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リトアニアのビルシュトナスに行ったワケ・3

さて、前回前々回と、庭で採れたベリーばかりをもらった。

両手に山盛り3カップの山盛りベリーを手に、どうするか困っていた私に次の任務が課せられた。

「Vytautas Mineral SPAにチェックイン」

アコーディオン工房を案内してくれたアウリマスさんアウシュタさん夫妻がルータさんが、手配してくれた街の中心部に近いホテルまで送ってくれた。車のドアのボトルホルダーに固定していた山盛りベリー3つを忘れたふりをしてみようと思ったが、すかさず忘れないように渡してくれた。Vytautas Mineral SPAは、1で登場したビルシュトナスインフォメーションセンターのルータさんが手配してくれていた。
ホテル名のVytautas Mineralとは、1924年に設立した国際的なミネラルウォーター製造会社のVytautas Mineral Waterが経営するスパホテルとして地元では有名な場所である。

Vytautas Mineral SPAのエントランス
客室から見る庭と湖
遠くに見えるのはビルシュトナスでは有名なタワー

エントランスに入るとカフェから颯爽と消えていったルータさんがホテルのロビーで待っていてくれた。チェックインの後、ロビーにルータさんを待たせながら部屋に入ると、一人では大きすぎる部屋が広がっていた。

客室

まずは3つの山盛りカップのベリーを冷蔵庫に入れ、大きさにびっくりしつつも人を待たせていることも気になるので一周してから、首都ヴィリニュスで買った競泳用水着を手にロビーへ走った。

実は競泳用水着を買ったのは、ヴィリニュスの知人の家でビルシュトナスでの日程を話すと「必ず水着を買わないとダメだ!」と言われ、おなじみリトアニア人の強い実行力に引っ張られる形でスポーツ用品店に連れて行かれた。
試着を重ねた結果ようやく見つけた一着。それがいまロビーへ向かっている私のエコバックの中にある。
再び登場したルータさんの車で滞りなくビルシュトナス1件目のSPAであるEglės sanatorijaは滞在するホテルからほど近い場所だ。

このSPAには病気や疾病を治療するための医師もいるリハビリテーション施設とマッサージやすぱなどの美容健康部門が併設されている。
宿泊施設もあるため、周辺の公園を散策したりネムナス川がゆったり流れる景色を見ながら癒されることができる。

部屋からネムナス川を眺める
宿泊施設部分

ルータさんからスパのスタッフさんにバトンタッチ。まずは泥のSPAを体験する。服は脱ぎ、紙でできたパンツだけに履き替えた。全身泥のパックをするそうで、英語は通じない女性の施術師に導かれながら手術台のようなところへと寝そべるようにと言われ、釣られたマグロのようにステンレスの上にビニールシートが敷かれているその上にツルッと仰向けに寝そべった。
羞恥心は少しあるが、気になるまえに直径5cmくらいのホースからドバッと出てくる生暖かい泥が全身に容赦なくかけられた。ぬか漬けになったきゅうりや大根の気持ちがなんとなくわかるような気もする。心地よい泥はビニール袋に包まれ、私は全身を泥パックされている。
20分ほど泥に浸かったあと後、そっとビニールを開けてもらい、日本海のマグロと化した私の体はシャワーで泥を落とすと、これまでにないようなツルツルしっとりになった。

その後、建物の中を移動し次の場所へ案内されるとそこは、ミネラルプールだと言う。このプールには私ひとりで満喫できる。家族で来ている人は家族とも入ることができるそうだ。
ビルシュトナスで湧き出るミネラルウォーターを用いているため、プールの中で身を委ねて見ると死海に入っているイメージ写真のようにぷかーっと浮いてしまう。
これが楽しくてベッドのようにぷかぷか浮いたまま、クリオネのように自然にまかせて40分程度遊んでいた。ミネラルウォータープールはリラックス効果のほかにも循環器疾患、中枢や末梢神経系の疾患、筋骨格 系の損傷、呼吸器系の疾患などに効果があるとされている。
(注: 泥のスパとプールは湿気が多いのと足元が滑りやすいため、惜しくも撮影できず)

内容の濃い時間だったし、すでに2つも1日でやっていたら「これくらいで終わりにしてもいいんじゃないか?」と思っていると、次に案内されたのは琥珀サウナだった。

琥珀スパに入るドア

と言うわけで次回の4では、琥珀スパの体験をレポートします。

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