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花擬人化本とグッズを作るまで

一次創作である「花擬人化シリーズ」のイラスト集とグッズを作るまでにMaiがやってきたこと、考えたことをあれこれ語ろうの回です。

目次

  1. 名古屋コミティアへの申込と準備と落選

  2. 本やグッズが完成するまで

  3. イラスト集「花と心」のこだわり

  4. イラスト集「Flower Gift」のこだわり

  5. 最後に


名古屋コミティアへの申込と準備と落選

結論から申し上げると、タイトルの通り名古屋コミティアには申し込んだものの、「落選」したので、実際に参加にはいたっていません。
ただ、全力で準備していたので、いい話のネタになるかなと申込から当落発表までの経緯を書いていきます。

幼少期から絵を描き、オタク文化に馴染みのあった自分は、昔から「同人即売会に一度は出てみたい!」という強い憧れがあったものの、機会がなくそのまま大人になっておりました。

そんな中、2023年9月ごろに開催された名古屋コミティアに一般参加者として出向き、色んな創作物にその場で触れてきまして。そして即売会に足を運ぶのは実に数年ぶり、というような状況でした。

「やっぱり同人即売会って楽しそうだな…!」って気持ちが大きくなり、それと同時にコツコツと描き溜めていた一次創作のイラストがそろそろ本に出来る枚数になったかも知れない…と、思い始めた時に、「せっかく本を作るならイベントに申し込もう!しかも地元のイベントだから行きやすそうだし!」と半ば勢いで申し込んだのが申込の理由です。

申込をしてから私が準備したのは以下の通りで、準備期間は大体4ヶ月くらいです。

  • サークルカット

  • 各種SNSリンクをまとめたサイト

  • 設営用のグッズ・POP・値札

  • おつり用の棒金・千円札

  • 頒布物(アナログ原画や無料配布物も含む)

  • ぬいぐるみの制作依頼

サークル参加経験がないので一からの準備は大変でしたが、最高のイベントにするぞ!という意気込みがあったので、非常に楽しくもありました。
どんな風に飾ったら魅力的なスペースのレイアウトになるだろう?と頭の中で考えたり、調べたりして創意工夫するのがめちゃくちゃ楽しくて。

終盤ではこんな感じでスペースのレイアウトを作ったりしていました。

スペースのレイアウトイメージ(自宅でイメトレ)


自創作のキャラクターPOP


スペースを華やかにするためのアイテム

レイアウトを考える時にこだわったポイントは以下の点です。

  • 一目で見て楽しそう!だと感じるレイアウトにすること

  • 花擬人化創作のイメージに合うレイアウトにすること

上記のポイントに沿って、パッと目を引くキャラクターイラストのPOPを多数用意したり、花擬人化創作のイメージに合うように造花を飾ったり深緑の敷布を用意したりしました。

ちなみにスペースに飾るために自創作キャラのぬいぐるみも制作依頼しており、こんな感じのかわいいぬいぐるみも完成いたしました。
先述の写真には載っておりませんが、最終的にはこちらのぬいぐるみもスペースに飾る予定でした。

自創作キャラのぬいぐるみ


オフイベントに参加するならアナログ原画もあるとスペースが華やかよね!ってことで久々にコピックを取り出してアナログ原画を描きまくったりもしました。

用意したアナログ原画

詳細は後で記載いたしますが、これらのイベント準備と並行して、約100Pのイラスト集の原稿を2種類制作しています。
これだけ私はイベント参加に向けてはりきっておりました。

だからこそ、だからこそなんですが、ついにイベント開催まで1ヶ月を切り、当落発表がされて、自分が落選だと分かった時の落ち込みはそれはもう酷かったんですよね……。

落選理由は抽選漏れ、ということですが、名古屋コミティアは参加可能人数よりも応募者が多いので落選は結構よくあることらしいです。
その事実を知ってはいたものの、まさか自分がなるとは夢にも思わなくて……。
用意したこれらのものを…!実際に現地で見て欲しかった……!という気持ちでいっぱいでした。


