバレエ(以下ソフバ)がアルファからビクターへ移籍し、大きく期待されての第一作になった『MILLION MIRRORS』。スペルに「L」と「R」が多いので逆に誤入力し

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SOFT BALLET『愛と平和』――破壊と創造がループする「代表作」

SOFT BALLET『愛と平和』――破壊と創造がループする「代表作」

 ソフトバレエのスタジオ作で、万人におすすめできるものはどれか?
 オーディナリーな答えはおそらく、ふたつに絞られるだろう。アルファ時代の『愛と平和』か、ビクター時代の『INCUBATE』に。
 双方ともに作品としてのバランスが優れており、「アルファ時代の総決算」「ビクター時代の正念場」となる楽曲自体も充実した時期。「森岡:藤井」の作曲者配分も『愛と平和』では「5:6」で、『INCUBATE』では

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SOFT BALLET『relics』収録の未発表2曲を歌詞ききとり掲載およびレヴューしちゃうよ (Part 2:TOKIO BANG!)

SOFT BALLET『relics』収録の未発表2曲を歌詞ききとり掲載およびレヴューしちゃうよ (Part 2:TOKIO BANG!)

TOKIO BANG! (DEMO)
(作詞・作曲・編曲:SOFT BALLET)

Into the break down, TOKIO BANG BANG
We give a that of joy, TOKIO BANG BANG

人の波 顔の海
朝もや浮かぶその目には
あてもなく星もなく
抜け殻だけが遠のく

まばゆい世の中の
無力な人の渦
互いに絡みあう
組み込まれると知らずに

狂い

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SOFT BALLET『relics』収録の未発表2曲を歌詞ききとり掲載およびレヴューしちゃうよ (Part 1:血管)

SOFT BALLET『relics』収録の未発表2曲を歌詞ききとり掲載およびレヴューしちゃうよ (Part 1:血管)

仮題: 血管 (MILLION MIRRORS)
(作詞・作曲:遠藤遼一/編曲:SOFT BALLET)

地上に落ちたOddity
裸のまま 海の(中)
片足 左手に乗せて
死にゆくまで 手を踏んで

傷は肺になら
(Ich Der Weil)
目を閉じてさらば
(Existenz)

In the Million Mirrors
Loving your own sight
To hide an

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【結局SOFT BALLETとは何だったのか?】

【結局SOFT BALLETとは何だったのか?】

 よし。
 というわけで「そもそも」なテーマとなってしまった。当然というか業というか。
 SOFT BALLETの実在を問う、たぶん決着しない文章である。あーあ書き始める前に言っちゃったそんなこと。
 
 ソフトバレエ(以下ソフバ)は、ここのところ連続で書いてきたようにクセが強い、というかクセしかないトリオによる奇跡的なバンドである。
 サイケ趣味を我慢して暗黒に身を隠す「宇宙野郎」遠藤遼一(ヴォ

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【藤井麻輝 = SOFT BALLET説】

【藤井麻輝 = SOFT BALLET説】

 さて。
 SOFT BALLET(ソフトバレエ、以下ソフバ)を各人ずつ語ってみて、いよいよトリは「破壊こそ我が人生」藤井麻輝の順番となった。なってしまった。最大の問題児の順番に。
 しかもとんでもないタイトルで書き始めるという、前代未聞のスタートである。大丈夫かこのお題。
 
 では、意を決して宣言しよう。
「SOFT BALLETとは、即ち藤井麻輝である」
 
 そもさん、ソフバは「宇宙野郎」

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【この際だから森岡賢を語ろう】

【この際だから森岡賢を語ろう】

 
 さて。
 前回、遠藤遼一を気の向くまま論じてしまい「じゃあ、以下2名はどうなのかね」と立ち返った。
 言うまでもない。SOFT BALLET(ソフトバレエ)の以下2名、森岡賢と藤井麻輝である。
 
 そもさん、ソフトバレエ(以下ソフバ)はこの3人あってこそのバンドだった。バンドと呼ぶと違和感があるものの、本人たちが一時期自嘲気味に「バンド」と言っていたのでそれでいいだろう。
 というのもソフ

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【遠藤遼一という人生】

【遠藤遼一という人生】

 あなたは「遠藤遼一」という人物をご存知だろうか。
 ピンとくるかこないか、それで完全に分かれる人物だ。不思議なことに「ちょっと知ってる」という人は、ほぼほぼいないだろう。では、わからない人には「原田知世の元カレ」とだけ言っておく。交際を知ったときはびっくりしたよ、心底のファンとして。
 遠藤がその名を知られていないのは、彼の最も成功したキャリアであるバンド「SOFT BALLET」自体が、そんな

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