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“小さなものを大切にする”はむずかしい
この春から社会人になった。
カレンダーを3枚めくって、もうすぐ夏が近づいている。
サーキュレーターを購入して、まくらカバーやシーツを新しくした。
1日8時間、週に40時間。働くことで得られるお金は学生時代より増えたけれど、心地良さのために使うお金は変わらない。ありがとう、実家暮らし。
学生から社会人になって、私が感じていること
社会人になったからといって、わたし自身の何かが変わるわけではない。
でも、自分から意識的に立ってきたバッターボックスが、社会人になってからずっと立ちっぱなしな感覚がある。振り方も、振るタイミングも、何もかもわからない。でも、とにかく立たされて、そこから離れられない。
立ちすぎて、へとへとになりながら、自分の弱さと向き合っている。
「こんな感じでいけるだろう!」と思ったこと。実は、指摘されるポイントにつながっている。
妥協することや途中で飽きてしまうことに黙々と向き合い、工夫して乗り越えること。学生と社会人の大きな違いが、ここにある。
私にとっての小さなミス。積もり積もって、信頼とか責任とか、お相手との関係性にヒビを入れる。
0→1で考えるのがやっぱり苦手。どっちがいいんだろうと、思考が散漫してしまう。
散漫した思考と、早く進めなきゃの気持ちが前にドーンと立ちはだかると、もう無理なんだけど、となってしまいがち。
こんな感じで、ちっちゃいちっちゃい棘がぴしぴしと刺さって。
なんだか、息苦しくなる。
“小さなものを、大切にしたい”
配属前研修が始まって1週間で、わたしが同期に話した言葉。
どんなライフプランを描き、どうやって生きていきたいかを話す時間に、みんなは結婚はいつ頃で、こんな暮らしをしたくて、こういう仕事をしていきたいと話す中で、わたしはぽろっと本音をこぼした。
みんなは戸惑っていて、怪訝な顔をしていた。
「これからする仕事って、小さなものを大事にできないかもしれないけれど、それって大丈夫なの?」
そう、そうなんだよね。私が大事にしたいものを100%大事にできる環境は、ここではないとわかっている。
小さなものの声に、きちんと耳を傾けられるわたしでいたいと思っているのに、目の前の大きな声に囚われて、自分の中の小さな小さな心の悲鳴に目を背けようとしている。
すこやかでありたいと願いながら、すこやかとは真逆の方向に走ろうとしている自分が醜い。
“ままならないわたし”
最近の私は、人恋しくなって、誰かの肌に触れていたくなる。
1人でいたいと願いながら、誰かとつながっていたくて、誰かに話を聞いて欲しくて、私がここに生きていることを知って欲しくなる。
それと同時に、誰にも邪魔されたくなくて、すぐへとへとになって、丸まってしまう。
ほんと、ままならない。
何かが変わるだろうと小さな期待を抱きながら。今日も鏡の向こうにいる自分が、こちらを睨んでいる。