ただ、ただですね。
「イベントに行くよ!その日は予定を空けてるよ!」と当落前に遠方住まいにも関わらず声をかけてくださったフォロワーさんや、
「もし宜しければ、委託してうちのスペースでMaiさんの本を頒布しませんか?」
と当落後に名古屋コミティアに参加予定のフォロワーさんから声をかけていただいたことは忘れません!
とてもとても嬉しくて、有り難かったです…!
残念な結果にはなったものの、準備自体が楽しかったことは事実で、参加を決めなければそういったお声をかけていただくこともなかっただろう、ということを思うと、いい経験は出来たかなと思っております。

次にまた機会があれば他のイベントに今度こそは参加してみたい…!
そんな気持ちでおります。
今回あれこれ準備したから、次に参加するときはもっと楽に参加できるはずだと信じて……。

本やグッズが完成するまで

■本が完成するまで

花擬人化のイラスト集は初めから約100Pの本を2種類も作ろうとしていたわけではありません。

最初は1種類作るつもりで原稿を作り始めたのですが、いざ作り始めると「あの絵もこの絵も載せたい…!」という気持ちでどんどんページ数が膨れ上がり、もうこれは2種類作った方がいいな、ということでこのような結果となりました。

私は、ダークな雰囲気の絵とポップ・かわいい系統の絵をどちらも描くので、本の内容に一貫性をもたせるためには結果として2種類に分けたことはよかったんじゃないかな?と思っております。
本の中身はこんな感じでかなりの温度差があります。

「花と心」より


「Flower Gift」より


花擬人化本を作る前には、自分の代理キャラのイラスト集も作ったことがあるのですが、こちらは一次創作と言い切っていいのかは微妙なラインの本でして…!

なので、今回は完全な「一次創作」の本として、本を作れたことは一創作者としてひとつの夢が叶った思いでした。

■グッズが完成するまで

私は過去に作ったことのないグッズを作るのがわくわくして好きなので、今回それをすることができたのが良かったです。

今回作ってよかったなーと思うグッズを一部紹介いたします。

1.全面箔押しポストカード
写真では中々伝わりにくいかもですが、青い線の部分が全て箔押し仕様となっているので角度をつけると絵全体がキラキラします。
箔押しって同人活動している方の「夢」じゃないですか?少なくとも私はそうで、実物を手にした時にはテンションが上がっちゃいましたね…!

全面箔押しポストカード

2.フリーペーパー
ペーパー印刷というのも初の試みだったのでやってよかったなと思っております!ピンク色の紙なんて中々お店では売ってないので、こういうのは印刷所にお願いするからこそ実現できるものだなと思ったりします。
イラストにはトーンを使ったので、いわゆる同人誌(漫画)っぽい仕上がりになってこれまたテンションが上がりました…。

フリーペーパー

3.スタンプと納品書
スタンプ自体は過去にも作ったことがあったんですが、今回は通販用に納品書を手作りしまして、そこに作ったスタンプを1つ1つ押してみました。
お品物の到着のご連絡とともに納品書も写真で載せてくださる方もいたり、有難いことに好意的な言葉もいただいたので、一つの遊び心としてやってみて良かったなーと思いました。

納品書に押されたスタンプ

紹介したいグッズは以上です。

上記には掲載していないものの、本をご購入してくださった方へのおまけとしてステッカーも作りましたが、ステッカーも実は初の試みでして!
やっぱりグッズ作りって大好きです。自分の描いた絵で新しくモノを作る楽しさ。
まだまだ作ったことがないグッズがあるのでこれからも貪欲に挑戦していきたいですね✍️

イラスト集「花と心」のこだわり

※本項以降は、イラスト本の中身にも関わる内容となるため、ネタバレにご注意ください。今後お読みになる予定の方は、読了後にお読みになることを推奨いたします。


「花擬人化シリーズ」の初のイラスト集となるので、たっっくさん拘りました。
読んでいただいた方に少しでも楽しんでもらえたらいいなと心から思っております。

せっかくなので、こんなところをこだわったんだよ、っていう箇所の紹介をしていこうかなと思います。

【こだわりポイント】

  • 表紙絵とタイトル

  • 本の装丁

  • 本のコンセプト

  • 本の構成・内容


1.表紙絵とタイトルについて

「花と心」の表紙絵

「花擬人化シリーズ」のイラスト集「花と心」の表紙絵は上記の通りです。
表紙を見ただけで、花擬人化の世界観に引き込まれるような、そんな絵にしたい……!という思いで、上記のイラストを仕上げました。

