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育休給付の延長と落選狙い

産経新聞の記事「育休給付の延長へ「落選狙い」の保育所申請横行 厚労省が審査厳格化へ」が目に留まりました。

これは私が育休明けの頃にも話題になっていて、数年前から問題になっていました。

雇用保険から出る育児休業給付金は原則1年、延長で1年半、再延長で2年までもらえます。

この延長の制度を使おうと、わざと倍率の高い保育園等への入園希望を出し、落選を狙う人が多くなっていることが問題だそうです。

ですがこれ、本当にそうなのかな?と思います。

もちろん、狙って落選したい人もいるでしょうけれど、人気のある園には理由があるわけで、そこに入園希望を出すのは悪いことではありません。

私も3人の子の復職時の預け先を探したときは本当に苦労しました。

遠い郊外の園にしか空きがないのです。

家から近い園、家から職場までの途中にある園、職場の近くにある園、駐車場が完備されている園、PTA活動がさかんでない(親に負担をかけない園)等、いろんな視点から保育園を選びます。

特に、立地は賃貸探しと一緒で、絶対にゆずれない条件です。

利便性は最も大事です。

空きがある園が家から遠い場合、それでもそこに希望を出せ、と言うのでしょうか。

現実的ではないです。


未就学児のいる家庭の朝は戦争です。

服を着るのを嫌がり、ご飯を食べるのを嫌がり、チャイルドシートに乗るのを嫌がり、朝の支度のことを考えると前の晩から頭が痛くなるほどです。

これが、家から遠い園、職場と反対方向にある園に預けてから出社するとなると、親の負担はかなり大きいです。


あと思ったのが、育休って本当に1年で足りると思いますか?ということです。

子を育てたことがない人、とりわけ育てやすい子を育てた経験しかない人にはわからないかもしれませんが、子が生まれて1歳になるまでは生活リズムに慣れればなんとかやっていけます(夜は授乳で寝られないので復職できるほど楽、という意味ではありません)。

母乳しか飲まない子を育てる人は辛いかもしれませんが、ミルクを飲む子であれば、赤ちゃんは昼間はベビーベッドの上で、外の危ない場所へ行ったりはしないのでなんとかやっていけます。

本当に大変なのは1歳から小学校に上がる前までなんです(個人的には)。

なんでも嫌々言う「イヤイヤ期」に突入して全く言うことをきかないし、危ない場所へ突然出ていくし、大人顔負けの力で抵抗してくるし、身体は弱くてすぐに高熱を出すので会社を早退、休まなければならないことはしょっちゅうです。

なので、1歳になったら復職できるでしょ?という考え方自体がどうなの!?!?と思ってしまいます。

未就学児の子育てと、雇用されて働くのを両立できて当たり前、という考えがあるのでしょうか。

両立できません。

いえ、両立できる人はいますが、それはスーパーマンだと思います。

普通は無理をしないと両立できないと思います。

未就学児の子育ては仕事と両立できるほど簡単・楽ではないのです。

フルタイムで働くのと同じくらいの労力を要します。

なので、もともとの育児休業給付を未就学児の間にすればよいと思います。

もちろん、仕事が好きで好きでしょうがない人は早めに復帰すればよいし、そう言う人のために預け先の枠は用意しておくべきでしょう。

とにかく、「未就学児の子育ては両立できるほど楽ではない」ことを大前提に、ルール作りをしてほしいものです。

そして子が未就学児の間は、働きたい人は自由に働ける環境、子育てに専念したい人はそれができるだけの金銭的援助が必要なのではないでしょうか。


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株式会社 ジェー・シー・プラス

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<株式会社ジェー・シー・プラス(JCP)代表>

小池梨沙

<株式会社ジェーシープラスゆのき。主にウェブ関係担当。ジョブコーチ>

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