美しい世界と、どこか不穏な雰囲気。
それが絵のテーマです。

絵にはガラスの破片が散らばっていますが、ガラスの破片の中をよく見てみると、画面の中に立っている人物:エリンジウムが実は枯れているのです。

頭にかぶさるように降り掛かっている破片の中を覗くとわかりやすいですが、ティアラにヒビが入って割れていたり、ツノが元よりも細く貧相な感じになっています。
右手に重なる破片の方もよく見ると袖がボロボロの状態となっており、枯れつつあることがわかります。

一見美しく見えても、その裏では残酷で、儚くて、でもだからこそやっぱり美しくて。
そんな花擬人化の世界を表すような絵を描きたいと思ってこんな絵を描いてみました。

タイトルは悩みましたが「花と心」にしてみました。
心を持つ花たち…通称「心花(しんか)」が出てくる作品なので。
そして、色んな感情をもって互いを思い合うような子達でもあるので、そんな意味も込めてのこのタイトルです。


2.本の装丁について

本の装丁はとてもこだわったので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいなというポイントの一つです。

本の表紙はキラキラと粒子が輝くような用紙にしてみました。これは表紙絵のガラスの破片にも合うだろうという意図を持ってこの用紙を選んでいます。

表紙の用紙

そして、表紙をめくった後には黒色の紙に銀色の粒子が入った星空のような遊び紙が差し込まれます。
写真では伝わりませんが、実物を見ると光沢のある銀色がとても綺麗です。

遊び紙

遊び紙をめくると、導入ページが現れます。

遊び紙と導入ページ

最初のページは森の中に佇む花擬人化の後ろ姿を眺める絵としていますが、遊び紙を入れることで、冒険者が森の中をかき分けて歩き、花擬人化がいる場所を見つけた、みたいな演出となるようにこの装丁にしています。
黒と銀の粒子の遊び紙を見ると、深い森の中のような、木漏れ日のような、そんな感じがしませんか?

また、遊び紙は巻末にも差し込んでいますが、これも印象的な演出を作るためにそうしています。
手元に本がある方はぜひ見直してみてください。


3.本のコンセプトについて
「花と心」は花擬人化の世界に触れていただくことをコンセプトに本を制作しています。
そのため、花擬人化の世界観がわかるようなコメントをイラストに添える形で所々に差し込んでみました。
そして、綺麗で美しい・シリアスな系統のイラストをメインに多数の作品を収録しています。

イラストに添えられたコメントの例


4.本の構成・内容について
先述した内容とも重複する部分が御座いますが、冒険者が花擬人化のいる世界に足を踏み入れて、色んな場面を観測していくようなイメージで本全体は構成しています。

読み手の方が世界に入り込みやすいように、冒頭は漫画形式で導入ページを描き、その後はある程度テーマごとに沿ったイラストを順番に掲載しています。

冒頭の導入ページが終わると、本のタイトルと共に、「秘密の場所」という作品が載ったページが現れますが、まさに、ここからいろんな冒険や物語が始まっていくようなイメージです。

冒険・物語のはじまり

またタイトルの下に入った白い線で描かれた一輪の花ですが、実はこの花はこのイラスト集の中であと2回、姿を変えて登場します。
この花がどのような変遷を遂げていくのか?──これは花擬人化の世界を象徴するシンボルとして描きました。

このイラスト集は多数の過去作品を並べたイラスト集ではあるけれど、でもただ鑑賞するためだけのイラスト集だけじゃなくて、この本が1冊まるごと、「ひとつの物語」となるように、そんな思いを込めてこの構成にしてみました。

あと、花言葉を紹介するページを最後の方に入れているんですが、これもこだわりのひとつです。
最初はフラットな気持ちで作品を見ていただき、2回目は花言葉を知った上で見ていただいたら、より楽しんでいただけるかな、という意図で組み込んだ仕掛けです。

とてもこだわって作った私にとって大切な本である「花と心」です。
一度読んでくださった方も、上記の点を踏まえてまた見返していただくと、新たな発見があるかもしれないので、もし宜しければお時間のある時にもう一度読み返していただけると嬉しいです!


イラスト集「Flower Gift」のこだわり

花擬人化シリーズのイラスト集 第二弾(といっても第一弾との同時刊行ですが!)の「Flower Gift」についてもこだわりを話していこうと思います!

【こだわりポイント】

  • 表紙絵とタイトル

  • 本の装丁

  • 本のコンセプト

  • 本の構成・内容


1.表紙絵とタイトルについて

「Flower Gift」の表紙絵


こちらの本の表紙絵のコンセプトは、とにかく可愛く!華やかに!です。

プレゼントボックスのように開けたらワクワクするような、そんな明るく煌めいたイメージで描いてみました。
本のタイトルもそんなイメージの本にするために、「Flower Gift」と名づけています。

ちなみに表紙絵のプレゼントボックスの中には植物のシロツメクサが入ってるんですが、シロツメクサは漢字で書くと「白詰草」で、昔は梱包材として使われていたお花でもあったことからその花を入れています。

可愛いの象徴であるピンク色をふんだんに使っていますが、表紙に描いているキャラクターであるシロツメクサは緑色がイメージカラーのキャラクターなので、画面全体の色を調和させるのにはすごく苦労しました…!
こちらの表紙絵は色味もこだわりポイントの一つです。


2.本の装丁について
こちらの本の装丁で目玉となるのはなんといってもレインボーのホログラム加工がされた表紙でしょうか。

グッズの項で述べた箔押しの件もありますが、ホログラム加工もまた同人活動者の夢……!(※私の独断と偏見です)
とても華やかになったのでやってみて良かったな〜と思いました!ご購入いただいた方にも好評なようで嬉しかったです。

レインボーのホログラム加工がされた表紙


3.本のコンセプトについて
こちらの本は、花擬人化のキャラクターを知ってもらうことをコンセプトにして制作しました!
「花と心」では花擬人化の世界を、「Flower Gift」では花擬人化のキャラクターを、ということでこの2冊は対照的な本となっております。
両方ご購入いただいた方には花擬人化のすべてを楽しめる仕様となっています……!

「Flower Gift」は、ページを捲るたびにワクワクするような、そんなポップな可愛さを全面に押し出した本となっております。
イラストもただ単に横に並べるだけでなくて、その絵に合いそうな背景をつけたりして、より見ていて楽しい!を感じていただくようなデザインにしています。

イラストに合わせた背景デザイン
キャラクター紹介ページ


4.本の構成・内容について
前半はキャラクター紹介ページ、後半はイラスト掲載ページの構成で本は制作しています。
その項に入る前には以下のようなページも差し込んでおり、公式ガイドブックのような、そんな感じの「本らしさ」を感じるデザインとしています。

キャラクター紹介ページの冒頭

各キャラクターの紹介ページでは、どういうことを自分が考えてそのキャラクターのデザインを決めたのかをひとつひとつ手書きでコメントを記載しています。
Xでもちょこちょこそういう内容を呟くことはあったものの、正直言って量が多い&細かくて語りきれない!という部分もあったので、イラスト本を作る機会を有効活用して、ここぞとばかりにあれこれ書きました。
各キャラクターの性格についても簡単にコメントしておりますので、この本を見るとキャラクターの概要がなんとなく掴めるのかなと思います。
ぜひ楽しんでいただけたら幸いです!

最後に

本を作るまでのあれこれについて記載して参りましたが、はっきりと言えることは「作って良かった!」という気持ちでいっぱいであることです。
花擬人化創作を始めたばかりの頃は、まさかこんなにイラストを沢山描いて、本やグッズを作るようになる日が訪れることになるとは夢にも思いませんでした。
自分の好きなキャラクターや世界を表現することはとても楽しいことなんだなと強く実感しています。

本を作って頒布するまでの過程で、色んな方から温かいコメントをいただき、それが本当に本当に励みになりました。凄く嬉しくて、それがまた、「作ってよかった」という気持ちを私に抱かせてくれました。

温かいお言葉をくださった皆様、本やグッズをご購入してくださった皆様、作品を楽しみにしてくださる皆様、本当にありがとうございます!

これからも楽しく創作活動をしてまいりますので、宜しければ見守っていてくださると嬉しいです。

Mai


【参考情報】
■MaiのBOOTH
https://mizuiroballoon.booth.pm


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